陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

梅は岡本、梅林公園の梅

2022年02月28日 | nonoka

今年は総じて梅の開花が遅いらしい。
大阪城公園の梅林も開花が遅れていると言う。

そんな中、神戸は岡本の梅林公園へ。
阪急岡本駅から歩いて10分ほどの距離。
猪除けの鉄の門扉を開けて公園内に入る。
昔は“梅は岡本、桜は吉野、みかん紀ノ国
栗丹波”と言われたほどここは梅の名所だった。
へえ~!あの吉野の桜と比肩されるほどなのか?
みんな一様にちょっとした驚きの表情をみせる。

全体的にはまだ七分から八分咲きといった
感じだろうか?整備された公園内の九十九折を
登りながら、色んな種類の梅を思い思いに楽しむ。
とは言ってもみんな俳句を創らないといけないから
結構真剣なまなざしの思案顔である。
公園内には四阿(あずまや)もありベンチもある。
ところがこれが残念なことにトイレはない。
寒い中トイレが近い身にはちょっと辛いが…。
登ったところにある展望コーナーからは眼下に
町並みと武庫の海が見える。陽光が海に反射して
もうひかりは春の装いである。岡本にはもう一つ
保久良神社へ通じる山麓に梅林があるが
そちらはちょっと登らないといけないので
今回はこちらの梅林公園にしたのだが、それでも
十分かつての名所の雰囲気を楽しめました。
良い梅日和となりました。

海光の綺羅を返して梅ふふむ

  
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琵琶湖を食す 海老のかき揚げ

2022年02月27日 | slow gourmet

琵琶湖の海老のかき揚げと蕗の薹。

琵琶湖の海老といえばスジエビ。
えび豆に入っている海老である。
漁獲期の最盛期は1~2月でちょうど今頃。
体長3~5㎝ほどの小ささで
胸にスジが見えるのでこの名がついたとか。

さてお料理、蕗の薹のほろ苦さと海老の旨さが
ほどよく舌を撫でておりました。
ちょっと詩的な表現をしてしまいましたが
単に旨いばかりでは脳がないし、かといって
そんな洒落た表現もできないのが辛い。
これでご勘弁を。
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琵琶湖を食す 鮒の子つき

2022年02月26日 | slow gourmet

これは初めて食すお造りであった。
刺身というよりどちらかと言えば“あらい“か。
鮒(フナ)のお造りに鮒の卵がまぶしてあるのである。
これが何とも美味。鮒の刺身がこんなに旨いとは!
鮒なんて食べられるのかなというのが、今までの
私の固定観念であったが、これが見事にいい方へ
裏切られた感じ。私の今までの鮒のイメージを
変えてしまった印象に残る一品であった。

後で調べると“鮒の子まぶし”と紹介されたいた。
鮒の刺身の表面に塩水で茹でた鮒の卵を
まぶしたもので、滋賀の郷土料理らしい。
主に琵琶湖や余呉湖産の鮒が使われるのだと言う。

そうと来りゃあ、ここは日本酒だ。それも燗酒。
ということで地元近江は木之本の地酒を頂くことに。
七本槍の純米酒を燗につけてもらう。
おちょこは好きなものを選べるらしい。
私はぐい呑みはあまり好まなない。
唇が切れるような薄い飲み口のおちょこが好み。
それに近いタイプを選んでいただく。

春雪の淡海一景を眺めながらの雪見酒。
そして鮒の子付。至福の舌心地である。

  
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琵琶湖を食す その弐 岩床なまず

2022年02月25日 | slow gourmet

八寸の次に供されたのは汁もの。
大将曰くいわとこなまずのかぶら蒸しという。
うん?“いわとこなまず”とは初めて聞く名。
どうやら“岩床鯰”と書くようだ。

wikipediaで調べてみると“イワトコナマズ”とは
日本の固有種で、琵琶湖と瀬田川の一部及び
余呉湖のみに分布するとあった。
この種は岩礁地帯に生息するという。
ここマキノは北欧のフィヨルド地形のように
岩礁地帯らしいので生息しているのだ。
泥臭さがなくてなまずの中でも最も美味とか。
ほとんどが周辺で消費されるので、正に
本家?地産地消の代表的な食材である。

