陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

はじめての句会 秋晴・紅葉

2010年10月31日 | slow culture

俳句教室も秋季講座に入る。
今季のテーマは「写生」

先生によると、写生とはあるがままを
単に写し取るだけではなく、そこに
作者の感動という視線があると言います。

また、先生のバイブル「虚子俳話」の中には
虚子が写生についてこう語っています。

“『写生とは発見、描写』
 俳句の写生といふ事は四季の万物の相を見て
その中からある映像を取り出して来る事をいふにである。
万物の相といふと、万物そのものが生存してをる姿である。
作者の心の働く前の姿である。写生とは
そこに作者の心が働いて、その万物の中から
或る一つの姿をとらへて来る事を言うのである。

(それを作者の小さい天地とでも言はうか。
即ち作者が小さい造化となって
小さい天地を創造するのである。
 <中略>
例へば庭は雑木雑草類が混雑して茂り合つてをる。
これは庭の相そのものである。
それ等の中から或る朝顔をとらえへて来て
(作者の心が朝顔に感動して)
そこに一つの映像が生まれる。
これが写生である。」
  
写生とは、単に姿を写せばよいというものではない
と云うことがお分かりになったと思います。
写生とは発見・感動を見つけ出す作業なのです。
心を常に澄ましていなければ、感動や発見は見つかりません。
心を落ち着かせ、心のアンテナの感度を上げて
静に観察することが大切。”
      ※“”部分引用は小杉伸一路先生のブログより

ちょっと長い引用になってしまったが
写生というのは案外難しいのである。
忍耐がいるのだ。ついつい主観叙情で俳句を
創りたくなってしまうのだ。
写生の句でも、そこに共感があり
そして読み手の想像を膨らませる句。
饒舌にならずしかもふくよかな句。
難しいのである。しかしそれが
俳句が年配の方に好まれている所以なのだろう。

・それだけで幸せと言ふ秋日和(特選、互選)
・深呼吸して日のふ秋の晴(入選、互選)
・紅葉して冷え始めたる里の山(互選)
・木蝋の火よりも濃ひし櫨紅葉(互選)
・連綿と車窓に続く秋日和(互選)
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浅草からスカイツリー

2010年10月29日 | slow life

久々の東京出張。
イベントで朝が早いため
前泊の出張となった。最近は東京では
浅草が気に入り常宿にしている。
気に入った居酒屋もあるし…。

翌朝、地下鉄の駅に向かう道すがら
浅草寺の向かい辺りから見晴るかすと
あのスカイツリーが…。
初めて観たスカイツリーの容姿。
真っ青な秋日和の中、ビル群に混じって
仲良くしてねと言うように聳えていた。

今、東京で明るい話題と言えば
このスカイツリーだろうね。

スカイツリー ビル従えて 秋の晴 
              拙私有
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行列のさぬきうどん

2010年10月28日 | slow gourmet

車で高松へドライブ。
その日は雨が激しく降っていた。
明石海峡大橋も鳴門海峡大橋も
雨にけぶり一面灰色の世界。

今回のドライブ目的は
友人の歯医者へ行くためである。
神戸から高松まで歯医者に行くなんて
贅沢のような感じだが、これは
セカンドオピニオンを求めてのこと。

じっくり親切に診てもらって、帰りに
いつも買う製麺屋でうどんを買って帰る
と言うと、最近気に入っているという
讃岐うどん屋さんを紹介してくれた。

「なら行ってみようか。」

という訳でそちらに向かう。
栗林公園の向かい辺りで便利な処
それに駐車場も広かった。
1台空きがあり車を止めて店内に入ったら
なんと長蛇の列だ。いやはや
週末とはいえこの雨模様の中だ。
高松中心部という場所柄だろうか。
そんなに並んでいるのなら、ただ
買って帰るだけでなく食べて行こうと。
しばし並ぶ。することもないので
つらつら厨房を眺めていると
次々に茹で上がってくる沢山の麺を
女の人がざぶざぶと水で洗っている。

「手が荒れるやろうなあ。」

連れ合いがぽつり。
大変そうだなあと思う。
余計なお世話だろうが。案外
うどん屋さんも家内工業的重労働。

旅行客が多いように感じた。
列は長いのに、座席は空席ばかり。
食べるより並ぶ時間の方が長いからだ。

「不思議な光景や。」

やっと順番が回ってきた。
私はひやかけうどんを
お連れは釜あげうどんを。
それにてんぷらとおでんを少々。
塩分が強いのはあまりだったので
ここの塩加減はちょうどいい感じ。
高松で讃岐うどんを食べた後は
大概、喉が渇くのが難点である。

たかがうどん、されどうどん。
しかしうどんを並んでまでして
食べるという行為は正直???。
古い奴だとお思いでござんしょうが
うどんはふらっと気軽に立ち寄って
小腹に収めるものという観念から
小生未だ抜け出せておらぬのだ。

■上原屋本店
 香川県高松市栗林町1-18-8
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越前加賀のひとり呑み

2010年10月26日 | slow gourmet

金沢の夜である。そろそろ
凩一号も吹こうかという季節。

こんな日は加賀の女(ひと)…
着物姿のうなじの白し。そっと
隣に寄り添って白魚のような指で
流し目なんかで酌をしてくれまいか?
そんな加賀の夜ならば
たとえ性悪女でも一夜騙されてもいい。
な~んてのは男が勝手に思い込む
世界なのだそうだ。そう言えば
昨今居酒屋なんぞに跋扈しているのは
煙草片手に生ビールをぐいぐい。
そんな逞しい女性ばかりだなあと思う。
まあ男が憧れる酒場の似合う女性は
酒屋が流すテレビCMやドラマの中だけだ。
しょぼん。(あほらし…と妻のたまふ。)

