福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

無理のない段階的歯科治療

2009-06-02 | 虫歯治療の話
特に低年齢児や障害を持っている子ども達では、むし歯→とにかく削って治療、という方程式は無理があることが多々あります。子どもの立場に立つと、かなり大変でストレスがかかることだと思います。
私自身の臨床で結構以前から取り入れている方法というかコンセプトがあります。この方法を助けてくれているのが、グラスアイオノマーセメントというフッ素が持続的に出る材料、そして最近のカリオロジー(むし歯学)です。グラスアイオノマーセメントは大学勤務時代に行っていた研究テーマのひとつだったことも助けになっています。
最近の業界の雑誌に徳島大学の有田准教授(この前の大阪の小児歯科学会でもお会いしました)の、「小児歯科における“smart material ”グラスアイオノマーセメントの応用例」 という記事がありました。
内容を読むとまさに私が行っている方法と同じだ~~。嬉しくなります。
初期むし歯部分は機械では削らずに、器具でむし歯で柔らかくなっている部分を取り除いてグラスアイオノマーセメントを詰めます。いわゆる理想的な詰め物というか治療法に比較して、格段に早く簡単に終われます。
またこのグラスアイオノマーは使用目的によっていくつか種類があって、初期むし歯で穴が開いていないようなレベルではコーティングしてむし歯をストップまたは元に戻すことも可能です。さらに奥歯の溝部分のむし歯予防に有効なシーラントの材料としても使用できます。何しろ簡単に短時間で可能なので、私も楽、患者さんも楽、保護者の方も楽という次第。
記事に「GIC(グラスアイオノマーセメント)は、直接う蝕病巣に充填することが可能で、最近は数か月間生存し得るが充填物下のpHに低下は見られず、細菌は冬眠状態のままで病巣が進行することはない」という記述があります。ここが他の材料と違うところ!!
完璧ではありませんがとにかく一旦治療は終了して、定期的に予防管理をしながらある程度の年齢になる、または慣れてきた段階で、最終治療を行います。
定期的に来院してもらうことで、保護者の方の予防への関心も高まって、治療後のお口全体の今後のむし歯予防にも繋がるのではないかと考えています。








ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam/
                             http://www.futatsuki-dental.com/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする