陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

街の面白看板 ぼっかけ焼きそば

2023年02月28日 | slow culture

久しぶりの新長田であった。
28年前のあの阪神大震災で
壊滅的な打撃を受けた地域ではあったが
再建が進んだ街並とはなったが、それでも
長田は以前のような庶民的な雰囲気が残る街だ。

新長田駅を降りて、まず鉄人28号へ挨拶にゆく。



そして一番街商店街から大正筋商店街へ
飲食店などタウンウォッチングしながら歩く。
この辺りはテイクアウトの焼きそばとか
たこ焼きを売る店が多いような気がする。
名物のそばめしもあった。

ビルの一画にぼっかけ焼きそばという
看板を出している店があった。
持ち帰りに数人が店の前に並んでいた。



人気の店なのだろう。
店内でも飲食できるようで数人が美味しそうに
焼きそばを食べていた。

大正筋商店街には串カツを売っている
お肉屋さんもある。昔懐かしい市場の風景。
私の小さい頃、買い物はみんな市場であった。
みな買い物籠を提げて市場に行く。
「ぼく、今度小学校かいな。大きくなったねぇ」
なんて店の人との会話も必ずあったように思う。
そして野菜や魚などを買えば、店の人はそれを
新聞紙に包んで買い物籠に入れてくれた。
今思えば当時はなんとエコな社会だったんだろう。

再開発で大きなショッピングセンターができて
どこも似たようなチェーン店が並ぶ時代。
便利にはなったが、それと引き換えに
街はどんどんつまらなくなってゆく。
人情という匂いがどんどん失せてゆく昨今
長田のような街は、いつまでも庶民の街で
あって欲しいなと思う。



焼きそばの匂ひ長田の街ぬくし
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神戸の映画監督 大森一樹を語る

2023年02月26日 | slow culture

新長田大正筋商店街にある神戸映画資料館へ。
新長田映画講座と題して「神戸の映画監督
大森一樹を語る」映写会とトークに参加する。

昨年11月に逝去された大森一樹さん。
哀悼を込めてその早期の彼の作品を
ぜひ鑑賞してみたいと思ったのである。
三十数名の方が来場していた。



作品は神戸舞台にして作品2点をまず鑑賞。
「暗くなるまで待てない」と「夏子と長いお別れ
(ロンググッドバイ)」である。前者は
大森監督が初めて16ミリで撮った一部カラー
つまりパートカラーの自主映画。1975年の制作。
神戸を代表する青春映画である。後者は1978年制作。
カラーでわずか25分の映画であるが、前者の映画の
その後といった感じのドキュメンタリー的映画だ。

いやあ。いい映画だったなあ。何より
私の世代にはノスタルジックな映画だった。

1970年前半の神戸や風俗が描かれている。
東遊園地から始まり、三ノ宮交通センタービル前の
交差点、古い新聞会館ビル。元町商店街、そして
神戸大学付近の景色。オート三輪に乗って
撮影する主人公たち。神戸大学付近から見下ろす海は
人工島はなくて真っ平な大阪湾が広がっていた。

そしてあの頃の大学生たちの風俗。これはもう
ユーミンのいちご白書の景そのものというか
学生街の喫茶店を歌ったガロの風俗そのもの。
みんな長髪でみんな煙草を吸っている。
大学の構内にはアジる立看というか捨て看が並ぶ。
ユーミンの曲がところどころでバックに流れる。
もう一気にタイムスリップしてあの頃の世界に
浸ってしまった。

最後のプログラムは大森一樹さんと親交のあった
映画監督の白羽弥仁さんのトーク。お二人とも
両親が医者で同じ病院に勤めていた関係で
その頃から縁があったと語っておられた。
大森監督の人柄が偲ばれる実直で飾らない良い
トークであった。持ち上げるのではなく、等身大の
大森さんを素直に語ってくれた。
大森監督の映画のこういうところと言った見方も
同業者ならではの視点で教えてくれた。
この白羽監督、神戸の長峰中学出身で
日大芸術学部で映像を学んで監督になられた方である。
それ故神戸愛も強い。だから神戸を題材にした映画も
たくさん撮られておられる。
機会があればぜひ鑑賞してみようと思う。

大森監督は私より四つほど上の世代である。
だから青春時代をほぼ共有している。
70年代というのは、その世代にとっては正に
青春のど真ん中であった。

この年代になると過去の思い出というものは
これからの生き方に活力を与えてくれる。
そんなことを感じた長田の一と日であった。

それにしても70歳と言う年齢での逝去は早すぎる。
その年代でまた神戸を撮って欲しかった。



早春の長田に偲ぶ映画かな
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幸せ昼ごはん ミニステーキ定食

