陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

初夏・学ぶ広島ふたたび

2008年05月31日 | slow life

初夏の平和記念公園に
今年も、また大勢の児童や生徒たちが
いろんな方面から集まってきた。
郊外学習の季節なのだろう。

数人のグループに分かれて
ボランティアガイドさんの話を
あちらこちらで熱心に聴いている姿。
きちんと整列して歩む姿
しんどそうに隊列を乱して歩く姿
学校によっていろいろ…それが
見ていてとても興味深い。
しかし心に映るこの広島は
きっと印象深いものだろうと思う。

今年も初夏になると
ここ広島で見る変わらぬ風景。
これから広島は、忘れ得ぬ
暑い夏を迎えていくのだ。

老いたボランティアガイドが
子どもたちに熱心に物語っていた。
年端もいかない生徒たちは
真剣な眼差しで聴いていた。
それは、とてもショックで
強烈な話だったかもしれない。

実体験を語りながら、このように
平和の尊さを語る人たちが
年月と共に減っていくという現実。
ある意味、自らの命を削って
子どもたちに語りかけているのだと思う。

この変わらぬ風景を守り
永久に持続させていくこと…。
それは、多くの人たちの
もう二度と過ちを繰り返さぬ
という固い誓いと、命ある限り
伝えていこうとするたゆまぬ努力と
使命感なくしては成り立っていかない。

毎日その光景をを見ていると
その人間の崇高な力と正義を
私は感じずにはいられない。

そこに教育の尊さがあるように思う。
そして
今年もふたたび、その光景から
こうして私も学ぶのであるよ。
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映る影が変わった御影

2008年05月29日 | slow life

“御影の面影を追っても
どんどん変わりゆく御影の姿。
そんな御影を六甲の山並みだけが
変わらずにいつまでも見続けている…。”

変わりゆく御影と題して
2007年2月に書いたブログ。

その阪神御影駅前が変わった。
まさしく、今まで映っていた
御影のお姿が変わったのだ。

駅前ビルのショッピングセンターは
御影クラッセと名づけられた。
テナントの核に阪神百貨店が入り
無印良品も出店し
大きな本屋に飲食街もできていた。

阪神百貨店が入ったのは嬉しいな。
わざわざ梅田の本店まで買い物に
出かけてなくてもよくなった。
と、思っていたのだが…。

どうも、梅田本店とは
全く同じ仕入れ先ではないような。
品揃えもしかり…。
以前大阪にあった三越にも
入っていた某食品スーパーと
提携しているようだった。
本店もそうなのかもしれないが
最初はそのスーパーの名前が
堂々とサインに表示されていた。
最近はその掲示もなくなったが。

梅田の阪神百貨店本店の
品揃えと活気を、そのまま
まるごと期待していたのだが…。
ここは、また違うコンセプトの
阪神百貨店の展開みたいである。
御影という地域特性に合わせて
エリアマーケティングしたのだろうが
私もかみさんも
ちょっとがっがりであった。

フルーツ売り場だけは
ちょっと欧州の市場のようで
見ていてなかなか楽しかった。
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初夏・凱風の六甲夕景

2008年05月27日 | slow value

晴れた日がやがて暮れゆく頃。
群青と茜のグラデーションが
六甲山と摩耶山上空に現れる。
刻一刻と変化していく黄昏模様。
しばらくよそ見していると
さっきの空は、もう
新たな色あいに変化していた。

初夏、凱風が肌に気持ちよくあたる。
この時間になると、山なみの上空を
軍用機が軌跡を残しながら
黄昏に吸い込まれるように消えていく。
北西の方角だ。
どこかの基地に帰るのだろうか。
まるで家路を目指すカラスのようで
いつまでも見続けてしまう。

私が暮らす家から眺める
好きな時間、そして風景…。
六甲・摩耶連山の夕暮れである。
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雨中の鈍行行脚

2008年05月25日 | slow journey

走り梅雨か。
土曜日は雨になった。
週末晴れたら、部屋の掃除をして
洗濯をして、布団も干してと
あれこれ予定していたのだが
この雨で段取りが狂ってしまった。

無為に過ごすのもなんだから
思い切って神戸に帰ることに。
それも今回はスロージャーニーで。

午後2時28分広島バスセンターから
岡山行きサンサンライナーに乗車。
やがてバスは雨中の高速道路に入る。
静かな車中。
聞こえてくるのは
後ろの若い乗客がかけている
携帯音楽プレーヤーから洩れ出る
カシャカシャ音と
雨の路面を走るタイヤの音だけだった。
午後5時前。ほぼ定刻通りに
バスは岡山駅前に着く。
岡山市内もやはり雨であった。

岡山駅からは在来線を利用する。
神戸に帰る鉄道ルートは
山陽本線回りと赤穂線回りがある。
午後5時08分発山陽本線姫路行きに乗った。
本当は日生(ひなせ)あたりの海が見える
赤穂線に乗りたかったのだが、列車は
30分後しかなかったので諦めた。

