陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

うまいもの選 えび豆とごり山椒

2022年03月22日 | slow gourmet

二月の雪降る中、湖北に鮒寿しを食べに行った折
自家用とお土産用に、同系の向かいの店で
店で味わったえび豆とごり山椒を買った。

勿論、鮒寿しもあったのだがこれにした。
鮒寿しは想像していたより上品な食味でしたが
こういう普段食べつけてないものは、やはり
その土地のその環境で食べるのが一番美味しい。
だから、とても美味しかったからといって
お土産に買って帰ってもどうしても落差がある。
やはり日常の食卓ではその時の食味を中々再現できない。
まあこれはある意味当たり前だ。それがその店の
存在価値なのであるから。これはいつも旅に行って
美味しいものを食べて、それをお土産に
買って帰った時にいつも経験的に感じることである。
それに鮒寿しという食材は、ちょっと気軽に
お土産ですと言って、人さまに差上げるのには
正直少し逡巡してしまう食材でもある。

で、普段の食卓でも食べつけている種類のものを
お土産として買って帰ることが多い。
このえび豆とごり山椒はそのようなもの。
やはり普段の食卓にでも合う食品だから
店で味わったものと落差なくいただける。
つまり琵琶湖を見渡す環境と店の素晴らしい
設えと料理の技を目の前で味わえなくても
家の粗末な食卓で食べても、十分落差なく
味わうことができるのである。

美味しい琵琶湖の食材をいっぱい堪能したけれど
私はこのえび豆が一番印象深かった。
「おいおい、鮒寿しじゃないのか!?」

まあ安もんの舌しか持ち合わせてないので仕方無い。
食というものは、いくら金持ちになって、世界の
超一流の料理を味わっても、このえび豆のように
やはり郷土の味、おふくろの味の記憶からは
人は所詮逃れられないのかもしれない。
かつて三國清三さんが語ったことが印象深い。
「食は記憶である。」

■鮒寿し 魚治
滋賀県高島市マキノ町海津
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