前歯のかみ合わせが逆の反対咬合の場合、乳歯の時期で4歳くらいを目安に治療を開始することがあります。
かみ合わせが深く下顎が前に誘導されている要素が大きい場合、早期治療の意義がより大きいと言えます。
この時期は、ムーシールドなどの就寝時のみ使用する簡単な装置を使用することが多いですね。
上下の前歯が生え変わる小学校低学年の時期であれば、永久歯前歯がほぼ生えるまで待ちます。
上下の真ん中の歯が逆に噛んでいるということで相談に来院される場合も多いのですが、2番目の前歯が出てくると治癒する場合がある一方で、上下前歯4本ともそのまま逆に噛んでしまう場合もあります。永久歯は歯の大きさによってはデコボコ傾向が出てくることもあり、さらに反対咬合の患者さんの場合、上の前歯付近が内側に位置してそれが原因でデコボコがみられることも多々あります。そのような場合、通常2番目の歯、側切歯がさらに内側に生えて来ることが典型です。
永久歯上下4本ずつが出揃うと、ある種情報が増えるわけで、その分適切な治療計画が立てられます。待つメリットがあるわけです。
この患者さんも、切歯が逆に噛んでいるということで来院されましたが、側切歯が出てくるまで待ってもらいました。
側切歯が割と良い位置から出はじめています。デコボコもありません。
上の前歯が内側に傾斜、下の前歯が外に傾斜している要素。
奥歯のかみ合わせ的にも下顎が前にずれて噛んでいる要素があります。
このような患者さんでは上の前歯を単純に前に移動すればOKです。もっとも簡単な移動で、最も簡単な装置ということになります。
これは患者さん説明用の模型ですが、内側の装置、リンガルアーチのみで治療します。
前歯のスペース不足、ねじれなどがあれば逆に外側のみのマルチブラケット装置が適応症です。
この患者さんの場合、側切歯部分は裏側からワイヤーをぴったっと接触させておけば、上下良好に噛むようになると思います。
中切歯のかみ合わせは簡単に治癒するでしょうから、むしろ側切歯がしっかり出て来て噛みあうというのがこの時期の治療のゴールとなります。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam