陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

三月尽 胡蝶侘助

2022年03月31日 | nonoka

今年の三月三十一日は雨となった。
フランシーヌの場合は、この日は日曜日
でないといけないのであるが…。

さて明日からは概ね世間では新年度となる。
ということは、もう今年は最初のクオーターが
終ったということだ。速いなあ。
私は四月生れだから人より早く歳を重ねる。
この速さに“ジャネーの法則”を実感してしまう。

ジャネーの法則とは
年月の長さは年少者にはより長く、年長者には
より短く感じられるということを、仏の哲学者
ポール・ジャネが心理学的に説明したもの。

まあそんな蘊蓄はどうでもいいとして
この三月尽を春の雨が惜しんでいるようです。

(写真)胡蝶侘助
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2022桜の風景Ⅰ 大島桜

2022年03月30日 | nonoka

桜が一気に開花してきた。
ご近所では七分から八分咲位だろうか?
この週末には満開の花見日和となりそうである。
お天気に恵まれれば、コロナの蔓延防止措置も
解除されたことだし、花見客で賑わうだろうな。

公園で一本だけ知っている大島桜が咲いていた。
わたしはソメイヨシノよりは山桜の方が
どちらかというと好きである。
この大島桜は日本の固有種。
ソメイヨシノもこの大島桜から生まれたと言う。
どことなく気品があっていいなと思う。それに
葉がついているのも好きなのである。ちなみに
この葉っぱは桜餅に使われるのだと言う。

後ろに映っている白い花の樹は辛夷である。
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春の妖精 片栗の花

2022年03月29日 | nonoka

ふと片栗の花を無性に見に行きたくなった。
あそこならそろそろ見頃かもしれない。
電話をすると今が盛りだと言うではないか。

思い立ったが吉日。一路車を飛ばす。
今回は時間も急くので新神戸トンネルを抜けて
箕谷から有馬街道へ入り、小部峠を左折して
お目当ての神戸市立森林植物園へ向かった。

平日それも月曜とあって植物園は空いていた。
森のカフェ右手のロックガーデンエリアに
あの春の妖精…片栗の花はひっそりと咲いていた。

片栗の花はスプリング・エフェメラルと呼ばれる。
スプリング・エフェメラルとは、春先に開花し
夏まで葉をつけると、あとは落葉広葉樹林の
林床などの地中で過ごす一連の野の花を総称して
Spring Ephemeral と呼ぶのだそうだ。
花をつけるのも十年という歳月がかかるという。
街中ではまず見ることはない。だからとても
出逢えない貴重な花なのだ。
そこがその花姿とあいまって、たまらなく
魅力のある花なのである。俳人にも高い人気で
兼題には必ず登場する季題でもある。

料理でよく使う片栗粉はこの片栗の地下茎から採る。
けれど。ほんの少量しか採れないから、今は
片栗粉はほとんどジャガイモの澱粉である。

ひそと咲く妖精のような花。少し歩けば
しゃくなげ園の斜面にも群生していた。
いつも俯いているので、下から覗いてみたかったが
恥ずかしそうにするので覗くのは止めた。
これは冗談だが、本当は低いので覗けないのだ。
手でそっと面(おも)を上げてあげない限り。
触れることはご法度なのでそれもできない。

ともかく出逢えて良かった。
さながら片恋の人に逢ったよう気分かな。

■片栗の花 ホトトギス新歳時記より
山地の樹蔭などに多く見かける。
早春に地下茎から二枚の長楕円形の葉を出し
その間から10~15センチくらいの花柄を出す。
その先に百合に似た淡紅紫色の六弁の花が
下を向いて開く。かたかごの花。

かたかごの花は小さなバレリーナ
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幸せ昼ごはん イベリコ酢豚

2022年03月28日 | slow gourmet

春の嵐になるとの予報であった日
雨ではあったが予想に反して風はなく安堵。

今回の吟行前ランチ探訪会は中華。
「今日は中華。それも酢豚ですがいいですか。」
「いいじゃない。」「いいわね。」
件のお店はビジネス街にあるが、平日は
会社員たちが訪れるが、今日は週末それも雨
とあって、一階の席がちょうど空いていた。

週末はコース料理のランチ提供となるらしい。
1800円と2500円の二種類。1800円のコースを。
前菜、スープ、点心、主菜、ご飯、デザートである。
主菜はイベリコ豚の酢豚、麻婆豆腐、担々麺
から選べるが、もちろんイベリコ豚だ。

