福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

虫歯の個人差

2011-08-17 | むし歯予防の話

「歯磨きしているんですけど、虫歯になりやすいようで」という保護者のかたのコメントを時々聞きます。また、「うちの子はどうも歯の質が弱いのでは?」というお話も聞きますね。
実は元来の歯の質の個人差というのは実証されてはいないのですが、出て間もない歯は成熟度が低く歯の質が弱いというのは分かっていますし、フッ素の使用で歯の質が強くなることも分かっています。
大人のかたで虫歯治療本数が多い場合、歯間の虫歯治療が多いんですね。乳歯永久歯にかかわらず、歯間の虫歯が減ればかなり治療も減るだろうとは思います。もうひとつ虫歯になりやすい場所、それは奥歯噛み合わせの溝部分ですね。やはり出てから数年間というのが虫歯リスクが高いんです。これに対しては、シーラントといって溝部分に樹脂製の歯科材料を流し込んで封鎖する処置を行えば、かなり虫歯リスクは減少します。
歯間虫歯予防はシーラントのような便利な予防手段がありませんので、やはりフロスとフッ素使用ということになります。
歯間虫歯は初期段階では分かりにくいですし、フロスの習慣化というのも簡単ではないでしょう。でも溝部分や歯間は歯磨きだけでは予防に限界がありますので、フロスやシーラントも歯磨きと同じくらい重要と認識していただきたいと思います。
さらに低年齢では出て間もない弱い乳歯が多いわけですから、早めに甘いものを覚えると虫歯菌も増えますし、当然虫歯にもなりやすくなりますね。
虫歯予防はこのようにハミガキを頑張るだけでは不十分です、年齢によって重要な事柄は変わっていきますので、それに応じた合理的で楽な予防選択をしてほしいと思っています。 

数年ぶりに来院した7歳になる患者さん。下のX線写真は右下奥歯で、噛み合わせ部分からみるとわずかな欠けがみられますが、実は中でしっかり広がっていて、神経にも近接しています。歯間虫歯は見た目の3倍くらいは大きくなっていますよ、と説明していますが、まさにその通り。






左下奥歯間は若干歯の色が変わっているなという程度でしたが、実際は下の写真のごとくしっかり歯間の虫歯。
治療が初めてで不安感も大きい状態でしたので、ラバーダムの練習も兼ねて、こちらから治療しました。
この程度までであれば、麻酔なしでの治療で1回で終了しますが、やはり予防に勝るものはありません。






ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam/
              http://www.futatsuki-dental.com/

 

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