陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

おおつごもりを祝ふ

2022年12月31日 | cocoro

大晦日(おおつごもり)を祝う。

新年は祝うものと決まっておりますが
でもよく考えてみると、この一年
何はともあれ息災に過ごせたことを
一年の最後に自祝してみても、と
そう思ったのでございます。

大晦日のこの日も穏やかに晴れました。
おおつごもりだと言うのに、風もなく
時間がゆっくりと流れるような
そんな良い日和でございました。

皆さんの今年一年は如何だったでしょうか?
当ブログをご愛読賜りありがとうございました。

それではどうぞ良いお年をお迎え下さい。

除夜の鐘聴いて息災肯(うべな)へる
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小晦日の黄昏

2022年12月30日 | slow life

今日は小晦日(こつもごり)。
あと一日で今年も終わります。

寒さも少し和らいで晴れ渡りました。
家の大掃除も一段落して散歩に出たら
冬夕焼が広がっていました。

今年も暮れるんだなと少し見入りました。
さあ、明日は大晦日です。
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ストーブの灯

2022年12月29日 | slow value

年末、神戸では少し寒さが緩んでいる
とは言っても寒くない訳ではない。

私は体温がやや低いので手足が冷える。
手足の先が冷たいと寒さが堪える。
若い頃は暑がりだったのに、いつしか
背を丸めるようになってしまった。
かといってエアコンでは乾燥して厄介なので
我が家は石油ストーブ派である。

かれこれ十五年以上前に買った日本船燈の
ランプ型石油ストーブを今も大事に使っている。
この間、沢田研二主演の映画「土を喰らう」
に我が家と同じストーブが映っていた。
何か嬉し。このストーブの一番の魅力は
何と言ってもホヤガラスから見える灯。
この焔を見ていると癒されるのだ。
心もあったまるのがいいのである。
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季題 八手の花

2022年12月28日 | nonoka

八手の花がひっそりと咲いています。
初冬に咲く庭木の花で、もう昭和の
面影そのままといった風情です。

どこの民家にもよく植えられていて
良く知っているけれど、さてそれは
どんな花と聞かれたら「はて?」と思う。
そんな地味な花でもあります。日陰でも
育つので庭隅に植えられることが多いとも。

人間社会にもこういうお方いますよね。
そしてこういうお方がいないと
組織や物事が廻らないと言ったことも。
大事な花です。

立つ人に因りて八ッ手の花もよし 虚子
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俳句我が 一年

2022年12月27日 | cocoro

今年一年、我が俳句を振り返る。
何といっても今年二月に我が師
稲畑汀子先生が帰天されたこと。
百歳までは生きて欲しかった。
それが無理ならせめてあと五年ばかりは
我らを見守って欲しかった。

俳句界は、特に伝統俳句界は
拡大発展していくのか、それとも
縮小均衡してゆくのか?俳句界を
厚い層で支えてきたコアメンバーが
高齢化して引退していく中で、拡大発展
させる術があるのだろうか?そのためには
どんな対策と実践が必要かつ必然なのか?

そんなことを思いつつも、私はふと
井上陽水の名曲「傘がない」を思う。
マクロ的課題がどうであれ、私には今日
彼女に逢いに行く傘がないのだという自己。
つまり大きな課題はわかるとしても
私の俳句はどうなのか?ということだ。
偉そうなことを言っても、お前の俳句には
力があるのか?愛があるのか?何より人の心を
共感させることのできる魅力があるのか?

或る若い俳人からメールが来た。
俳句を初めて一年少しで2000句作ったという。
一日5句で一年1825句だから素晴らしいと思う。
それだけ作っても、自分よりうまい句を作る
人がいることに打ちのめされたと言う。
自分はセンスがないと思い知らされたと言う。

こんな若年層がいることに意を強くした。
一時でもどっぷりとつかる人間は
いつかきっと芽を出すに違いない。

さて、今年の我が俳句の一年はどうだったか?
今年はかなりセーブした一年であった。
俳句大会などの応募も極端に減らした。

しかし俳句はある意味、消費の文学である。
よって消費し続けるとやはり消耗してくる。
というか枯渇してくると思う。これをどう
維持し続けるか?如何にアウフヘーベン
するか?が永遠の課題である。

そのためには愚直に歩み続けること。
それをこの一年の学びとすることにしよう。

数へ日や振り返ること期すること
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クリスマスツリー アットホーム

