陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

夜のウォーキング

2008年06月29日 | slow life

ときどき、無性に
酒と飯で膨らんだ体を消化したくて
ウォーキングに出かけたくなる。

携帯電話とタオル、そして
少しのお金をもって家を出る。

歩いて2分。本川の橋を渡れば
もうそこは平和記念公園である。
その木々が眠る夜の公園を
ぐるぐるぐるぐると周回する。

原爆ドームはライトアップされて
夜見る姿は少し不気味だ。
まるで時間を忘れたように
ドームの前でじっと凝視して
たたずむ人を見ることがある。

今宵はどこかの国の外人さんに
シャッターを押してくれと頼まれた。
若い男性二人のツーショット。
南米系のハンサムボーイだった。
こういうタイプに声を掛けられると
やや身構えてしまう。
フラッシュがなかったから
うまく撮れたかはわからない。
ipodみたいなカメラだった。
画面を確認してサンキューと言った。
よかったのだろう。
どういたしましてというのも何だから
グッドラックと言ってやった。

広島の都心は緑もあるし川もある。
お好み屋にラーメン屋、飲み屋
そして24時間スーパーと
いろんな店があって
ウォーキングしてても飽きない。

電車道沿いに
十日市まで脚を伸ばしたが
また平和記念公園へ戻ってくる。
元安川べりで
ギターの若い女性が
大きな澄んだ声で唄っていた。

その歌声と力強く弾かれた
ギターのコードを聴きながら
また歩く。歩く。どんどん歩く。

おい、脂肪よ。燃焼しているか?
コメント

愛しのボールパーク

2008年06月28日 | slow life

今年、二度目の観戦した。

観戦セットのお弁当を受け取り
球場内の売店でビールを券と交換し
球場独特の狭い三階席に陣取った。

おやっ!
弁当と共に
観戦証明書なるおまけをもらった。
家に帰って空けてみると、それは
折り畳の携帯ビニールバッグだった。

ぐっときたなあ。
なあ広島市民球場。
本当に市民みんなから
愛され続けてきたんだなあ。

原爆ドームの向かい
繁華街にあってほんとに便利。
会社帰りにふらっと外野で観戦
…なんて、まさしく
ボールパークの見本のようだ。
だから正直…移転は残念である。
地元経済活性化の起爆剤。
新球場建設は
広島経済界の悲願だろうが…。

(或る独白)

「今晩は暇だなあ。
居酒屋も飽きたし
そうだ。市民球場へ行こう!
会社から歩いて10分だ。
球場隣の百貨店で旨い肴と酒買って
外野でひとりゆっくり観戦しよう。
これじゃあ球場居酒屋かな?

おっと!
ホームランがよく飛んでくるから
気をつけないと。それに
ときどき画面に映るから
顔も気をつけないとね。

前に大阪ドームの阪神戦観に行って
その時、不覚にも
テレビにアップで映ってしまった。
翌日、会社のある制作マンが見ていて

『行ってたね。テレビ映ってたよ。
隣の子、可愛いかったね!…。』

と言われたことがあった。
僕の左席には我が子がいたのだが
隣の知らない若い女性が、僕に
メガホン貸してくれたので
揃いで応援してたのが誤解された。
こういうことも映像はこわいよ。
だから注意しないとね。

それにしても
ここは夕涼みでも最高だよなあ。」
コメント

負け組酒場

2008年06月26日 | slow works

“今晩あゝして
元気に語り合ってゐる人々も、
実は、元気ではないのです。
近代(いま)といふ今は尠(すくな)くも、
あんな具合な元気さで
ゐられる時代(とき)ではないのです。”

 ■中原中也 酒場にて より抜粋

桜が散ってから、我が社も
急速に業績が冷え込む。
経費削減、交際費なし
役員・幹部クラス給与カット。
明細みたら確かに減ってる(ーー;)

先行きの懐具合が寂しくなると
酒場通いもなんとなく湿っぽい。
なのに酒場に行って皆と飲むと
何故かハイテンション。

そんな元気さで
居られる時代ではないのです。

「中原さん、居られる時代は
いつ来るのでしょう?」

教えて下さいましまし…。

なんて考えて飲んでたら
また、酒場で黒霧を一本
入れてしまった…いけん、いけん。
コメント (2)

この秋のハンマースホイ

2008年06月24日 | slow culture

新聞を読んでたら
デンマークの画家
ハンマースホイ(1864-1916)展が
9月30日から東京で開催されると
報道されていた。

“見えない物をあぶり出し
見る者を置き去りにする”

センタースプレッドに掲げられた
ハンマースホイを紹介する特集の
大きな見出しに目が止まる。
その特集記事によると、生前には
欧州美術界で高い評価を受け
今、半世紀を越える沈黙から
甦っていると紹介されていた。

「背を向けた若い女性のいる室内」
という一枚の絵。
静謐で美しい絵だが、よく見ると
細部が摩訶不思議なのだそうな。
そう言われてみて気づくのだが。

こういう抑制の効いた絵は
なにか見る者をぞくぞくさせる。
画家自身も数奇な人だったようである。

これは私にとっては
絶対見逃せない“まる必”展覧会。

秋が楽しみ…。

(写真)ハンマースホイ
「背を向けた若い女性のいる室内」
1904年油彩 ラナス美術館蔵

※6/22付日経朝刊「美の美」より
コメント

就職戦線異状あり

2008年06月22日 | slow works

来春採用する学生の面接をした。
面接エントリーしてきた学生は六人。
貸会場を予約手配し、当日
本社から応援の社員が出張してきた。
支社からも私を含めて三人が
当日の仕事の段取りをつけて
面接の準備をしスタンバイした。

二人づつの複数面接開始。
最初の二人が無事終わる。

「なかなかいい出足だなあ。」

前途は明るい。
いい子が取れるかな?
なんて楽観的に思った矢先

「次の組の時間だよね?」
「遅いなあ…。」

会場に迷って遅れてるのかな?

