虫歯というのは黒い、というイメージを持っていらっしゃる方は少なくないと思います。
実は初期虫歯はエナメル質の透明感が落ちて白濁したように見えます。これが進行性で穴のあく虫歯になると黄色~褐色に変化していきます。そして進行が止まると黒っぽくなるんです。ですから、必ずしも黒い部分を除去して(削って)治療する必要はないわけです。
特に初期虫歯段階であれば、虫歯の再石灰化という修復作用が期待できます。これの強い味方がフッ素の使用です。
歯科医院で塗ってもらう高濃度フッ素ももちろん効果的ですが、初期虫歯の再石灰化という効果に絞れば、日々の低濃度のフッ素の使用が有効です。それは家庭での毎日のフッ素使用、すなわちフッ素入りハミガキ、家庭用フッ素ジェル、フッ素うがい液などの使用です。
初期の段階で虫歯を発見した場合、特に歯間や平らな面では歯磨きは重要ではありますが、それ以上に歯科医院と家庭でのフッ素使用です。実際当院の患者さんでも、初期虫歯がみられた場合には家庭でのケアをお願いして、しばらく1か月間隔くらいで来院してもらい、経過観察&クリーニング&フッ素塗布を行います。その結果初期虫歯が進行しないのはもちろん、消失する例も少なくありません。
また多少虫歯が進行して穴があいてきた場合でも、ある段階で進行がストップしてとりあえず削る治療は不要という場合も珍しくありません。これは特に低年齢で虫歯ができて通常の治療が難しい患者さんでは、無理がないチョイスと考えています。
虫歯というのは、特に初期段階では、歯が溶けるすなわち脱灰と回復すなわち再石灰化の間で揺れ動いているものといえます。ですから、再石灰化を促進させると回復が見えてくるわけですね。
花王が広報している、フッ素入り歯磨きの使用法です。
ハミガキ剤というのは歯垢や着色を除去する効果はもちろんありますが、虫歯予防という観点では、含まれているフッ素をいかに有効に使うかということが、より重要です。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam/
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