蒸し鶏、ピータンなどの前菜に始まり
スープはナンプラーのタイ風、焼売の点心をつつき
いよいよイベリコ豚の酢豚。何か楽しみ。
ふむふむ。柔らかくてジューシーだぞ。味付けもいい。
これはワンランク上の酢豚という感じでござった。
締めのデザートは杏仁豆腐を食べて、さあ
いざ吟行へ出発進行!ごちそうさまでした。

■中国菜シンペイ
大阪市西区靱本町1-1-18 日宝CUBE靭本町3号
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赤いスイートピー

2022年03月27日 | nonoka

淡路島から赤いスイートピーが届きました。

歳時記によるとスイートピーはシチリア島原産。
江戸時代末期に渡来したという。花のかたちは
蝶の飛び立つ姿を思わせ、色は紅、紫、白、黄
ピンクなど、少女の華やかなを感じさせて
香りもよいとある。梱包を開けたらほんにいい香り。
思わず松田聖子の歌の歌詞が脳裡に流れた。
そういえば、作詞家の松本隆さんは、今は神戸に
お住まいである。勿論作曲はユーミンだ。

春色の風に乗って淡路の海を見に行こうかな。
心に春が来た日は、赤いスイートピー…
なんちゃって(^^♪

■淡路島の花 上里花園

今我が家ではミモザの花の黄と競演しております。

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雨の初桜

2022年03月26日 | slow haiku

この日の吟行会は春の嵐の予報。
用意周到にゴルフの雨合羽を羽織って出掛けたが
幸いに雨も小振りとなって風も吹かなかった。
靭公園の桜はおおよそ七分咲位だったろうか?
暖かい春の雨にうすべに色を解き初めていた。

それにしても今日の俳人たちは
この天候を生憎の雨なんて言わなかったぞ。
今まで雨の句は詠んだことが無いから良かった。
なんて嬉しいことを言ってくれるではないか。
雨の日も晴れの日も自然現象に優劣なない。
雨の日は雨を詠む。風の日は風を詠む。
それこそ本当の俳人なる証しである。

この日の靭公園で見つけた季題。
初花、花曇、糸桜、雪柳、木の芽、ものの芽、草の芽
山吹の花、蒲公英、木蓮、辛夷の花、なんと著莪も。
雛菊、パンジー、そして囀(さえずり)、春の雨。

たくさん見つけて、たくさん観察して
そしてたくさん詠みたくさん学びました。
こんな都会のど真ん中の公園にも
こんなにも自然は溢れているのでした。
でめたし、でめたし。

静かなる雨にうす紅解く桜
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大林ビルと白蓮の春

2022年03月25日 | nonoka

中之島公園、薔薇園の白蓮(ハクレン)が
満開となっていた。
北浜リバーサイドのビルヂングを借景に
厚ぼったい真白の花弁を開いていた。
この公園の初夏の主役である薔薇たちは
まだ剪定が終わったばかりの裸木のままだ。

借景は大林ビル。ここの最上階には、以前
ルポンドシェルというフレンチレストランがあった。
(ルポンドシェルは今は旧大林ビルにある。)
ちょっとした会社のパーティや、また贅沢な
ランチをしたい日には時々行ったものである。

私が勤め始めた80年代の北浜界隈には、以前
弘得社というステーキレストランがあった。
ビフテキのスエヒロである。当時はバブルへ
向っていた時代。弘得社には飛ぶ鳥を落とす勢いの
証券マンたちが、昼から分厚いステーキを
食っていたものである。記憶では月に一度だったか
一円玉で食べられるステーキの日があった。
この日はいつも行列ができる。顔をさすから
私は並ぶことはなかったが笑。今でも
北浜は大阪の中でもとても好きな街である。

中華の王府や清光倶楽部、洋食の明洋軒に
グリルロータリーにエズなど、和食では二葉に
ぶんだ、揚げ物はサルハに青山…エトセトラ
しかし北浜時代にランチや退社後に
よく通っていた店はもうほとんとが消えてしまった。
この間通ったら「南禅」という店はあった。
ここのゆったりしたソファーが印象深い。
後、更科そばもまだ営業されておられる。
ここの“鴨シマ”はもう長い事食べてないな。

おやおや、またセンチメンタルテイストだぞ。
木蓮の話ではなかったか?
このブログを書いている頃は、この白蓮たちも
しどけない姿になって錆色を見せているかもしれない。
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初桜ひらく

2022年03月24日 | nonoka

石屋川公園の桜が一輪、二輪と綻びました。
初桜です。その他の蕾たちは紅を含んで
一斉にひらくその時を待っているようです。

明後日の大阪・靭公園の桜は、どの程度
開花しているのでしょうか?楽しみ。
靭公園はビジネス街のど真ん中にあるので
盛りには会社員たちの花見のメッカとなります。
昔は新人たちが、昼日中から手持無沙汰に
場所取りの番をする光景が風物詩でした。
まん延防止措置も解除になったので、今年は
久しぶりにその光景がみられるかな?

