神戸は三ノ宮の第一樓へ。
ここを訪れるのは何年振りだろうか。
神戸っ子にとっては、ここはハレの場で
よく利用する中華(北京料理)の老舗である。
小さい頃はここの手動式のエレベータが
なんか怖かった思い出がある。今は勿論
店も建て替えられてそんなエレベータは無い笑
個室の円卓に一同が坐って、廻るテーブルに
沢山の料理が次々と運ばれてくる。幼少時は
前菜に出て来るピータンが苦くて食べられなかった。
古き昭和のここでの食事を、そのときの父母を
ふと思い出しながら、料理をひとつづつ堪能
しようと思っていたのであるが、寄る年波か
前菜でもうお腹が一杯になってしまった。
それでもここは余った料理を箱詰めしてくれるので
また家で再び楽しめるので勿体ないとは思わずに済む。
東京から子どもがフィアンセを連れて来た。
美味しい中華を分ちつつ談笑のひととき。
こうして家族の群像も、そしてこの店も
次の世代に受け継がれていくのだろうなと
しみじみ思うと共に、今は天上にいる父母に
「こうして新しい家族と第一楼に来ましたよ。」
と心の中で報告したのであった。
けふ何も彼もなにもかも春らしく 汀子
■第一樓
神戸市中央区江戸町94