陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

わたしの酒呑録 FIFA 雨後の月

2009年10月31日 | eau de vie

いつものように週末。
福屋駅前のデパ地下。
酒売り場にて。

珍しいパッケージの雨後の月があった。
2010 FIFA WORLD CUP SOUTH AFRICA TM
というクレジットにゴリラが
サッカーボールを弄んでいる絵。
これは、10/16に世界で同時発売された
2010FIFAワールドカップ
南アフリカ大会公認の日本の酒シリーズ
として発売された純米雨後の月である。
日本酒は全部で13銘柄発売されたとか。
後、焼酎が2銘柄にリキュールが2銘柄で
日本では全部で計17銘柄が発売とある。

雨後の月は、広島は仁方の酒である。
ちなみに命名の雨後の月とは、けだし
雨の後の澄み切った空気の中で見える月
ということから、その清冽な意味合いを
酒造りのコンセプトに込めたものだ
と思っていたが
いろいろネットで調べてみると。
徳富蘆花の「自然と人生」(岩波文庫)に
収められている短編のひとつが
“雨後の月”という小品であるらしい。
その意味はどうやら
作品の主人公の人生にちなんで
人生は雨ばかりではないという
教訓を込めた言葉として使われているらしい。
一度この作品を秋の夜長に読んでおこう。

さて、この“雨後の月”…。私は
広島の酒の中でも、もっとも都会的で
洗練されたテイストの銘柄だと思う。
蔵元が言うように、ほんに
上品で清らかな味わいである。
エレガントといった言葉も似合う。
きっと、世の女性なら
誰しもお気に召す銘柄だろうと感ずる。
連れ合いも、それは、それは
大そうなお気に入りようでございました。

このお酒。さすがグローバル仕立て。
まるでスクリュー栓のワインを開けるよう。
日本酒は世界に通じる酒だ。
japanブランド応援の意味も込めて
これは推奨。星よっつ…。

■FIFA公認 純米 雨後の月
 750ml 1500円
 相原酒造 広島県呉市仁方本町

※大吟醸と同様に手造りに徹して醸される
「雨後の月」は、上槽後すぐに冷蔵貯蔵し
ゆっくりと熟成させることで生まれる
上品で清らかな味わいが特徴です。
透明感のあるすっきりとしたのみ口と香り…
(ラベルより)
コメント

高級食材の落陽

2009年10月29日 | tete a tete

松坂牛   8.5% 
黒豚    20%
マンゴー  29.7%
イクラ   15.6%
クロマグロ 30.8%
ズワイガニ 25.9%
魚沼産コシヒカリ 8.2%

(いずれも前年比下落率、日経新聞より)

高級食材の価格下落が止まらないらしい。
うなぎも中国産が盛り返し
国産うなぎの値下げ要因になっているとか。

スーパーもメーカーも値下げ攻勢。

う~ん。はたして
これがいいことなのだろうか?

デフレスパイラル…。

給料は下がり、そして
物価も下がり続ける。
株価も今日また一万円を切る。
ついでに
日航機は離陸できるのだろうか?
ついでのついでだが、私の会社も
この底なし沼から脱出できるだろうか。
それも無傷で…。

高級食材は食べなくても
生きていくのに差し支えないが。
でも、一度覚えた味は、そうそう
忘れられるものではないのも事実。
コメント

幸せ昼ごはん 岡山デミかつ丼とラーメン

2009年10月27日 | slow gourmet

岡山出張。
レンタカーで市内を回る。
新規開拓。所謂、飛び込み営業だ。
既存の得意先だけでは
売り上げが成り立たない時代。
机に座ってては稼げない。
今こそ脚で稼ぐしかないのだ。
嗅覚鋭い猫のように…。

昼どきになった。
腹が減っては戦が出来ぬ!
いざ昼ごはんというわけで
通りすがりの中華そば屋へ入る。

店内の壁に大きく、中華そばと
カツ丼のセット980円とあった。
ちょっと?いやかなりヘビーだが頼む。
岡山のカツ丼はデミカツ丼と言う。
デミグラスソースがかかったカツ丼。
岡山のラーメン屋さんでは
このデミカツ丼とラーメンのセットが
定番なのだ。岡山名物なのである。

日本蕎麦屋にカツ丼はあれど
ラーメン屋でカツ丼は岡山ならでは。
関西ではまず見かけないよなあ。

しかしこのデミカツ丼…
これがなかなか!いけてます。
カロリーたっぷりで
ガテン系御用達のような昼ごはん。
“郷に入れば郷に従え”
美味しくて完食いたしました。
中華そばもコクのある出汁。
それにデミカツ丼もやはりコクあり。

