福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

早速読みたい

2015-10-12 | 歯並び、矯正の話

読書の、勉強の秋。
最新刊をチェックしていたら、矯正YEAR BOOKが今年も発行される時期です。
歯科の専門書は出入りの業者さんに注文するのが一般的でしたが、最近はAMAZONで買えるものが多いので、予約オーダーをしていたら発刊後最速で届きました。





私は成長期の矯正治療は積極的に行っていて、効果は実感しているのですが、まだ議論の余地がある分野です。
効果がある例、そうでもない例、その分析と見極めが重要なのはもちろんですが、どのような装置を用いるかも検討は重要と思います。
「成長期の上顎前突を極める」とか気になるタイトルです。
上顎前突とはいわゆる出っ歯系のかみ合わせになるわけですが、治療期間が若干長めにはなっても、早期介入が適切ではないかと思われます。
同じ患者さんを比較はできないわけですが、放置していた故に成長期に悪化して、永久歯を抜く治療になってしまう例は見られます。
早速読んでみましょう、勉強の秋。


 


ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

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永久歯が出てこない

2015-10-12 | 口の中の問題

乳歯の時期に上の前歯をぶつけて来院される患者さんは、少なくはありません。
小児歯科ですので必然的にそうなのかも知れませんが、乳歯の場合は歯が欠けるというよりもグラグラになったり位置がズレたりする例が多いという特徴があります。
グラグラになっている場合、3週間前後固定するという処置でほとんどグラグラは無くなります。ただし後遺症と言えると思いますが、外傷後数か月して歯の変色が起こってくることがあります。
これは、歯のなかの神経血管が変性した状況なんです。変色しても歯の根の周辺の炎症像がなければそのまま経過観察でOKです。一方で炎症が進行する場合、根の治療が必要となります。
治療するしないに関わらず神経は生きていないわけで、永久歯が出てくるときにすっきり生え変わらないなどのトラブルが出てくることがあります。
ですからこのような場合は永久歯との生え変わりの時期まで経過観察が必要ですよ、とお伝えしています。





この患者さんは以前上の前歯を外傷して、根の治療を受けています。
当院初診の段階で、上の前歯の生え変わりに左右差がありそうだということでX線でチェックしました。
外傷後の処置は適切だったと思いますが、乳歯の根の溶け方に左右差があります。永久歯の位置も左右差あって、向かって右側の永久歯前歯の位置が問題です。
発見時期が早かったので、まず根が溶けていない側の乳歯を早急に抜歯しました。




半年後。前歯の相対的高さはあまり変わらないように見えますが、すべて一緒の速度で降りてきていると判断されます。
これは悪くない。丁度生え変わりの時期ですので、邪魔者の乳歯を抜歯することで、ずれは残っているものの、自然に出てくることも期待されます。


 

歯茎の膨らみから判断して、埋まった前歯は外側に傾斜しているようです。




もうしばらく、どこまで自然改善するか経過観察です。
出てこない場合は外科的処置も考えますが、一旦出てくれば適時に矯正治療を行えば問題は改善します。
乳歯外傷後は重傷でなければ固定で一旦問題なくなりますが、例えばその数年後にこのようなトラブルもあり得ますので、生え変わりの時期の診査は必須ですね。








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