この患者さんは中学生で、すべての歯が永久歯。
通常は全体的矯正治療で上下ともに装置をつけることが多いのですが、奥歯のかみ合わせが良好で、下の歯並びにあまり問題がありませんでした。そこで、上の前歯6本にブラケット、左右の奥歯にチューブを付けて(個人的には2X6装置と呼んでます)、上のみの治療を試みました。かみ合わせが深いことで下の前歯に突き上げられたように上の前歯がバラけています。
かみ合わせを上げていくと上下前歯間が一時的にかみ合わなくなります。そのスペースに上の前歯を内側に傾斜させてバラけを改善つつ、上下がかみ合うようにします。
前歯6本が内側にきゅっと締まったような感じです。7か月で終了。
後戻りの防止には、前歯の内側に細いワイヤーを沿わせて連結するように接着する、リンガルリテーナーを使用しました。ややがっちりした固定です。
装置を外したばかりで、歯茎の腫れに加え、真ん中の歯肉は歯の移動で寄って余ったような状態です。1か月ほど経過をみて、装置のチェックがてら、増殖したこの部分の歯肉は整形予定です。最近導入したレーザーで簡単に処置できるでしょう。このような歯肉のたるみは審美的にも問題ですが、歯並びの後戻りの原因にもなります。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam/