陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

幸せ昼ごはん 六甲道の町中華

2023年11月27日 | slow gourmet

神戸の中華料理は素晴らしいとは前回書いたが、巷の町中華もまた素晴らしい。

ここは六甲道駅北のフォレスタ六甲というショッピングセンター。スーパーをはじめ色んな店舗が入っている。上層階は住宅になっている。再開発前の六甲道駅北側には南天荘書店や小鳥屋さんなんかがあった。懐かしい思い出である。

そのフォレスタ六甲の一階にはパチンコ屋や立呑屋なんかもあって、その通りだけは昔の六甲道の面影を残しているような感じである。その一画に中華料理屋さんがある。美味しそうな陳列を見て一度は訪ねてみたいと思っていたのだが、今回、ふとその店を思い出してランチに訪れた。初めての入店であった。

正午前後であったが運よく席が空いていた。荷物が多かったのでテーブル席に座りたかった。普通はこういう時間、ひとり客ならカウンターへ誘導されるものだが、四人掛けの席に座っても何も言われなかった。こういう対応は印象がいいものだ。勿論こちらもわきまえているので、さっさと済ませて退店することは当たり前である。後から来る客にも好きな席に座らせていた。

ランチメニューはどれもみな安い。今どきのランチなら千円超えは当たり前となっているご時世だが、ここの定食はひと昔前の値段かと思う位安かった。ここを贔屓にしているらしい客が次々とやって来る。どれもボリュームがある品ばかりだ。この値段でこれ位のボリュームなら若いサラリーマンや現業部門の肉体労働的仕事の人にはありがたい店だろうと思う。

しかし厨房はさながら戦場だ。大将だろうか?黙々と重い鍋を振っていた。町中華と言えば王将が人気だろうけれど、こういう個店も頑張っている。それが嬉しいのだ。こんなパパママ店がつぶれていくご時世になったら、大手チェーン店ばかりになって食文化はつまらなくなってしまう。

この日の日替わりは豚天であった。おいしゅうございました。巷のミシュランというものがあれば推したい店であります。ごちそうさま。

◇香港菜館 神戸市灘区永手町4-2-1 フォレスタ六甲B1F

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幸せ昼ごはん 神戸の老舗広東料理

2023年11月25日 | slow gourmet

元町界隈を歩き続けていると、“孤独のグルメ”の井之頭五郎ではないが「腹が…減った」…ということでこの界隈を知る句友の斡旋で、鯉川筋にある神戸では有名な老舗広東料理店、群愛飯店さんの本店へ。

さて、円卓に陣取り、メニューを見参。何にしようかな?平日は手頃な価格の日替りランチがあるらしいのだが週末はやっていないとのこと。ということで各々がメニューから好きなものをチョイスすることに。小生は悩んだ挙句、牛腩烩飯(牛バラ肉のかけご飯)を選択。友が選んだ海鮮炒麺(広東風海鮮焼そば)も運ばれてきたものを見てちょっと後悔。これがイカもエビも大きくてプリプリ。こちらにしたら良かったかなと思うぐらいでありました。しかし、この肉飯もバラ肉は大きくてとろとろ。しかも味もしゅんでおり最高でございました。

いつもながら思うのですが、神戸っ子たちはこういう中華を食べ慣れているので、当たり前のように思うのですが、実はそれは当たり前ではないのです。とある地方に赴任していたとき、街で一番の予約の取れない中華を接待で食したことがあったのですが、当地の人は絶賛という中華料理でしたが、私は正直、神戸で食べているものと遜色はない、ていうか神戸の方が質的にも勝っていると感じたものでした。そのときはじめて、神戸の中華料理のレベルを客観的に知ることができたのでした。

人はそういう環境に馴染んでいると、実はそれがとても恵まれている、ということに案外気づかないものなのですね。会社なんかもそうです。自社で当たり前の仕事内容と思っていたものが、実は他社からは追従できないノウハウを持った仕事だと思われている。なんてことはざらにあります。

今回はあまり時間がなかったけれど、ふとこの歳になったので神戸の中華をもう一度各店を廻って、ゆっくり味わう行脚をするのも悪くないなと思いました。群愛飯店さんももう一度、今度はゆっくりと訪ねてみたいです。夕暮時に紹興酒でも飲みながら…ね。

◇群愛飯店本店  神戸市中央区中山手通3-4-6

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相楽園・紅葉の船屋形

2023年11月24日 | slow culture

相楽園の船屋形が公開されておりました。中を見るのは初めてでした。

船屋形とは、相楽園のHPによると、江戸時代に姫路藩主が河川での遊覧に使っていた『川御座船(かわござぶね)』の屋形部分だけが陸上げされたものとあります。建造年代は、1682~1704年の間と推定。現存する川御座船としては国内で唯一のものだそうで、昭和28年に国の重要文化財に指定されています。

川御座船の全景はこうのようなものです。(これは小さな模型です。)

もともとは姫路藩で使用されていたのだそうですが、明治元年に飾磨港から高砂市の私邸に移築されて茶室として使われてたそうです。その後、昭和十四年に垂水区舞子の私邸(牛尾家)に移築された後、神戸市に寄贈されて相楽園に移築、現在に至るとありました。公開期間中とあってボランティアガイドの方が丁寧に説明をしてくれました。喪失することなく歴代の名家によって遺されてきたのですね。そういう継承はとても大事なことだと改めて思いました。

紅葉明りに照らされて、一水に美しい影を落としておりました。屋形の内部はこのような感じです。暫し時を忘れて、江戸の風雅に心を遊ばせておりました。

船屋形紅葉明りに偲ぶ江戸

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初冬の元町・中山手散策

2023年11月23日 | slow life

初冬の或る日、神戸元町・中山手を吟行しました。

JR元町駅から北へ歩きます。この界隈は諏訪山の麓、中山手という地区になります。この辺りから北野界隈にかけてはとても落ち着いた神戸らしい処です。

まずは兵庫県公館へ。1902年(明治35年)に建てられたレトロな建築で当初は兵庫県庁本庁舎として利用されてきました。今は迎賓館、県政資料館として利用されています。静かな庭には物思いにふけるロダン像?いえこれはアダム像とありました。またうなだれた犬のオブジェも。ここではアダムもわんちゃんも思索にふけるのでしょうか笑しばし私たちも句作にふけることにしましょう。

公館を北へ抜けると兵庫県庁辺りです。ここにこんな銘板がありました。

第一神戸高等女学校跡と記されています。通称第一高女です。同行の句友のお母さんがここの出身です。お母さんは又俳人でもありましたが、とても凛とした方だったそうです。さて、その句友は母を超えることができるかな?ちなみにこの第一高女と神戸一中が合併して現在の兵庫県立神戸高校となりました。

県庁から中山手通りを北へ渡り、いよいよ最終目的地の相楽園へ。もう菊花展は終わっていましたが、菊の毬が迎えてくれました。残菊ですね。

HPにはこう記されています。“相楽園は、元神戸市長 小寺謙吉氏の先代小寺泰次郎氏の本邸に営まれた庭園で、明治18年頃から築造に着手され、明治末期に完成したものです。昭和16年以降神戸市の所有となり、中国の古書『易経』の一節にある「和悦相楽(わしてよろこびあいたのしむ)」からとって「相楽園」と名付けられ、一般に公開されるようになりました。”

蘊蓄は別にして、静かな佇まいの美しい日本庭園です。ちょうどこの時期は、重要文化財である“船屋形”が公開されておりました。今まで中を見たことがなかったのでこれは楽しみ。

苑内では七五三の子どもたちが、“ええべべ”を着せてもらって写真撮影に勤しんでおりました。こういう光景を見ると何かこう、心が温っかいものに包まれてゆくような気持ちになりますね。正に眼福です。

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甘いもの選 栗蒸羊羹

2023年11月22日 | slow gourmet

羊羹(ようかん)と言えば無茶甘い和菓子というのが子ども時代のイメージでした。しかし大人の舌に耐えるそんなにどぎつく甘くない羊羹もあります。

私の好きな羊羹は、御影・虎屋のでっち羊羹なのですが、この仙太郎さんの「栗蒸羊羹」もなかなか秀逸でした。ん?竹皮風の包みには「身土不二」という言葉が。どうやら「しんどふじ」と読むようです。

