当院に来院される患者さんで乳幼児の場合、フッ素塗布なども含め、むし歯予防という保護者のご希望が結構あります。
保護者の方とお話しすると、「自分が歯が弱いから」とか「むし歯になりやすいから」、子どもはそのような目に会わせたくないと言われます。さてそのような時、虫歯菌の母子感染を考えると、お母さんのむし歯リスクというか虫歯菌の多い少ないが気になりますね。また、子ども達がどの程度虫歯菌に感染していてリスクがあるかも、むし歯予防作戦を立てる時にかなり参考になります。
さて、お母さんのむし歯リスクですが、「むし歯が多いので…」と一言で言われる場合でも、本当に最近でも新しい虫歯ができるようなハイリスクなのか、過去に治療したところにむし歯が再発するようなミディアムハイリスクなのか、過去にむし歯治療を多く受けて治療歯は多いが最近はあまり問題が無いミディアムリスクなのかという違いが実はあります。
虫歯のできやすさは、食環境や歯並び、歯みがき習慣やフッ素の使用など多因子ですが、虫歯菌の多さや唾液の量、能力(緩衝能といいます)、pHなどが重要な要素です。最近は種々のむし歯リスク検査が出てきていますが、当院ではミュータンス菌をはじめとする酸産生菌を培養するCAT21テスト、唾液の緩衝能を調べるCAT21バフ、そして唾液のpHを調べるオーラルペーハーテストを組み合わせて親子の虫歯リスクを判定することができます。
この結果と他の生活習慣を総合的に評価して、より適切な予防処置とアドバイスができるというわけです。
歯垢を48時間培養して色変化でむし歯リスクが分かります。当院のスタックもややハイリスクがいました。
唾液緩衝能テスト。こちらの結果も、皆バラバラでしたね~。危険域の人もいます。
こちらは唾液のpHを検査するものです。数秒で結果がでますし、唾液を貯めなくてよいので、乳幼児でも検査OKです。