7月27日(土)台風6号が東海地方を通過。
岐阜県付近で温帯低気圧となった。
岐阜県と云えば後輩がその辺りで、今
夏行を行っているはず。
吟行は予定通りできているのだろうか?
俳人にとっては、あいにくの天気という
言葉はない。雨も台風もまた花鳥諷詠だ。
とは言えど、旅行でもあるのだから・・・
というのも本音。健闘を祈る。
七月の季題、虹。
虹が立つとみんな足を止めて見上げる。
老若男女すべての人がそう。
たまゆらの空のファンタジー、それが虹。
虹といえば、俳人の世界では森田愛子。
夭折の俳人だ。福井県三国の人。
虚子がこよなく目をかけた女流俳人である。
実は森田愛子は私の憧憬の俳人である。
私の句会で同じ名の俳人がいて、初めて
その娘の名を見たとき、「おおっ!
何という奇遇!」と思ってしまったほど。
年も同じ二十代後半であったから、余計に
面影を重ねてしまった。勿論その彼女は
期待の俳人であるが薄幸ではない。
豪商と芸妓の間に生まれた生い立ち。
美人聡明で名前の通りの愛らしさ。
そして肺を病み、二十九歳の短い生涯。
すべてがドラマチック。そしてペシミスティック。
不謹慎だが、私の理想の作家像なのである。
だから永遠にあこがれの存在なのだ。
虹消えてすでに無けれどある如く 愛子
美しき布団に病みて死ぬ気なく 愛子
虹消えて忽ち君の無き如し 虚子
逢ひにゆきたし九頭竜の虹の下