文献によると、この言葉は医師、薬剤師で玄米と食養の祖とされる石塚左玄(1851~1909年)の考え方をもとに、同氏が会長となり設立した「食養会」によって確立されたとあり、同会の活動のスローガンとしても掲げられたとありました。「『体と土とは一つである』とし、人間が足で歩ける身近なところ(三里四方、四里四方)で育ったものを食べ、生活するのがよいとする考え方」なのだそうです。解りやすく言えば「地産地消」を唱えるスローガンですね。

まあ、小難しいことは別にして、優しい甘さの羊羹でございました。自然の甘さというのはそんなにどぎつくありません。精製した砂糖の甘さや人口甘味料に馴れたら、こんな甘さは物足らなくなってしまう。そう考えたら現代の大量生産大量消費、低価格の食は恐ろしい気がします。

◇仙太郎 神戸阪急店 神戸市中央区小野柄通8-1-8

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甘いもの選 抹茶アイスと茶だんご

2023年11月21日 | slow gourmet

旅行や吟行などに行った折、その土地の名物や美味しいものを食べたり、又買って帰るのも楽しみのひとつ。

宇治と言えばお茶。彼の地にも甘いものは沢山あります。抹茶ソフトに抹茶パフェなんかは女性には大人気です。ただこれはお持ち帰りはやや難があります。ということで伊藤久右衛門さんの抹茶アイスを買って商店街を食べながら歩きました。

さて、お土産には、句友がここの茶だんごを贔屓にしているというので、その茶だんごを買い求めました。

HPにはこう紹介されています。“通圓とは、宇治川のたもとで通行人に茶を供したという茶人。また、狂言の一。舞狂言。通圓という茶坊主の亡霊が現れて、旅僧に弔いを頼み、宇治橋供養で茶を点死(たてじに)したことを語り舞う。<通圓茶屋>茶人通圓が宇治橋の東詰めで茶を売っていたお店” 歴史あるお店のようです。初代通圓は主君源頼政のもとにはせ参じ、宇治川の合戦でともに平家の軍と戦いました。とあります。

秀吉公ゆかりの釣瓶が飾られておりました。

ちょっと長いですが、HPからの抜粋です。“茶事に関心の深かった豊臣秀吉公は、伏見城におられた時、城中で大名や茶人を招いてしばしば茶会を催しました。その時に用いる茶の湯の水は、当時“天下の名水”といわれた宇治川の水を五更の時刻(日の出までのおよそ二時間あまりの間)宇治橋三の間より汲み上げ、伏見城に運びました。その時水汲みに使った「釣瓶(つるべ)」は秀吉公が千利休に命じて特別に作らせました。その釣瓶は現在まで通圓代々に受け継がれ家宝として秀吉の五七(ごしち)の桐(きり)の紋と共に保存されています”

この茶だんごは外郎(ういろう)のようなもちもちした食感で、想像していた茶団子とはちょっと違いました。でも好みの食感と味です。また買い求めたくなる茶団子でございました。ごちそうさまです。

◇通圓 宇治本店  宇治市宇治東内1番地

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伏見の焼き鳥

2023年11月20日 | slow gourmet

さて、ゼミ同窓会の会場は伏見の超人気焼き鳥店にて。たまたま打合せのときに、ひとりが伏見のその店に行ったという話から、もうひとりがその店なら知っているということが判明。運よく予約が取れたのである。みんな一度は訪ねてみたいと思っている店なのだが、いつもかなりの客が順番待ちしていて、相当な覚悟がないと入れない店である。僥倖とはこのことである。

午後2時の予約であったが、先に入店していた者が言うには、聞けばその日の順番待ちはもう70番以上になっているという。特にこの日は伏見のイベント日だったので尚更だったかもしれない。お料理は桃山コース。八寸から始まり、鴨ロース、とりスープ、串焼きや揚げ物、御飯、みそ汁、香物、デザートだ。

 

