虫歯は黒いというイメージをお持ちの方はむしろ普通だと思いますが、実はむし歯初期は、歯の表面が不透明な白色に変化します。
この時点では、表面のエナメル質がややガサガサ、ザラザラ感があって、歯が欠けているわけではありません。
昔は、虫歯初期については、虫歯が進んだら治療しましょうみたいなアプローチだったと思いますが、今は(少なくとも当院の場合)初期むし歯はストップまたは元に戻すのが可能ですから、予防を頑張りましょうということになります。
白濁した初期むし歯が進行すると茶色~褐色ぽくなって、欠損も発生します。ただし初期の欠損の段階で進行しなくなることもあって、停滞性う蝕と呼ばれます。これがいわゆる黒いんですね。
真黒な場合、この停滞性むし歯か単なるステインですので、目立つけれども意外と心配いらないわけです。
矯正治療前の患者さん。
年齢的に小学校高学年から中学生が多いわけですが、この時期は基本的に自分で歯磨きをしていますので、歯磨き状態の良し悪しは本人の責任。
この患者さんも矯正治療希望でしたが、初診時は歯磨き状態不良で、歯肉炎、初期むし歯が見られました。
そういう状態で矯正装置を付けたら、さらにむし歯や歯肉炎のリスクが増します。そういう場合、当院では、ブラッシングが良好になるまで矯正治療開始は延期です。
上の写真で右上隅の歯の生え際に白い帯状の場所がありますね。これが初期むし歯で、これは若干欠損が始まっています。何とかストップをかけたいものです。
矯正治療期間中は毎回歯のクリーニングとブラッシング指導をします。いい方に考えると、矯正治療がブラッシングレベルを上げる良い機会とも言えます。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam