ウォーキング中の公園。いつもの場所で
山茱萸(サンシュユ)が咲いていた。
ミモザといい、山茱萸といい、そして
菜の花といい、春の魁けには黄が似合う。
この花も日本人好みの花です。
山茱萸の黄はさきがけの彩なりし
会社の娘(こ)と元会社の娘が集う女子会に
おのこひとり参加させてもらう。
三人で数種類のワイン1時間飲み放題に挑戦。
テンプラニーニョやピノノワールなど
まあまあのワインが楽しめた。やはり
女子会ならではの最後のデザートがこれ。
楽しい女子会デビューとなりました。
ワイン酌む女子会という春の宵
いぬふぐりは小さい。
名前に似合わず小さい。
しかしその色は深い。
深い深い宙(そら)の色だ。
どうしてそんな色なのか?
この花を見ていると、ついつい
そう考えてしまう。
そして、はたと思いつく。
そうだ。いぬふぐりは宙に憧れている!
そうなのだ。だから
コバルトブルーのあんな色を灯して
大きな大きな宙になりたいと
大空を恋うているのだ。
その彩は宙を恋ふ色いぬふぐり
明石漁港の昼網の糶(せり)はいつ観ても面白い。
ここの糶の特徴は魚が生きたまま糶にかけられる
と言うことなのだそうだ。これは珍しいのだとか。
漁港と消費地が近いという特性が明石ならではなのだ。
全国でも進んでいる糶場なのだそうだ。
3月はやはり何といってもいかなごだ。
今頃はもうだいぶいかなごも大きくなっているだろう。
こうして朝獲れたいかなごがどんどん糶にかけられる。
魚の棚では多くの主婦たちがいかなごを買い求める。
それぞれ自家製の味付けでこの旬を楽しむのだ。
明石の春を告げる魚のひとつがいかなごである。
水掬ふごとくいかなご量らるる
神戸・六甲界隈のミモザがどんどん
枯れてなくなってしまい何となく寂しい。
今頃は風に揺れる黄色い房が春の訪れを
告げてくれていたのに。この界隈で
楽しみにしていたミモザが3本あった。
一つは民家の庭先に、そして後の2本は
マンションの植え込みに。とりわけ1本はその名も
「ミモザ六甲」というマンションのエントランスに
植えられていた。なかなか洒落たオーナーだなと思っていた。
ミモザの木は、育てるのはかなか難しい木みたいだ。
また新しいミモザをこの界隈で探してみよう。
花ミモザ風に囁き初めし揺れ
春の時雨は明るい。
この日は降りみ降らずみの雨。
京の時雨。ここはとある喫茶店。
ひとり静かに過ごす時間。
絵硝子が懐かしい。
大学近くのこの喫茶店は
私の70年代の青春の俤(おもかげ)を、
今も残してくれている。
絵硝子のマリアを濡らす春時雨