かぶら蒸しは私の好物である。
京都勤務時代、接待で訪れた祇園の料理屋で
よく食したものだ。所謂、饅頭ものである。
このいわとこなまずのかぶら蒸し…
ほんに上品なお味であったこと。でも
この岩床鯰がどんな味だったか?あまり
上品過ぎて正直よう解らんかった。
それでも美味しかったことは間違いない。
鯰のイメージとは全然違うものでござんす。

老齢になって初めて食す“いわとこなまず”
との貴重な邂逅であった。
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琵琶湖を食す その壱

2022年02月24日 | slow gourmet

雪の湖北、大琵琶の景を眼前に見ながらの食事。
いよいよ琵琶湖の美味を食す時が来た。
この日の客は3組6人。とても閑かな時間だ。
歳を重ねてより、喧噪の中で食事をすることが
苦手になった者にとっては、ここはとても素敵な
シチュエーションだ。店主が客の進み具合を
見乍ら供してくれる琵琶湖の食材の数々。
丁寧に説明をしてくれるのもありがたい。

では順番に記録も含めて紹介しよう。
それでは「鮒寿し懐石」の始まりはじまり。

まずは八寸。
・氷魚(ひうを。琵琶湖の鮎の幼魚)
・えびまめ(これは後で向かいの店で買う。)
・ともあえ
・鴨ロース
・手長海老(これは美味)
・鮒寿しの甘露漬(初めての味)
・一寸豆、銀杏
・鰻の巻もの
・蕪寿し

お昼の懐石なのでお酒は控えめにと思ったが
おっと、ハートランドビールがあるではないか。
これは中々、グッドセンス!思わず頼む。

やっと鮒寿しを味わうことができた。
乳酸菌の発酵がなんとも爽やかである。
以前から巷で聞いていた鮒寿しのイメージとは
全然違う。やはり琵琶湖の伝統料理だ。
代々受け継がれてきたものは美味でない訳がない。
正統な鮒寿しを知っただけでも価値。

琵琶湖の鮎はここで完結するのだと云う。
成魚はあまり多きくないとか。これもグッド。
私は大きな鮎はどうも好きではない。
スーパーで売られている養殖の大きな鮎はNG。
小振りな鮎に蓼酢をつけて、ばくっと
頭から豪快にかぶって食すのが好きなのだ。
今回は氷魚(ひうを)という幼魚を初めて食す。
氷魚と言い、手長海老と言い、えび豆と言い
やはり地産地消の食材は素晴らしい。

これはますます楽しみ。つづく

■鮒寿し懐石 湖里庵
滋賀県高島市マキノ町海津2307番地

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浅春の琵琶湖を望む

2022年02月23日 | slow journey

湖北マキノはかつては海津であった。
西近江路と湖上交通の要衝として栄えた
宿場町であり港町で、日本海から届く物資を
ここから積み出して京の都等に運んだという。

湖岸には風や波から家を守るために延々と続く
石積みが残されている。この日訪れた湖里庵も
その石積みの上に再築されている。
ちなみに自治体の名に片仮名を用いるのは
このマキノ町が全国で初めてらしい。

湖里庵の大玻璃からはすぐ目の前に琵琶湖が
一望できる。晴れた日には対岸の山々や
彦根などが見えるという。遠藤周作先生は
北欧のフィヨルドの景が好きで、ここマキノが
その景に似ているので、お気に入りだったと
庵の主人が語ってくれた。

琵琶湖は別名、鳰(にお)の海という。
鳰とはかいつぶりのことである。
雪の降る湖(うみ)に、かいつぶりや
ゆりかもめそして川鵜たちが、ゆらゆらと
湖面を漂っていた。寒くないのだろうかね。
かいつぶりは時々潜るので見ていて面白い。
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春雪の湖北へ

2022年02月22日 | slow journey

JR芦屋で敦賀行の新快速に乗り換え
一路湖北を目指す。目指すはマキノ駅。
神戸は申し分のない快晴。これはこれは
アニバーサリーにふさわしい好日である。

ところが大津京までは晴れであったが
堅田あたりに来ると曇り空となった。
どちらかというと雪空だ。いやあ、やはり
湖西だなとその時は軽く思っていたのであるが
これが更に北へ進み近江今津辺りに入ると
なんと雪が降り止まない景となった。
パラパラの雪ではなくてやや湿っぽい雪だから
やはり春の雪なのであるが、まだまだ積ってくる。