「いやあ、濃い~なあ。」

お腹いっぱいの幸せ昼ごはん。
体重が少し心配だが、B級グルメ
岡山篇もなかなか濃いかった(~_~;)
侮れんです。

■中華そば専門店 広松
 岡山市北区東古松3-357-2
コメント

マネキンの嘆き

2009年10月20日 | slow life

御影のスーパーへ行く。
このスーパー最近チェンジした。
以前のスーパーは空いていたので
ゆっくり買い物出来たのだが
新しいスーパーになってから
客足が激増。俄然混み出した。
経営母体が代わるとこうも違うものか。
興味深い現象である。この不況下でも
食べ物は必要だから売れるのだ。
かみさんに言わすと
新しい店の方が品数も多いし
やはり安いのだとか。
前はややクオリティ路線だった。

その混んでる通路をうんざりしながら
ショッピングカートを押していると

「兄ちゃん、どうぞ。」

マネキンのおばちゃんに呼び止められる。
あれよという間に
試食用のカレーうどんを渡された。
アルミのトレーに沢山に盛り付け。

「えらいようけ入っとるなあ。」

と、おばちゃんにゆったら

「もう終わりやから。」

と。正直やな。でもややぼやき口調。
なんや、片付けの残りざらえかいな?
これでなんかいっぺんに、この
おばちゃんに親しみがわいてしまった。

「何時までなん?」
「六時までよ。」
「で、今日はよう売れた?」
「よう売れたわ。」
「それで歩合あんの?」
「そんなもんあるかいな!」
「ふうん。ほな時間来たら
 はよう帰りたいわなあ。」
「そうやで、ほんまに。
 片付けんのも30分かかるから
 はよしまわな帰るの遅なる。」
「大変やなあ。最近は
 マネキンも経費きついしなあ?」

マネキンと言う業界言葉を出したとたん
おばちゃんは我が意を得たりと話し出した。
もう店じまいやし気が緩んだのか
この兄ちゃんは、客目線ではなく
話できると安心したのか…?
しばし掛け合ってしまった私。

結構年配のおばちゃんやったから
一日立ち仕事のデモも辛いやろ。
それに加えて、やはり企業も
販促費かなり削っているから
日給も下がってるやろうし。
この百年に一度のなにがし
そのしわ寄せは末端のこうした
マネキンおばちゃんにも及んでいる。
だから、さっさと時間内に仕事を終えて
帰りたいのだ。立ち仕事は案外重労働だ。
足もパンパンに浮腫んでいるだろう。

「おおきに。」とゆって
トレーを返したらニコッと笑った。
でも商品は勧めなかった。
仕事終わり、利害関係のない誰かに
ぽろっと本音を言いたい時って
誰でもあるよなあ…確かに。
単純できつい仕事ならなおさらに。

「おばちゃん、その歳で
きついやろけど頑張ってな。」

心の中でつぶやいた…。

やや離れて買い物していたかみさんが
後で、ぽっつりと言った。

「楽しそうに(笑)
 何しゃべっとったん?上手やね。」

「こんな混んでるスーパーでも
 ふれあいが大事なんや。」

とうそぶいた。

人混みと喧騒、そして
バーコードを読み取る音。
近代化されたそんな食品スーパーにも
昔の市場のようなふれあいが
あってもいいではないか。

(写真)いかりスーパー三ノ宮店の壁画
コメント

わたしの酒呑録 賀茂鶴 にごり

2009年10月18日 | eau de vie

神戸へ帰る日。
恒例、広島駅前の福屋へ。
今回は賀茂鶴を買った。

数ある広島の酒の中で
何と言っても全国的に、一番
知名度があるのが賀茂鶴だろう。
酒銘“賀茂鶴”は明治六年命名。
西条にある賀茂鶴酒造の酒蔵群は
静謐な空間に凛と佇み、まるで
タイムスリップしたような錯覚。
ここ西条は吟醸酒発祥の地。
賀茂鶴は、日本で最初に
吟醸酒を発売した酒造会社である。
ギフト需要に強い高級酒メーカーだ。

広島に来るまで、私はこの銘柄を
「カモヅル」と発音してきた。
広島に赴任した時、酒を囲む会があり
私が「カモヅル」と言うと
我が社の担当ベテラン社員が

「カモツルです。濁っちゃあいけん。」

と教えてくれた。なるほど…。
変に感心してしまった思い出。
確かに。清酒は濁っちゃいけんのだ。

しかし、今回の賀茂鶴は濁るのだ。
“賀茂鶴 純米吟醸 にごり”である。
限定酒と札があった。どうやら
季節限定、本数限定のようだ。
毎年開催される西条の酒祭り会場にて
発売される好評の酒とか。
エンボス加工風の淡いブルーの瓶色に
乳白の酒色。ラベルは真白い和紙風。
そして黄金色のキャップ。
そのコントラストがとても美しいのだ。
思わず手に取って
レジへ持っていってしまった。