2023年02月26日 | slow gourmet

神戸と言えばやはりステーキだ。
元町・南京町から生田神社、三ノ宮と
吟行で歩いたら、孤独のグルメの
井之頭五郎ではないが「腹が減ったぁ~」

という訳で神戸国際会館南側にある
神戸の老舗レストラン「ロイン」へ。
で、ロインと言えばやはりステーキ。
看板のミニステーキ定食を所望。
ラージミニステーキもあった。
「ラージでミニとはどういうことだ?」
なんてお隣の句友がつっこみを入れる。
それにしても1100円で食べられるステーキとは。
「なんぼのもんじゃい」とは言うなかれ。
これがまたすて~きな(素敵な)ステーキなのだ。
(あちゃ~!ベタなおっちゃんダジャレでんな)

お連れたちは限定のお楽しみ日替弁当など
思い思いに神戸の洋食ランチを楽しんでおりました。
よく歩いて、よく頭をひねって、美味しいもの食べて
それから楽しい句会。長いようで短い人生。
一期一会は美味しく楽しく参ろうぞ。
とある早春の一と日でございました。ごちそうさま。

◆ロイン三宮店
神戸市中央区磯上通8-1-19 カーサグランデ神戸ビル B1F
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港神戸の花時計

2023年02月25日 | nonoka

神戸と言えば花時計も名所です。
神戸市役所辺りの整備に伴って
花時計も引っ越しを余儀なくされましたが
やっと落ち着き場所を見つけたようです。
東遊園地の最南端、以前は噴水のあった場所に
移設されました。バックの建物はあの
安藤忠雄氏が設計したこども図書館です。

本当は以前あった場所が一番いいと思います。
この場所では正直ちょっと外れに追いやられた
という気がします。

文字盤を飾る花はビオラ。
まあパンジーの亜種というかスミレ属の花です。
六色のビオラで鯛を表現していました。
なんで鯛なのか?説明にあったようですが
覚えていません。祝ぎ事だったような?

六色のビオラ奏づる花時計

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生田の梅

2023年02月25日 | nonoka

神戸の生田神社の梅を見に行きました。
この日は参詣客も多く、大安もあって
大前には参詣の行列ができておりました。

まだ蕾の梅もありましたが、ほぼ見頃
となっています。御神籤を結う辺りに
見事な枝垂れ梅があります。

ふっと香ってくる梅の香。いいですね。
桜は薫るということがありません。
ここが梅が桜に負けないより処です。
またほろほろと咲いて静かに散っていく
そんなところも桜にはない梅の魅力です。

古来、日本人は桜もソメイヨシノではなくて
山桜を愛しておりました。そして梅。
昨今はソメイヨシノが全盛で
歌なんかでも若い人がよく歌う桜は
やはりソメイヨシノですね。欲を言えば
梅や山桜を愛でると言う大和ごころにも
若い人も気付いてほしいなと思います。

梅が香をいざなふ風の道しるべ

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早春の中華街

2023年02月23日 | slow life

早春の中華街を吟行しました。
ランタンをはじめ紅ひと色。
まだまだ春節の名残が其処此処に。

湯気の立ち上る通りを歩いていると
熱心な客引きの女性によく声を掛けられます。
別に妖しい客引きではありません。こういう
声をうっちゃりながら歩くのも楽しいもの。
若い人たちはパオズーを頬張りながら
ときどき写メしたりして歩いてました。

広場の真ん中の中華風四阿(あずまや)前には
おなじみの中国服を纏ったお人形が。



実はこれ“小財神”という神様なのです。
後で調べてみると、小財神人形というのは
お金の神様なのだそうです。
そして触ると幸せになれるらしい。
男の子が「財財」 女の子が「來來」という。
いやあ。神戸に住んでいながら知らなかった。
マスコット人形だとずっと思ってました。
すみません。とても勉強になりました。

相変わらず豚饅屋さんには長い行列が。
春寒だったから頬張ればきっと美味しいでしょう。



北京ダックが美味しそうに焼かれておりました。
わたし。北京ダック大好きです。
でもこうしてみるとちょっと引いてしまいます。



午前中の春時雨もどうやら上がってくるようです。
中華街を抜けて、次は梅を見ようと生田神社へと
向かうのでした。
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初音と菜の花

2023年02月22日 | nonoka

今年の初音を聞きました。
朝、窓の外からふと聞こえてきました。
何回か聞こえてそれっきりでしたが
これは確かに聞き覚えある鶯の声でした。
ホーホケキョではない鳴きパターンの声でした。