この時間の列車には
高校生がたくさん乗り込んできた。
仲間と話す子、騒ぐ男子高生、そして
ひとり静かに座っている女子高生。
駅に着くたび、友に別れを送って
次々と高校生たちは降りてゆく。
岡山から終着の姫路駅まで乗る人は
私を含めてきっとわずかだろう。
私は読み止っていた宮本輝全短編下巻を
この際とばかり一気に読み進めた。
ときどき目休めに車窓を眺める。
窓は一面曇っていて何も見えない。
指でガラス窓の曇りをぬぐった。
山間のしたたる緑が雨に濡れていた。

終着駅の姫路で
午後5時57分発の新快速に乗り換える。
ここまでくればあとひといきだ。
ほっと安堵の気持ち。
長浜行き新快速電車は快調に飛ばし
午後6時半過ぎには三ノ宮駅に到着。
ここで後続の快速電車に乗り換え
六甲道駅にやっと着いた頃には
時計は午後6時40分を少し回っていた。

広島で高速バスに乗ってから
時間にして4時間あまり。
新幹線なら1時間ちょっとだ。
しかし、かかったお金は
五千円はかからなかった。
新幹線なら一万円近い。

時間を取るか、お金を始末するか
世の中ちゃんとつじつまが合っている。
うまくできているなあが実感であった。

しかしこんなスロージャーニーも
経験して知ることが大事。
世の中は何より見聞。
これも素直な実感…。
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ローカル駅の“すりにご用心”

2008年05月24日 | slow life

ここは愛媛は松山にある
伊予鉄道高浜線の終着、高浜駅。

こんなローカル駅の駅舎には不釣合いな
大き過ぎる警告看板が目に飛び込んできた。

何デダロウ…?

この駅は松山観光港の最寄り駅である。
おそらく
船から降りて市内へ向かう観光客たちで
どっとあふれることがあるのだろう。
そして最近は、日本人だけでなく
アジアからの観光客も多い松山である。
市内を経て道後温泉へ向かう
シャトルバスに初めて乗ったとき
日本語のアナウンスに続き、たしか英語
そして中国語に韓国語と四カ国語が
延々と流れたのにはたまげてしまった。
新幹線でも流れるのは英語まで。
この事実に、私は
地方で進む草の根的国際化というものを
しっかりとこの目と耳で認識したのだった。

人がどっと集まる所にはスリも集まる。
ましてや浮かれ気分の旅行者たちだ。
まとまったお金も持ってるし気もそぞろ。
だからここは時として
スリたちの格好の漁場になるではないか。
地元の人たちが乗り降りするだけの生活駅なら
こんな大きな警告看板は必要ないだろう。

旅行先で財布をすられるほど
悲しくがっかりすることはない。

以前すられた経験のある私。
それは駅ではなくある賭場だったが
(恥かしいから誰にも言っていない)
その時は、今から考えれば
なんとも無防備で馬鹿だったのだが
肩に担いだリュックに入れていた財布から
見事に現金だけが抜き取られていたのだ。
カード類には一切手をつけずに。
今流行のスキミング団ではなく
古典的な現金スリだったようだ。
勉強代としては高くついたが
まあ、そのお金はどちらにしても
消えた金だったかもしれないし…
と変に納得させた思い出がある。

だから私はスリには結構敏感である。
そういうすられた経験を持つ人には
この看板は結構、注意喚起に役立つが
スリに遭った経験のない人にとっては
この看板はきっと視界には入っても
あまり意味をなさないのだろうな。

なんてことを電車を待つ間考えていた。
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男は土佐鶴の角

2008年05月23日 | eau de vie

久しぶりの大阪。
今日は早くお家へ帰ろう。
そうだ!
せっかくだから何か買って帰ろう。

梅田の阪神百貨店へ立ち寄る。
時刻は午後6時前。
この時間帯の百貨店はラッシュである。
さすが都会の百貨店だ。

「勢いが違うなあ。」

まずは鮮魚コーナーへ直行。
早く行かないといいのがなくなる^_^;
いろいろ眺めて(これがまた楽し)
お造りの盛り合わせに目が行く。
白身は平目に鯛、赤身は鮪の部位二種
そしてくっちゃり系は烏賊。
なかなかよいバランス。
これに決定。

「美味そうだ。」
心の中で微笑むわたし。

世の奥様方は言う。
値段を気にしないのが男の無頓着さ。
しかし単身赴任で鍛えた我が身だ。
その辺の
いい素材好きの薀蓄中年男とは違うぞ!
そこはしかと値段も吟味。

いい刺身が手に入れば
次はとっ、とっ、とーと
一目散に酒売り場へ直行。

この店、ワインのお品揃えに比して
日本酒は…
とおりいっぺんの品揃えでやや不満。

「おや、角瓶の土佐鶴の冷酒だ。」

これは珍しい形の瓶だ。
土佐鶴ファンの私としては
今夜の酒は迷わずこれに決定!