久々のにごり酒。
この酒は要注意である。
とにかく飲みやすいのだ。
口当たりに騙されてついつい進む。
甘酒のようだとなめると痛い目に逢う(^_^;)
でも旨いんだなあ。これは
とっておきの人と呑みたいねえ。
秋の夜長に。
しがない中年男の懲りない願望ぞな。

■賀茂鶴 純米吟醸 にごり
720ml詰 1,365円
精米歩合60% 日本酒度-20
仕込水 賀茂山系伏流の天然井水

裏のラベルには
“低温でじっくり発酵させ
フレッシュな香りと爽やかな口当たり。
和・洋・中どの料理にも合います。”
とな。
コメント

安酒場のつぶやき

2009年10月12日 | cocoro

酒場が好きである。

酒好きだから?
はい。でもいいえ。
酒場の人生が好きなのである。

酒場で始まる人生劇場。
切り取られたそれぞれの人生の断片が
そこここでモザイク模様を描いてゆく。
大法螺、虚言、愚痴に説教、自慢話。
笑い声に、店員の愛想が重なる。

カウンターの中年男の背中
中年男女の年季酒。
会社員たちのちょっといっぱい酒。

楽しい酒、ほっと一息の酒
色気のある酒、悲しい酒
いやらしい酒、崩れた酒。

私は、そんな夕暮れの
掃き溜めの安酒場が好きである。
人間らしくていいじゃないか。
コメント

わたしの酒呑録 五橋純米ひやおろし

2009年10月11日 | eau de vie

広島そごうで、刺身を買う。
ここの刺身は結構お気に入り。
それに仕事帰りに立ち寄る頃は
半額になってたりしてとてもお得。
いい刺身を買って、酒売り場を
なにげに覗いたら…おや?
五橋のひやおろし四合瓶が目に止まる。
そごうの酒売り場は、正直
ありきたりの米酒の品揃えで
明確な差別化商品がなくて
あまり期待していなかったのだが
この銘柄があるのは嬉し。
今、わたし的には、この中国地方で
一番気に入っている銘柄だからだ。

“五橋”…山口県は岩国にある
明治四年創業酒井酒造の酒である。
そして、岩国といえば錦帯橋。
日本三名橋のひとつと謳われる。
木造の柔らかい曲線がほんに美しい橋。
五橋と言う君の名は、錦川にかかる
五連の反り橋「錦帯橋」を指すのじゃね。

当家愛飲。ひやおろしシリーズ第二弾
五橋 純米ひやおろしでござる。 
う~ん飲み易い酒じゃあ。
まろやかでほんに柔らかい。
それにくどくない。
水のようにすっとしたソフトさ。
こういう酒がわらわは好きなのじゃ。

“五橋は軟水仕込み特有のソフトで
香り高い酒質を特徴としています。”

さもありなん!

■五橋純米ひやおろし 720ml 1365円

山口県柳井市の有志農家の集団・
トラタン村産の《山田錦》を100%使用。
吟醸香ほのかに香り
きれいな酸が米の旨みを引き締めます。
口当たり軽く、まろやかな味わいが魅力。
とな。
コメント

魚が消える?

2009年10月03日 | tete a tete

大間のまぐろ
土佐はカツオの塩たたき。

共にとても美味しかった。
忘れられない海の幸だ。

その鮪も鰹も減ってるらしい。
特に今の時期の戻りガツオが
今年、深刻な不漁になっているとか。
その鰹。
春は黒潮に乗って日本近海を北上
秋には北海道沖から黒潮に乗って南下
その頃脂の乗った戻りガツオになる。
今年8月までの
全国主要漁港の水揚げ量は前年比54%と
ほぼ半減しているとのニュース。
特に刺身になる大型の鰹が少ないとか。

鰹のたたきは好物のひとつ。
嗚呼、切ないなあ…。
でも、これから中国や新興国が
魚をもっと食べ始めたら
もう高値の花になるかも。現に
築地の一等鮪は中国行きが多いのだとか。
松茸と同じ運命をたどるのかな?

がっくりくるニュースばかりが
やたら目に付くこの頃。
会社の業績は青息吐息だし
ほんにまた酒の量が増えそう。
で、あては一体何を食べろと言うのだ?
コメント