こちらは業延宝五年(1677年)創業の老舗酒蔵の山本本家さんが直営しているという。建物は酒蔵だったそう。お酒は勿論日本酒ということで決まり。差し入れのお酒も美味しゅうございました。

数年ぶりの邂逅。ゼミ仲間たちはもう社会の第一線から退いた今、小遣い程度に働いてる程度だという。一人は退職後、ボウリングのインストラクターの資格を取ったそうだ。なら数年後の同窓会はボウリングで決まりということに。ボウリング場で無料で巡回してみてくれるインストラクターがいたら、これはいいかもしれない。そうすればもっとボウリング人口が増えるだろうねと話しあう。このゼミはジャーナリズム専攻だったので、就職先はマスコミ、企業の広報宣伝、マーケ畑の人間がほとんどなので、ついついそうした方向の話になってしまう。しかし同窓会もこうしてたまに会うからいいのだ。これが懐かしだけで頻繁に会いだすと、またそれはそれでしんどくなってしまうものだ。

さて、会計を済ます頃には入店の順番待ちの番号は170番台となっていたらしい。最後の人が店に入れるのはいったい何時になるのだろうか?そう思いつつ、竜馬通りの二次会へ向かう我らであった。

◇鳥せい本店   京都市伏見区上油掛町186

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寺田屋で龍馬を偲ぶ

2023年11月19日 | slow journey

旅籠寺田屋へゆく。ここは今まで中に入ったことはなかったので、今回はじっくり見学することに。幕末の寺田屋事件で有名になった旅籠である。

源義経と並び日本人の歴史上で最も人気のある人物であるということにあまり異論はないであろう。龍馬という人間はやはり面白い。傑出した人物であるのは確かだろう。現在、日経新聞の文化面で陸奥宗光を主人公とした新聞小説が連載されているが、少し前に龍馬が描かれていた下りはとても興味を持って読んだ。巷間イメージされている龍馬像と違って、史実の中の龍馬像はいろんな面があって面白い。それだけ魅力があったのだということだろう。

旅籠のそれぞれの間に解説が施されていて、中に居ると幕末にタイムスリップしたよう。みんな往時を偲びつつ、しばし幕末の志士・龍馬に思いを馳せていた。

幕末を偲ぶ伏見の初冬かな

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酒蔵の町 伏見ちい散歩

2023年11月18日 | slow journey

初冬の週末、中書島駅に集合する。数年振りの大学のゼミ同窓会である。同窓会の前にまずは散策をすることに。集まった数人、まずは月桂冠大倉記念館を目指す。途中に十石船が停泊していた。残念ながら乗船する時間はなかったので十石船の景だけを心に留める。

月桂冠大倉記念館では入館料を払うとお猪口が貰える。それで三種類のお酒が試飲できるという。館内を見学して試飲のコーナーへ。十種類の銘柄から三種類が試飲できる。お猪口三杯でもちょっといい気分になってしまった。“さかみず”というお酒を仕込む伏見の伏流水も試飲できる。井戸から汲み上げた水。この水がまたとても旨いのには驚いてしまった。

この日は初冬らしい寒さであったが、ほろ酔いで少し温まる。竜馬通り商店街を横目に次は寺田屋へ向かう。

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食いしん忘備録 うなぎ弁当

2023年11月17日 | slow gourmet

宇治橋通り商店街を歩いていたら、鰻丼弁当を積んだディスプレイが目に留まる。

「美味しそうだなあ。」まだ朝の開店したばかりだった。句会を終えた夕暮れにはもう売り切れているかもしれないと思い、家のお土産に二つ買った。

うなぎ丼とあって二つ切から三つ切、特上と三種類あった。二つでは少ないので三つ切れを買う。ここは「川魚専門店」とあった。きっと昔から宇治川で獲れた川魚などを商いしていたのだろう。店には沢山の鰻のかば焼きが並んでいた。なかなか見応えのある景である。

今は宇治川でも鰻が獲れるのでしょうが、量的にもその鰻で商売になるほどのことはないのだろうと思います。家に帰ってお連れと早速頂きました。手頃なお値段ながら柔らかくて美味しかったです。ごちそうさまでした。

◇川魚専門店 鮒栄  宇治市宇治妙楽160-12

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