陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

大晦日のグラデーション

2006年12月31日 | slow life

今年も大晦日を迎えた。
この大晦日、子供の頃は
とても寒い日という印象が残っている。
年々、寒さも年末の切迫感も薄れていく。
温暖化のせいだろうか、それとも
歳を重ねたせいだろうか?

墓園に行く途中にある湊川の市場は
正月の買出しに来た人たちで溢れていた。
何とか日が沈まない内にと墓参に向かう。

「今年は上の子が無事就職できました。
下の子は来年受験です。
合格するように見守ってください。
この夏、母がそちらへ行きました。
久々に二人で正月を迎えてください。」

「来年はよい年になりますように。」

手を合せてからふと遠くを見やる。
鵯越の枯れ木の向こうの空には
深くて濃い群青と残光の橙の
グラデーションが広がっていた。
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宮津・地元御用達の魚料理屋

2006年12月30日 | slow gourmet

せっかく丹後宮津に来たのだから
安くて美味い魚を食べさせてくれる
地元の人が通う店はないか。まず
マリンピアリゾートのスタッフに尋ねる。
そして美味しい魚屋「やまいち」で
干物を買った時におばちゃんにも尋ねる。
奇しくも両人とも推薦してくれたのが
宮津駅前の「とんだ屋」さん。

確かに安くてうまいお店である。
焼き魚定食600円。その日の魚は
はたはたと鯵の干物であったが
これがなんとも美味い。ほとんど
骨まで残さず食べてしまった。
魚もいいものを使っているのだろうが
やはり干し方が違うのだろうか?
この地の干物は本当に絶品である。

あとは、寒ブリにさざえと烏賊
そしてまぐろに鯛の造り盛り合せ
烏賊の天ぷらに白子鍋を注文してみたが
どれも安くて鮮度もよくて、本当に
この値段で食べられるのって感じであった。
車ゆえお酒が飲めないのは何とも辛かったが。

宮津を訪ねた折は
ぜひ訪ねてみる価値のあるお店である。

 ■とんだ屋
  宮津市鶴賀2066-51
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雪がくれた命の洗濯

2006年12月29日 | slow life

今年もやっと終えようとしている。

恒例のスキー旅行に行く予定だったが
この暖冬で雪はやって来なかった。
急遽行き先を丹後・宮津へと変更した。
運良く予約が取れて、さあ出発。
今年はいろいろあったが、こういう年は
やはり最後も何かが起こるものである。
皮肉にも寒波が来襲。
丹波篠山あたりから高速道路が渋滞し始める。
あたりは雪・雪・また雪…。降り続ける雪で
とうとうチェーン規制となった。
雪を諦めたのに雪に祟られるなんて…。
これもマーフィーの法則?
慣れないチェーンをなんとか巻いて
宮津のリゾート地に着いたのは
なんと出発してから6時間後であった。
普通なら2時間少しの旅程である。

「これも想い出に残るなあ。」

渋滞とチェーン低速行と視界の悪さで
着くまでにかなり心身が疲れたけれど
宮津湾の潮騒を間近に聞きながら
赤茶けた露天の温泉につかると
何故かこの一年の疲れやしこりが
融けていくようにほぐれていった。
この温泉、鉄分とラドンを豊富に含むらしい。
かなり体があったまるのを感じた。
まさに命の洗濯となった。

ゆっくり温泉の後はレストランへ。
お客は私たち以外誰もいない。
ここはオーナーリゾートだから
ゆったりしているのだろう。
丹後名物松葉カニのフルコースを堪能する。
カニ刺のとろける上品な甘味が
口の中いっぱいに広がった。
正一合の熱燗が五臓六腑に染み渡る。
湯がきカニに、焼きガニ
そして絶品の天ぷら、カニ鍋と続いた。
仕上げの雑炊をたいらげ
シャーベットで熱い舌を冷やす。
ふと全面のガラス窓の隣を見やると
ライトアップされたガーデンプールが…。
その周りは一面雪景色。ちらちらと舞う雪。

こんな雰囲気の中でカニ料理を堪能すれば
もう二度と“○○分食べ放題”が売りの
カニツアーやカニパックなんて
絶対行けやしないだろうなあ…。

「五十過ぎたらこういう命の洗濯が大事だね。」
「来年、子供の受験が一段落したら
もう一度ゆっくりしに来たいね。」

今年は予想外の雪に翻弄された年末だったが
その雪がもたらした予期せぬ
プレゼントリゾートだったのかも知れない。
人間万事塞翁が馬…。

来年は穏やかなよい年でありますように…。
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仕事納めの連れ飯

2006年12月28日 | slow life

結構寒くなった日。
地下鉄の階段を上がったら
時雨になっていた。あわてて
上司の分までコンビニで傘を買う。
風もきりりと冷たい。
今日はいよいよ仕事納めの日。
年末のご挨拶に
西田辺の大手クライアントへ伺う。
役員以下でひと通り挨拶を終えた頃には
雨も上がって晴れ間が見えていた。

「やっとほっとしました。」
部下が何気なく言った。
「飯でも食いに行こうか。」
担当の二人を連れて
西田辺で有名な讃岐うどん屋へ。
ところがあいにく今日から休みであった。
残念。「来年にしよう。」

で、方向を北の昭和町へ換えて歩く。
この界隈で人気のとんかつ屋へ。
シャッターが半開きだったので
「すわ!ここも休みか?」と思ったが
ちょうど暖簾を上げるところだった。

熟年夫婦で切り盛りしている店のようだ。
住宅街にあるお店なので、私らのような
一見の見知らぬ客は少ないのだろうか。
ちょっと様子見の感じである。
しばしやや緊張の間合いのあと

「ランチはありますか?」
「いいえ、うちはありません。」

ということで単品の注文となった。
ヘレカツにポタージュスープにライス。

「今年一年お疲れさん。」
「今日は僕がおごるよ。」

やっと仕事が終わった2006年。
ローカルな下町の店で締める
今年最後の部下との連れメシ。

明日は寒波がやってくるらしい。
北の方は雪だとか。
「やれやれ。」
…とため息が出た。
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十二月の空 銭湯の想い出

2006年12月27日 | cocoro

十二月の寒空にそびえる
銭湯の煙突を見ると、何故か
無性にあったまりたくなる心…。

父は元旦に営業する
銭湯の朝風呂が好きだった。
いつも一緒に出かけた。
天井の窓から朝の陽が差し
湯船からあがる湯気に光が反射していた。
ときたまカ~ンと桶の音が澄んで響いた。
あの時は湯の温度が熱くて、いつも
水道の蛇口の近くでつかった記憶。
そしてお正月にはいつも
真新しい下着を着せてもらえた。

私の銭湯。
昭和40年前後のあの頃、あの街。
銭湯のある風景…。

大阪の下町で見つけた
懐かしい煙突のある風景にしばし
タイムスリップしてしまったわたしがいた。
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雪は何処に

2006年12月26日 | slow life

今年は雪がない。
困ったなあ。

年末恒例のスキーに行くつもりだったが
このままではいかんともしがたい。
座して待つよりも、ここは行動あるのみ。
というわけでごめんのキャンセルを入れて
急きょカニを求めて丹後へと振り替える。
幸いに会社が契約している
オーナーリゾートが予約できた。
温泉の露天風呂にクワハウス
マシンジム、テニスコートにパターゴルフ
釣りに天橋立と何でも楽しめるらしい。
美味しいものを食べて
命の洗濯に行ってこよう。

仕事納めまであと三日…。

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北海道を味わう 隠れ名店

2006年12月24日 | slow gourmet

頭を刈りに行こうと思ったが
客が二人待ちということで方向変換。
ということで、食好きの同僚を誘って
久しぶりにグルメ行脚に出かけた。

北海道から直接仕入れた旬鮮素材が
お手ごろ料金で食べられる店である。
満席を予想していたが、忘年会シーズンの
エアポケットに入っていたのか
我々が最初の夜の客だったようだ。
北海道出身の店長に
さっそくおまかせで刺身盛りを頼む。

出された本日の旬鮮の魚介

■はっかくの刺身
こちらでいうところのほうぼうに似た魚。
1匹を姿盛りで出してくれたが
ワニのような顔つき。後で調べたら
カサゴの仲間で、東北以北の
深い海の砂底に棲息するとある。
「トクビレ」という。高級魚らしい。
身は白身で脂がのって実に美味であった。

■馬糞うに
店長に殻を上手に上部だけ壊してもらうと
中には橙のきれいな身と黒緑のもやもやが。
このもやもやはうにが食べた昆布らしい。
なるほどこんな昆布を食べているなら
北海道のうには美味しいはずである。

■ツボダイの開き
この魚も深海性らしい。
ほっけの開きと似た感じだが
脂が上手にのってうまい。
側もぱりぱりと香ばしく
骨まで食べられるほどで
残すところがあまりない。
ここまで随まで食べたのは
新地の料亭で食べた喉黒以来である。

しかし我が同僚も至福の食材に感極まったか
「まいうっ!」と言った。その
やや陳腐な表現に少し苦笑したが
気持ちは同じであった。
しかし、これさえあれば
「酒がなんぼでも飲めるなあ。」と…。

北海道の地酒もいろいろ取り揃えてあって
この店、構えは名前通り丼屋なのだが
なかなかどうして、丼屋の衣をかぶった
北海道の食通がうなる隠れ名店である。

今度はジンギスカンを食べに行こう。

 ■本生御殿・丼ぶりや 東梅田店
  大阪市北区兎我野町3-19
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上質バースデイ・ケーキ

2006年12月23日 | slow gourmet

北浜のレトロなビルにあるGOKAN。
お気に入りの一店。
バースデイ・ケーキを買う。

クリスマスムード一色の飾り付けの中
美味しそうなケーキが並んでいる。
ここのケーキは家族のお気に入りなのだ。
生クリームもくどくなくスポンジも柔らかい。
のせてあるフルーツも
フレッシュで甘酸っぱさもよい頃合い。
とてもクリームとの相性がよい。
大人も子供も楽しめるケーキ。

店内もゆったりしていて
エレガントな雰囲気が漂う。
そして値段も良心的だ。
このクオリティとブランドなら
百貨店の有名店なら
倍くらいの値付けだろう。

「あのケーキは?」
「もうとっくにないわよ。」

いつもながら
私が食べたいなあと思ったときは
すでになくなっている。

バースデイケーキには
いつも花をプレゼントしてくれる。
今年は真っ赤なチューリップと
カスミソウが一輪添えられていた。
ケーキは食べられてなくなっても
我が家の一輪挿しには
そのチューリップがまだ咲いている。
なかなか心憎いお店である。

 ■GOKAN
 大阪市中央区今橋2-1-1 新井ビル
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百万本のバラ

2006年12月22日 | slow life

同僚のデスクに踊り子の絵。
“百万本のバラ”に歌われた画家が
描いた絵だとか。
眉の濃い踊り子の立ち姿。
美しいというよりきりりとした表情。
存在感を感じる踊り子だった。

“百万本のバラ”が好きな女性がいる。
コーラス部に所属していたその方は
特に松山善三の詞が大好きで
その歌詞でまた歌ってみたいと言う。

偶然僕の近くで重なった“百万本のバラ”
可愛がってくれた先輩が、生前
酔うと必ず唄ったのがこの歌。
数軒目のはしごの末の
はずれの新地のスナックだった。

だから…
この唄が好きな人を僕は好きである。

♪心のすれ違い 夢見た時は過ぎ
貴女はおどーりこ また次のまちへ
華やかな舞台は 貴女の生きがい
見えない愛の火を 知ることもないだろー

くるくるくるくるくるくる回る
真っ赤なサテンのトゥーシューズ
きらめくスポット大きな拍手
残った僕の心にしみる

バラをバラをバラをくださーい
街じゅうのバラをくださーい
貴女に贈ったバラの花は
僕の僕の心に残るよ♪
 
 ■百万本のバラ 作詞松山善三
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クリスマス小景Ⅲ ローズライトガーデン

2006年12月21日 | slow life

会社を出て天満に向かう途中
北浜のライオン橋こと難波橋を
渡っていたら、中之島バラ園が明るい。

OSAKA光のルネサンス2006のイベントで
“ローズライトガーデン”
なるものが出現していた。
まるでミニルミナリエのよう。
光のタワーやリース型アーチが
高層ビルを借景に美しく輝いていた。

このバラ園は結構好きな場所だ。
ホームレスさんやどら猫ギャングたちも
住んでいるけれど、薔薇を見ながら
思い思いに時を過ごせるなごみの場所だ。
ここはいろんな種類の薔薇を見ることができる。
時々このブログで登場する薔薇の写真は
たいがいここで撮ったものだ。

クリスマスローズが咲いていたかどうかは
よくわからなかったけれど
会社帰りの若きローズたちは
足と止めてしばし見入っていた。
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