なら、しょうがまいとて
出張ついでの越前加賀は金沢ひとり呑み。
当地の金沢支店長から聞いた店へ。
金沢駅前のビルにある。
加賀の酒、菊姫が充実していると言ふ。
菊姫の人が、お客さんを連れて行く。
それならいい店に決まってる。
駅前ならサンダーバードに乗る時間を
気にせずにぎりぎりまで呑めるし。

駅前までバスで戻り件の店へ。
都ホテル地下街にある居酒屋。
ぱっと入ってひと目でわかる。
昔懐かしい昭和の酒場の風情。
長いカウンター。その後ろは
テーブル席、そして奥は座敷席。
営業は午後四時から。これがいい。
黄昏前から呑める店は
もうそれだけでいい店なのだ。

カウンターへ陣取る。
目の前には陳列ケース。上部には
液晶で名高いS社製のブラウン管テレビ。
こんな店に大型の液晶は似合わないよな。
で、またブラウン管TVがS社というのが
またわたくし如きのひねくれには
趣があって尚よろし。日本から
ブラウン管をなくすと時の人は言った。
(文章のテイスト上、これはやや
デフォルメした表現にアレンジしてます。
筆者注。)
どっこい、ブラウン管は地方でひっそり
生きているのだ。何より何よ~り
このレトロ感が酒情?をそそるのである。

本日の品書きをつらつら眺め
・がんどの刺身  430円
・きんじ草酢の物 330円
・名物白山鍋   500円
酒はもちろん、菊姫の本醸造の燗!

まず菊姫の本醸造。この店では
単に酒と言えばこれを供すのだとか。
黄金色の酒だ。芳醇で甘旨みの酒。
一口、うまいっ!元来
こういう酒が日本酒というのだ。
そう思わせる酒だ。何より
人に優しい口当たりなのだ。
それに、これがなんとちろりの燗だ。
それを我がコップに給仕の姐さんが注ぐ。
こういう風情も味のうち。たまらんぜよ。

肴のきんじ草はこの地ならではのもの。
初めて食す。たこ酢である。
これがまた上等のわかめのような食感。
しょうがで食べる。ヘルシーで旨い。
がんどの刺身。がんどって何?と尋ねる。
ブリだ。ブリの小さいのだそうだ。
よこわみたいなものだろうか?
白山鍋はひとり鍋仕様。名物の
白山なめこにエビ天、ごぼう天に豆腐。
酒がすすんでしまった。

「田舎の味たべてみほっしい。」
とフレーズが貼ってあった。
越前加賀の食べ物も最高だったが
この菊姫の本醸造の燗は忘れられん。
決して高い酒ではないのに
なんでこんなに印象に残るのだろう。
金沢だからだろうか?
こんな旨い酒に肴があって、これで
冒頭に書いたような加賀の女(ひと)
が居たならば、ますますやばいと思う。
どこまでも堕ちていきそうな加賀の夜だ。

何とかサンダーバードには乗りました。
久々に饒舌なブログになってしまった(~_~;)

■白山茶屋 都ホテル地下街店
 石川県金沢市此花町6-10


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時代祭り行列を楽しむ

2010年10月22日 | slow life

京都に赴任してからというもの
なんやかんやでゆっくり京を楽しむ
ということがなく日が過ぎる。
先斗町や祇園でほっこりというのも
まだまだご無沙汰状態。
そんな中、10月22日は時代祭りだった。
これなら会社の窓から高見の見物が。

時代祭り…平安時代から明治時代の
装束を纏った現代人が練り歩く。
過去何回も観ているので、そう
新鮮なものではないけれど
日本の歴史を時代考証的に振り返るには
いい機会である。
外人さんなら余計そうかも。

やはりこれは京都ならではのお祭りだ。
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しあわせ昼ごはん 金沢の海鮮丼

2010年10月09日 | slow gourmet

金沢へ行く。
大阪駅からサンダーバードに乗って。

金沢駅からバスに乗って金沢支店へ。
うちの金沢支店はえらい目抜き通りにある。
昼過ぎに着いたので
挨拶もそこそこにまずは昼ごはん。
歩いて近くの近江町市場へ。
この市場は金沢の台所のような市場。
海老やかに等の海産物が山盛りだ。
その市場にある井の弥という店へ。
ここ、金沢では有名な店でいつも行列とか。
幸いこの日は並ばずに入ることができた。
支店の連中も普段はこんな店では食べん。
今日は京都から私が来るというので
ちょっとはいい店でと思ったのだろう。
気を遣わせてしまったようだ。

海鮮丼はちらしと呼んでいるらしい。
手頃な値段の“ちらし近江町”を注文。
それでも1200円はした。
サラリーマンの昼飯としては贅沢だ。
海鮮丼は地方地方で特徴がある。
広島時代は境港の海鮮丼が印象的だったが
ここ北陸は金沢の海鮮丼も鮮やかだ。
甘エビが何といっても北陸らしい。
なかなかおっとりした店だったが
嗚呼!金沢に来たんだなあと思わせる
そんな幸せ昼ごはんでした。

■井の弥
 石川県金沢市上近江町33-1
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駅の風景 出雲坂根駅

2010年10月08日 | slow culture

JR木次線になる出雲坂根駅は
島根県仁多郡奥出雲町八川にある。
木次線の駅舎には、出雲神話にちなんだ
別名が付与されている。この駅の別名は
「天真名井」(あめのまない)。
いわばご神水ということかな。

この駅の辺りのあちこちから、
中国山地の豊潤な水がこんこんと湧き出し
飲めば身体に効験のある延命水として
親しまれている。
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