陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

悔しい思いのたけのこ

2005年09月29日 | slow life

中学校の秋季野球大会。
息子のチームは全国に名を馳せる
超進学校との対戦となった。
件の超進学校…。
まず応援に来る親たちの車が違った。
外車が多い。う~ん。
以前、かの赤門生の親の平均年収が
1千万を越えたと聞いていたが
教育は投資の昨今をことさら実感。
まずわがチームは親の年収でも完敗。

次に負けじと親の応援合戦。
エリート候補の親ゆえ、上品かと思いきや!
これも相手チームの親の迫力はすごかった。
応援ママは絶え間なく激を飛ばす。
隣のパパにがんがん疑問をぶつけてくる。
親子鷹で全国一の名門入学へ戦ってきた
お受験ママは強し。
目的達成への意識や情熱の一端を垣間見た感じ。
これも完膚なきまでに負け。

さて、肝心の子供の試合はというと、これも
さすが頭脳プレーが随所に見られた。
まずバントを多用してくる。
2死3塁でもバントだ。
その選手がヒットを打って出塁する確率より
バントで転がして内野がミスする確率を重視しているのだ。
う~ん、これも中学野球の得点統計から導いた
勝利のセオリーなのか?
この日はこちらも5死球と球筋が荒れた。
そこも見逃さず
内角ぎりぎりにバッターは立ってくる。
死球狙いである。恐るべし戦術!

で、肝心の試合結果はというと
これも負けたのである。
こういう相手には圧倒的なパワーと技術で
凌駕して欲しいという凡庸な親の願いもむなしく。
しかしこれは惜敗であった。
雪辱を期したい。


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九月の空 灯燈し頃

2005年09月28日 | slow life

朝夕がひんやりしてきた頃。
日が暮れるのも早い。
HAT神戸の海岸沿いで連凧を揚げている人がいた。
初老のその人は凧糸をしっかり結わえ付けて
ひとり気持ちよさそうに煙草をふかしていた。
自転車から降りて見上げるおじさん。
散歩しながら繋いだ手をしっかり離さずに
見上げている若い恋人連れ。
散歩のワンちゃんは下ばかり嗅いで見上げる素振りはなし。

街頭の明かりがどことなく哀愁を帯びてきた九月の空。
この海辺の風景…何故か映画「日の名残り」で
アンソニーホプキンスが灯燈し頃に桟橋のベンチで
彼女と邂逅するシーンの風景に重なった。

ペーソスに溢れた美しい海と夕暮れ。
秋は黄昏である。
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秋風一番が吹く

2005年09月17日 | slow life

9月になっても残暑厳しい日が続いていた。
お月見も近いのに一体どうしたのだろうと思っていたら
9月14日夕刻。
空は一点にわかに掻き曇り
ざっと驟雨が駆け抜けた。
すべてを洗い流したのか
まとわりついていた暑い空気が消えて
気温ががくんと下がった。

シャイな秋がやっと姿を現した瞬間を
私はあの日確かに感じることができた。

   “逝いた私の時たちが
    私の心を金にした
    傷つかぬやう 傷は早く復るやうにと
    昨日と明日の間には
    ふかい紺青の溝が ひかれて過ぎてゐる”
             夏の弔ひ 立原道造

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切手の想いで

2005年09月10日 | slow life

この夏、小林古径展を観に京都へ行った。
久しぶりの京都である。
まとわりつくような暑さに懐かしさを覚える。

小林古径の日本画は美しい。
確かに精緻で静謐で気品の高さを素人でも感じる。

しかしなにより親近感を感じるのは、
この「髪」という作品のせいなのだ。

切手である。

小学生から中学生にかけて
切手をせっせと蒐集していた。
1969年に発行されたこの絵が載った15円切手。
いまでも小生のストックブックに挟んである。
子供心にこの切手の印象は強烈であった。
この切手は集めてはいけないものではとさえ
と思ったものである。

今なら笑い話。
乳房を露にしながら、そういう邪念を抱かせない
ところが、古径の作品の崇高さである…
というような解説に今ならうなずけるが、当時は
とにかくどぎまぎさせられた切手だったのだ。

古径の作品を堪能できる今でも、やっぱり
ちょっと気恥ずかしいようなこの作品。
小林古径の「髪」は
私のセンチメンタル・バリューである。
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案山子と対話。

2005年09月09日 | cocoro

おい、君は木彫りの案山子かい
脳みそはあるかい
なにもせずただここにずっと立っているのかい

しかし今日も暑いねぇ
こんなに暑いのに
そうやっていつも微笑んでいるのかい
ねぇ、君?


 “与えることは最高の喜びなのだ。
  他人に喜びを運ぶ人は
  それによって自分自身の喜びと満足を得る。”
           ウォルト・ディズニー

う~ん、僕は案山子になれるだろうか…。
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デバイスと下町

2005年09月07日 | slow culture

今をときめく会社を訪ねる時に通う小路。
最先端の技術の粋を集めて生産するそのテレビは
世界に誇るオンリーワンの高付加価値商品。
大画面のそのTV。いつか買ってみたいと思っている。

さて、その勝ち組の会社に日参する人たち。
おおかたは表通りを堂々と歩いていく。しかし私は
一本裏のこの雑然とした小路が何故か好きである。
「近鉄が優勝した日はビール半額」と、ある店では
去年まで看板に掲げてあった。
「百年カレー」なんて???のお店。パチンコ屋もある。
ここは昔ながらに変わらない下町裏通り。
最先端の優良企業と下町が混在しているのが面白い。

携帯電話、液晶テレビのキーデバイスで
勝負する技術者たちも
仕事が終わればこの界隈でリフレッシュするのだろう。
成果主義と人情主義が混在しているこの界隈…
これこそが案外この企業の強さの源泉なのかも。

不易流行…。「人間らしく生きたいな。」
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