私も何回かここで花見をしたことがあります。
この頃は日が落ちるといつも気温が下がって
いわゆる花冷。だから日本酒でないと
寒くてもたなかったなあ。そして興が乗ると
一句詠んで下さいって言われたっけ。
懐かしい思い出です。それでは一句…。

初桜開きそめたる二輪かな

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路地裏のうさぎ

2022年03月23日 | slow culture

用があってこの日もまた大阪へ向う。
大阪へ行く日は目的地まで往復歩く。
そうするとだいたい一万歩になるのである。

阪神電車梅田駅の階段上がってすぐ右へ折れる。
新装なった阪神百貨店のグルメ街を横目に
大阪駅前ビルへと歩く。どん突きまできたら
そこから地上へ。昔映画館があった処へ出る。
そこから新地本通りを右目に見て淀屋橋まで。
淀屋橋からは地下に潜って北浜へと歩く。
そして北浜の地下道の果から地上に出る。
大林ビルを横目に天満橋までまた歩く。

用を済ませてから、帰路は大川の遊歩道を歩く。
中之島バラ園を抜けて中之島公会堂まで来たら
天満警察から老松町へと向かってゆく。

老松通りの西、領事館近くの細い路地。
この路地奥にビブグルマンに載った店がある。
サラリーマン時代に何回か行った店だ。
寿司会席の店で二部入れ替え制だったが
とてもリーズナブルな料金だった。
その頃はまだビブグルマンに指定されて
なかったから超穴場的な店だったと思う。

さてその路地の入口にうさぎが鎮座していた笑
もうすぐ灯ともる頃。やがて看板が点く頃だ。
きっと常連さんを快く出迎えようとして
ここに座っているのだろうね。
今宵、この路地裏を行き交う酔漢たちは
いったい何人がこのうさぎに気づくだろうか?
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うまいもの選 えび豆とごり山椒

2022年03月22日 | slow gourmet

二月の雪降る中、湖北に鮒寿しを食べに行った折
自家用とお土産用に、同系の向かいの店で
店で味わったえび豆とごり山椒を買った。

勿論、鮒寿しもあったのだがこれにした。
鮒寿しは想像していたより上品な食味でしたが
こういう普段食べつけてないものは、やはり
その土地のその環境で食べるのが一番美味しい。
だから、とても美味しかったからといって
お土産に買って帰ってもどうしても落差がある。
やはり日常の食卓ではその時の食味を中々再現できない。
まあこれはある意味当たり前だ。それがその店の
存在価値なのであるから。これはいつも旅に行って
美味しいものを食べて、それをお土産に
買って帰った時にいつも経験的に感じることである。
それに鮒寿しという食材は、ちょっと気軽に
お土産ですと言って、人さまに差上げるのには
正直少し逡巡してしまう食材でもある。

で、普段の食卓でも食べつけている種類のものを
お土産として買って帰ることが多い。
このえび豆とごり山椒はそのようなもの。
やはり普段の食卓にでも合う食品だから
店で味わったものと落差なくいただける。
つまり琵琶湖を見渡す環境と店の素晴らしい
設えと料理の技を目の前で味わえなくても
家の粗末な食卓で食べても、十分落差なく
味わうことができるのである。

美味しい琵琶湖の食材をいっぱい堪能したけれど
私はこのえび豆が一番印象深かった。
「おいおい、鮒寿しじゃないのか!?」

まあ安もんの舌しか持ち合わせてないので仕方無い。
食というものは、いくら金持ちになって、世界の
超一流の料理を味わっても、このえび豆のように
やはり郷土の味、おふくろの味の記憶からは
人は所詮逃れられないのかもしれない。
かつて三國清三さんが語ったことが印象深い。
「食は記憶である。」

■鮒寿し 魚治
滋賀県高島市マキノ町海津
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