心理的に満たされた今晩の買い物。
肴と酒の入ったレジ袋を注意深く平衡に下げて
うきうきルンルン阪神電車の特急に乗る。
新しい車両だ。ちょうど座れた。
これもラッキー。
この新型車両が来年奈良まで行くのかな。

この土佐鶴はよかったです。
何より角瓶がいいです。
食卓に置いた見た目も
手に持った感じも
もちろん舌触りも。
夏・晩酌の食卓に映えます。
もちろん!値段も手ごろです。

■生貯蔵酒<角>
 土佐鶴 
 日本酒度 +5
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街で見つけた! つちのこ発見現場

2008年05月22日 | slow culture

岡山県を走っていたら
“つちのこ発見現場”なる案内標識を発見。
ここは赤磐(あかいわ)市。

赤磐市のホームページによると

“2000年5月21日
吉井地域黒沢地内で
田の草刈をしていた農業Nさんは
草むらにかくれる
蛇に似た物体と遭遇した。
頭はドラえもんそっくり
草刈り機による一撃で
この謎の生物は水路に逃げ込んだ。

それから4日後、近くの主婦が
この生物の死がいをみつけ
丁重に葬った。”…云々。

“つちのこ発見現場”なるこの標識
つちのこが幻でいる限り
希少スポットであり続けるのだろうね。
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街で見つけた! 広告の幸せ感

2008年05月20日 | slow culture

“恋し、結婚し、母になったこの街で
おばあちゃんになりたい!”

“愛のあるおつきあいを ○○銀行”
愛がついた名の銀行の広告だった。

“恋し”ではじまり
“おばあちゃんになりたい”で終わる。

恋しの直球を
いきなり真ん中に投げ込み
今どきの高齢者受難時代に
あえて逆らうような
おばあちゃんになりたいという言葉の意表さ。

「うまいなあ~。」

心の琴線に触れてすとんと落ちる言葉。

そういうのっていい…。

このフレーズはもとより
広告用に書かれたものではない。

(松山の「だからことば」大賞で
一般公募された入賞作品とあった。)

それゆえの強いインパクト。
ここに広告のパラドックスが存在し
優れた広告人が葛藤する所以がある。

「そこのところも突かれたなあ。」

このコピーに感動しながらも
いろいろと思ってしまったわたしがいる。
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五月の空 割れる雲

2008年05月18日 | slow life

先週の日曜日のことである。

記録によると、この日の神戸は
最高気温17度、最低気温11.7度。

5月に入ってから続いていた陽気が
その前日の土曜日から
一気に5度も下がったのだ。
3月上旬に舞い戻ってしまった。

その夜、ニュースでは
コートを羽織る人が映し出されていた。

異様に冷えたこの日に
あまり見たことのない空模様。
思わず写真を撮る。

まるであの十戒という映画で見た
割れる海を彷彿とさせる雲姿だった。

「なんか不気味な雲だね。」

しばし
ぽかんと空を見上げていた。

そして…
翌12日、中国は四川省で
あの大地震が発生したのである。

■5月11日(日)午後5時半頃の空 
 神戸・住吉川畔にて撮影
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佐田は三崎・さざえの釜茹で

2008年05月17日 | slow gourmet

佐田岬の魚介類が食べたいな。

松山にある三崎漁協協同組合直営の
“三崎漁師物語り松山店”へ行く。

昼メニューの中から
太刀魚の一本揚げ定食を。
そしたら

「さざえの釜茹では如何ですか。」

釜に視線がいった絶妙の間合いで
店員のおばちゃんに上手に勧められた。
もちろん!そのさざえの釜茹でも注文。

定食は太刀魚が一本天ぷらで
それにお刺身と小鉢。そして
小さいおひつに入ったご飯に汁物。
これで1260円也。

そしてさざえの釜茹で。三個750円也。
見ていると
ぐらぐら煮立ったお釜の熱湯に
ざるでさざえを三個つけはった。
昔ながらのあの土星の輪がついたような
米を炊く釜が3基、目の前にある。

「はやく茹で上がらないかなあ。」

いよいよ茹で上がり、熱々のまま
篭に盛ってさっと出してくれた。
箸串でくるっとほじって身を出す。
マヨネーズタイプのソースを
つけて食べるらしい。

ふうふう、ふうふう…。熱っ!
う~ん、しかし。いやはや何とも
はてさていさはや?の如き絶品!
佐田岬の荒海でしまった身はさすが。
昼時とはいえチビリンコチビリンコと
お酒が飲みたい誘惑に駆られる。
しかしここはじっと我慢の子であった。
(なんか東京農大教授の
小泉武夫さんの文章みたいだなあ)

定食についていた刺身
これもさすがに新鮮じゃった。
こりこり感といい、旨みといい…。
そしてここ佐田岬のひじきもいい。
帰りに忘れずお土産にひじきを買う。
これは大で730円也。

ちょっと贅沢な食事でありましたが
たまにはこういうお昼もいい。

四国は松山、佐田は三崎の
漁師の心意気を食べました。

■佐田岬物産センター
三崎漁師物語り 松山店
松山市衣山1丁目188番地
パルティフジ衣山SC内
グルメシティ松山
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