12両編成の敦賀行の新快速は、どういう訳か
近江今津駅止まりとなった。そこから別の番線から
同時刻発の4両編成の新快速となった。色々この雪で
運行の編成上の事情がきっとあるのだろう。
その4両の新快速に乗り換えて定刻にマキノ駅に着く。
乗降者が少ないのだろう。まだ誰にも踏まれていない
積雪がホームを覆っていた。

快晴の神戸から雪の湖北へ。天候は思わぬ展開となったが
それだけ印象深いアニバーサリーになりそうな予感。

マキノ駅では予約しておいた店の車が待ってくれていた。
マキノ駅を降りたのは私たちと、杖を就いた老夫婦に
熟年の女性二人連れ(後で姉妹と判明)。
どうやら今日のランチの客のようであった。
さて、雪の湖北で味わう淡海の食材の数々…。
後で店の主人が語るには、あの遠藤周作さんも
特に雪の景が大好きだったという。いやはや
これは運がいいかもしれない。
とても楽しみな食事になりそうである。つづく。
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椿咲く頃に思ったこと

2022年02月19日 | tete a tete

芦屋市平田町の虚子記念文学館エントランスの
植込みにある椿が花をつけていた。
午後から降り出した少し冷たい春の雨に
心なしか少し震えているようであった。

この日は館で国際俳句シンポジウムが開催された。
オーディエンスが集ふ会場とシンポのパネラーを繋ぐ
zoomによる初のリモート開催であった。
パネラーの先生たちは芦屋、東京、神奈川、熊本、
そして韓国からの参加である。

とある先生がzoom会議に慣れていないこともあり
立ち上がりに少し時間がかかってしまったが
繋がってからは、「俳句の多様性」についての
ディスカッションが興味深く行われたのである。
伝統俳句協会が多様性というこのようなテーマを
ディスカッションに設定したことに驚きの声もあった。
そういう意味ではブレークスルー的なシンポであった
とも言えなくはない。

しかしテーマは「俳句の多様性」を論ずるのではなく
「俳句の可能性」ではないのか?という問いに
思わずはっと気づかされるものがあった。
実作者の視点でみれば「多様性」という傍観者の視点
ではなく、「可能性」を探る作る側の視点でこそ
俳句というものを論ずるべきではないか?
目からうろこである。そしてこのテーマを
伝統俳句協会が設定したことに、私は深く敬意を
表したいと思ったのである。ともすれば
伝統俳句界は議論せずの保守一辺倒と思われている。
だからこういうディスカッションをすることは
伝統俳句界は未来を議論をすることのできる団体だ
と言うことを、俳句界に示すよい機会なのである。

もっとも虚子は花鳥諷詠、客観写生を声高に唱えているが
虚子は決してそんな原理主義一辺倒ではなかった
という評価を複数のパネラーが述べていた。
ここが可能性という虚子のふところの深さなのか。
色んな気づきがあった。ともすれば近視眼的に
なりやすい、そんなわが身にとっては改めて
気づきの多かった国際シンポジウムであった。
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大阪キタの一景 道しるべ

2022年02月18日 | slow culture

→印が三次元で交差する道しるべに
昔から何故か惹かれるのである。
いつもしばしじっと見入ってしまう。
なんか往来の歴史が見えるような気が
するからだろうか?

北浜ライオン橋(難波橋)のたもと。
東は天神橋へ。西は市役所。そして
手前は北浜駅。しばしこのしるべを
眺めてから、バラ園からバラの小径を経て
大阪地方裁判所より老松町へと、私は
歩を進めていったのでした。
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或る俳人の訃報

2022年02月17日 | cocoro

先日の訃報に目が止まった。
2月13日棚山波朗先生、老衰のため死去。
82歳と新聞の三面記事にあった。

棚山波朗先生とは面識はないけれど
印象に残っている先生なのである。
それというのも、私が俳句を始めて二年目に
とある全国レベルの俳句大会で、初めて入選し
表彰状を貰ったのが波朗先生の選だったのである。
それ以降、波朗先生とは何故か相性が良くて
伝統俳句系の選者先生以外で、何回か一番よく
採ってもらったのが波朗先生なのであった。

いつかどこかの大会でお目にかかったら
お礼のひと言でもと思っていたのだが
残念ながらその機会もなく他界されてしまった。

先生のご冥福を心からお祈り申し上げます。
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