2022年12月25日 | slow life

列島に豪雪をもたらす寒波がやってきが
このクリスマスの二日間、こちらでは
やや寒波が緩んだ。24日は納め句座で
素敵な仲間たちと都会のクリスマス風景を
探して吟行した。そして25日は中央競馬の
有馬記念が行われたので、久しぶりに馬券を
買ってみた。そしたら何と的中。
ささやかなクリスマスプレゼントであった。

我が家のクリスマスツリー(写真)も
子どもたちが成人してからというもの
ほとんど飾り付けをしなくなってしまった。
以前はオーナメントを毎年買い足しては
楽しんでいたのだが。今年は出そうと
思っていたのだが、かまけている内に
ついに出しそびれてしまった。
やはり無いと寂しいしなんか夢がない。

来年からはやっぱりちゃんと飾ろう。
クリスマスツリーも押入れできっと
泣いているだろうから。

聖樹の灯囲みリボンを解く円居
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季題 サンタクロース

2022年12月24日 | slow haiku

クリスマスは勿論冬の季題である。
クリスマスツリーとかクリスマス・イブ
などクリスマスが付けばOKである。
ただ字数があるので聖夜とか聖樹とか
クリスマスケーキも聖菓なんて変換して
使うことが多い。ちょっとややこしいのは

サンタクロースと言う季題。
これは角川の歳時記ではしっかり季語として
登録されているのだが、ホトトギスの新歳時記
ではクリスマスの傍題として、太字では
記されていないのだ。ということは、まだ
ホトトギスでは季題として登録されていない?
また季語としてサンタクロースは「サンタ」と
省略してもいいのでしょうか?という問いも
受けたりすることがある。

歳時記というのは、いわば流派によって
季題であったりなかったりするのである。
ある先生は自身の歳時記に載ってないと
季題として認めないし、ある先生は角川にも
あればOKですよと言う。

私はサンタクロースはクリスマス以外では
使わない言葉であるから、クリスマスの傍題として
季題として使ってもいいと思っている。
基本、文学とは無限の開放だと思っているので
有季定型さえ守っていれば特にタブーは設けない。
あらゆる言葉に挑戦していっていいと思う。
要は佳い俳句か否か?ただそれだけだ。
佳い俳句だなと思えればいいのである。

さて、サンタさんは無事にフィンランドに
帰ったかな?そのうちサンタさんも
ドローンに乗ってくる日も来るか?
いやいや。やっぱりサンタさんはトナカイの
橇に乗って、空からやって来て欲しい。
夢の世界はまだまだレトロなのだ。
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神戸・元町 裏路地のスペインバル

2022年12月23日 | slow gourmet

W杯で日本がスペインに勝利した。
そのエポックを祝うと言う訳ではないが
神戸元町にあるスペインバルへ。

家人のバースデイディナーである。
パエリアが食べたいというリクエストと
あまり遠出はしたくないなということで
それに大丸百貨店にも近いので
デパ地下帰りというロケーションもあって
この店を予約した。初めて行く店だ。

年末とあってほとんどが予約のお客であった。
しかし客層はみんな若い人ばかりだ。
私らが来ていいんかな?っていう感じだが
別に騒ぐでもなし、ま、いいか。

飲み放題付のお手軽コースである。
プラス300円でホールケーキが付く。
ならバースデイケーキになるかな?
文字入れはどうしましょうか?と聞かれたが
ええ年して恥ずかしいので何も無しでと応える。

前菜から始まり、チキンサラダ
魚一匹の姿で出る魚料理、そして肉料理
肉は豚も牛も出るというたっぷりなコース。
最後にパエリアが出てホールケーキへと。
これでコーヒーが出たら最高なのだが
それは贅沢というもの。

 

飲み放題のメニュもビール、ワインから
各種カクテルまで種類が揃っていた。
そんなに飲む訳ではないが、やはりワイン
を目にすると意思が揺らぐ。
バンドペイクラスのワインではあるが
赤ワインをフルチョイスしてしまった。
セパージュは以下の通り。

・ノストラーダ テンプラニーニョ
・バロンフィリップ カベルネソーヴィニヨン
・パンゴリン シラーズ
・キャンティ ベリーニ
・マルキドボーラン メルロー

まあ、一杯がそれぞれワイングラス半分の量
ではあったが、それでもやや飲み過ぎかも。
カリフォルニアのジンファンデルでもあれば
もうアラウンドザワールドで最高なのだが笑