小学校の校庭脇に菜の花を見つけました。
たった数株の菜の花でしたが、錆色の校庭が
総天然色になったような印象を受けました。

春の声、春の色が溢れ出してきています。
さあ、外(と)に出でて春を探しに参ろうぞ。

六甲の初音前線南下中
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二月の読書 絶対悲観主義

2023年02月21日 | slow culture

一橋ビジネススクール教授の楠木健さんの
「絶対悲観主義」を読む。
この方は新聞のオンラインセミナーなんかで
よく顔写真付で講師紹介に見かける方である。

絶対悲観主義とは、本文中の文章にこうあった。
“仕事の種類や性質、状況にかかわらず
あらゆることについてうまくいかないという
前提を持っておく。何事においても
「うなくいかないだろうな」と構えておいて
「ま、ちょっとやってみるか…」。これが
絶対悲観主義の思考と行動です。”

ふむふむ。なるほどと腑に落ちる考え方である。
というのも私も実は絶対悲観主義者なのだから。
俳句なんかで自分の作った句が上出来だ
と思う人が少なからずいるのだが
私はどちらかと言うと、自分の作った句は
大概つまらないなあと思うタイプである。
これは決して謙遜でも嫌味ではない。
これなど絶対悲観主義者の思考である。

MBAの教授がこう言うところが新鮮である。
たしかに「GRIT重視」(やりぬく力)や
レジリエンス(柔軟性、強靭性)が
キーワードとしてもてはやされる時代
こういう思考があってもよいではないか。
著者はこうも言う。「目標に向かって全力疾走」と
常に緊張を強いられていては、最後は擦り切れて
しまいます。おっしゃる通り!

この本、その理論を延々と説明したいわゆる
ハウツー的な本ではない。
読み進めていくと、著者自身のことが
体験や自己開示も含めて忌憚なく書かれて
いるのでそこが面白いし退屈しない。

第七章の「友達」の項。今の世の中は
SNSなどでつながり過剰だという。
特定少数の友達との長い付き合いがあれば
それで十分とあった。もっと孤高を
楽しむこともシニアには必要ではないか
とかねがね思っている身としては、正に
ご同慶の至り。悲観主義傾向の方は
一読してみるのもいいかも。

◆絶対悲観主義 楠木健
2022年6月初版 講談社+α新書
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自祝 ルビー婚

2023年02月20日 | slow life

結婚四十周年を迎えました。
ステーキディナーで夫婦ふたり
ささやかに祝いました。
ワインはとっておきのドンペリ
と行きたい所ですが、分相応にいつもの
スパークリング、シャンドンロゼを。

何よりお互い健康でこのルビー婚を
迎えられたことに感謝です。



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浅春のお初天神

2023年02月18日 | slow life

大阪へ行く。毎日、大阪へ通勤していた頃は
満員の電車に乗っての通勤に、特に疑問もなく
みんなそうなんだからと思って乗っていたが
そんな通勤電車から離れてみると
あのラッシュアワー、特に大阪メトロはやはり
かなりのストレスであったことに気づく。

しかし
ストレス耐性というのも生きていく上での
ひとつの重要なスキルだ。動物だってそうである。
人生、楽しいこともあるししんどいこともある。
嬉しいこともあれば、悲しいこともある。
たぶんこれからもそうだろうね。

目を通したいものがあって中之島図書館へ。
ここはいつ来ても歴史を感じる重厚感がある。
二時間ほど用件を済ませて図書館を出て
梅田まで歩く。歩くコースは決まっている。
図書館から大川に架かる石橋を渡って裁判所の方へ
そこから老松町通りに入り、この店は
まだあるかななんて見ながら梅新の交差点へ。
陸橋を渡ってから歓楽街を抜けてお初天神へ。
そこで一服して、曽根崎商店街に入り
曽根崎警察近くから地下に入り梅田駅へと向かう。

お初天神は通称で正式には露 天神社(つゆのてん
じんじゃ)という。由来を読むとこうある。
“元禄16年(1703年)に当神社の境内で
実際にあった心中事件を題材に、近松門左衛門が
人形浄瑠璃「曽根崎心中」を書きました。
以後、そのヒロインの名前「お初」にちなんで
「お初天神」と呼ばれるようになったのです。”



そういう謂れであるので、恋人の聖地らしい。
永遠の愛を誓う祈願絵馬が沢山吊るされている。
これを見るのも楽しい。
まあ結ばれても恋というものはやがて醒めるもの。
だから愛を育んでいかねばならぬのだよ。
「恋」という字は心が下にある。つまり下心。
「愛」という字は心が真ん中にある。
なんてよくうそぶいたものである。ふふふのふ。

お初天神の路地には火災の跡がまだ残る。
この辺りでよく呑んだのも、もう遠い昔のことに
なってしまったなあ。また呑む機会があるだろうか?
夕霧そばはまだ健在なのでまたいつか行ってみよう。

春浅し恋の云ふ字の下心
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