神戸は二宮商店街。
この辺りは神戸の昔ながらの面影を残す街。
ここに泰南という中華料理屋がある。
今から遡ること約40年前。学生時代の頃の話。
当時、私は神戸のサーファーたちが集ってくる
北野・山本通りにあるパブでバイトをしていた。
店が撥ねてからマスター達と何回か行ったのが
この泰南だった。ここの餃子を目当てに。
その餃子を初めて食べたときの印象が強烈だった。
とても旨い餃子なのだが、これが半端じゃない位に
強烈にニンニクが効いているのである。
この餃子を食べて深夜に帰宅し、翌朝目覚めたら
家の空気がものすごく臭くて吐きそうになった。
家人からはもうぼろくそに言われる始末。
その懐かしい餃子がまだあるかなと思って
支社長と行ってみた。1階はカウンターだけ
数人座ればもう満席だ。ちょうど空いた。
店はおばちゃん(失礼)二人が切盛りしていた。
昔も女性が経営していたかは記憶はない。
懐かしの餃子を二人前注文した。楽しみだな。
さて強烈かなと思っていたが、昔ほどのニンニク量
ではないような気がした。それでも
支社長は効いてますよと言ったのだが…。
皮がもちっとして美味しい餃子であった。
味噌だれで食べるのも昔と変らない。
さて、明日の部屋の空気はどうだろうか?
と楽しみだったのだが、肩透かしであった。
翌朝、家人は誰も何も言わなかったのである。
厨房で料理をしている女将さんに40年前の
その時の餃子の想い出を話してみた。また
昔からこんな造りの店だったかなと尋ねた。
今の店は、阪神大震災後に建て替えたのだと。
鶏の唐揚も手羽先だがからっと揚って旨い。
ビールの次にハイボールを頼んだら、何と
缶の角ハイボールが出てきた。へえ。
これも庶民的でなかなかいいではないか。
超久しぶりのマイセンチメンタル餃子。
あれから歳月は流れて胃もだいぶ弱ったが
また来てみようと思う。
■泰南
神戸市中央区琴ノ緒町2-3-13