50位代までワインボトル1本は軽かったが
今はそんなことしたら、この時期なら
絶対に風邪をひくにきまってる。
そして一週間以上は棒に振る。歳を取れば
決して前後不覚な酔い方をしてはいけないのだ。

バースデイと言っても。楽しいとか嬉しいとか
という年齢はとっくに過ぎてしまった。
かといって、やはり特別な日には違いない。
ここまで生きてこられたことを感謝するという
気持ちが強いバースデイなのである。
これまで生きてきた歳月より、これから
生きる年月の方が圧倒的に短いのである。
だから感謝の気持ちのバースデイなのだ。

この歳になればもう野望も野心もない。ただ
好きな俳句を通して、素敵な仲間と、そして
新しい出会いに心を置く。
頼まれれば私にできることをするだけだ。
人生別れもあれば出会いもある。それでいい。
私の座右の銘のひとつ〝処に従い志を変えず〟

今日という日をこんな小箱のバルで祝う。
自分達らしくていいな。仕合せはささやかがよし。
神に感謝。ごちそうさまでした。



■KOBE 元町バル Charlie
神戸市中央区三宮町3-5-2 河原街ビル 1F




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食いしん忘備録 フィナベルの蜂蜜

2022年12月21日 | slow gourmet

フィナベルの蜂蜜を頂きました。

蜂蜜は我が家では料理やパンに果物
そしてチーズやヨーグルトやカナッペなど
結構使用頻度の高い食材です。

フィナベルはフランス・ブルゴーニュが発祥とか。
「美しい蜜蜂」の意味を持つようで、130年以上
の伝統のあるハチミツブランドということです。

話はちょっと脱線しますが、ブルゴーニュといえば
ボルドーと並ぶワインの一大産地です。
昔、撮影の仕事でフランスに行った折に、その地を
訪ねたことがありました。
グルノーブルでの撮影を無事終えて、レンタカーで
一路ブルゴーニュへ。コート・ド・ニュイ地区の
ヴォーヌ・ロマネ村を訪ねました。そこにはあの
ロマネコンティの畑がありました。興味津々。
十字架が建っていたその一画の蒲萄畑は
とても日当たりのよい丘でした。きっと水はけも
良いのでしょう。なるほどなあと思いました。

こんな一等地にロマネコンティの畑はあるんだ。
高いものは数百万円はするというロマネコンティ。
合点がいきました。しかしそれにしても
その畑の面積がたったこれだけという驚き!
この銘柄のブランド価値を感じさせるものがありました。

それからボーヌという街にあるワインマルシェへ。
カーブドバンの館でした。そこでワインの
テイスティングをしたりして楽しみました。
ディジョンのマスタードも買いました。まだまだ
バブルの余韻があった良き時代の良き思い出です。

さて、我が家の定番はルーマニア産のアカシア蜂蜜
だからフランス産のアカシアはちみつは楽しみ。
ブルゴーニュと来れば、今夜はピノ・ノワールを
合わせますかね。ごちそうさまです。

■Miel D'Acacia finabeil
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十二月の読書 旅ドロップ

2022年12月20日 | slow culture

37篇の旅のエッセイである。
一章一章が短いので読みやすい。
それに何よりエッセイという文章を書くため
とても勉強になる本である。
短い中でもぐっと読者を引き込む仕掛けがある。
起承転結だけではないサムシングがあるのが
いいエッセイである。
まさにドロップのように楽しめる旅エッセイ。

旅というものは行く前はわくわく楽しい。
でもいざ出かける段になって用意なんか
しているとだんだん面倒くさくなってくる。
それでも旅に出てしまえば楽しい。そして
旅を終えると、作者も言っているように
やっぱ家が一番いいなあなんて思ったりする。
たとえそれがどんなに楽しい旅であったとしても。

旅先でおいしいものや心地よいサービスや
そしてその土地の人情なんかに触れたりすると
旅の思い出はかなり強く補強される。

いろんな旅の思い出があるが、私は不思議と
旅の帰路という感傷が中でも一番好きである。

旅愁とは旅の帰りの鰯雲

■旅ドロップ 江國香織
小学館 2022年10月
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