“待てど暮らせど来ぬ人を
宵待ち草のやるせなき
今宵は月も出ぬそうな”

結局、二組目はNo show!
ついぞ現れず。
仕方なかよ。
では休憩して最後の組にかけよう。
最後の組の子は書類では期待値大。
実際にあって確かめよう!
面接官三人が共通した意見だった。

ん、ん、ん…!?

「えっ!嘘っ!嘘やろ?」

期待が不安に変わり、やがて
唖然、呆然、愕然と変化していくには
そう大した時間はかからなかった。

結局、とどのつまり
六人中面接に来た学生は二人のみ。
一人は当日辞退の連絡をくれた。
が、しかし…ひがし
残りの三人は、なんと
何の連絡もなく現れなかったのである。

「これが今の常識なんだろうか?」

正直、日本の今の学生に
暗澹たる気持ちを抱いてしまった。

その中には、難関を突破した
国立大学の学生が二人もいた。
今時
それとこれとは何の因果関係もない
と諭されそうだが…。
そのことも
私の暗澹たる気持ちをさらに補強した。

リクルートに携わる人間は

「そういうことにめげていたら
今時採用担当なんて勤まらないよ。」

就職戦線は今年も売り手市場だ。
そんな時勢だから
学生と企業の駆け引きもあるだろう。
でも、何かおかしくないか?
昔のことを言ってはなんだが、
断りの連絡を入れるのは
確かに気持ちは重いが
普通の人間社会の常識だったものだ。

最近の学生は
内定を幾つももらう者と
そうでない者の二極化が目立つという。
また内定をもらう者も、受けた分は
いくつでも内定を取りにいくという。
希望企業に内定をもらったので
もう活動を停止するという考えはなく
全てのカードを全部手に入れてから
じっくり選択するのだと言う。

そのために費やされる
世の中の労力と時間といった資源が
いったいどれほど無駄に
浪費されていることだろう。

自分中心で、そういう
要領のいい者が、もし
短期決戦でいくつも勝利する
と言うのが
今の就職戦線の現実だったら…

それでいいのか?また
はたしてそれは
そんな学生が悪いのか?
それを助長するような
採用をし続けた企業が悪いのか?

いったい日本の企業は
どういう人材を求め
じっくり育てていきたいというのか。
否、今の企業は短期決戦
そんな余裕はないのかもしれない。

私も自ら考え込んでしまっていた。

 ※写真はイメージです。
  本文とは全く関係ありません。
         (2007年撮影)
コメント

煮付けと晩酌でほろっと

2008年06月21日 | slow life

めばるの煮付け。
身がほろっととれる。
こういう身の魚は好きだ。

“ほろっと”と言う擬態はいい。
いい話にほろっとする。
ちょっとした好意にほろっと来る。
中年以降になると
“ほろっと”は一種のカタルシスだ。

そして、ほろっと酔う。
酒は最近の定番となった
広島は西条の酒 白牡丹。
まろやかで口当たりが良い。
昔は甘い酒なんて!
と辛口党だったが。
近頃は変わった。
酒も人も甘みがあった方がいい。
もちろん燗。
この頃は暑い夏でも燗だ。

“白牡丹 李白が顔に崩れけり”
             漱石

この白牡丹という酒
夏目漱石も愛した酒らしい。

めばるのほろっとした身で
ちびり、ちびり…。
ちびり、ちびり…。

これもほろっとくるね。
コメント

旅と温泉 道後湯情

2008年06月17日 | slow journey

日常から旅する。
居場所から旅する。
現実から旅する。

道後温泉 宝荘ホテル。
坂を上ってたどり着く。
窓からは暮れなずむ松山城。

道後は高級旅館も多く
高いイメージがあるが
探せば
ビジネスやファミリー向けの
手頃な料金で楽しめる宿もある。

坊っちゃんの道後温泉
といっても、夜はまだまだ
た○○ぼうの風情ちらほら
昔ながらの温泉宿の貌ものぞく。

とは言いながら
良きにつけ悪しきにつけ
人の快楽を弛緩させるのが温泉だ。

旅と温泉。
上げ膳据え膳にうまし酒。

いつの世も温泉は極楽。
極楽な温泉は
あの世ではなくこの世にあり。

道後の湯はさっぱりしていてよい。
泉質はアルカリ性単純泉。
日本人の肌に合うなめらかな湯。

温泉は大人のOFFのキーワード。
コメント

講堂の遥かな空

2008年06月15日 | cocoro

或る時代の小学校の校舎
一番上の階にあった
講堂から見えた空は
どこまでも続くかのように碧かった。
この狭く小さい空間から
あの空の向こうに飛び立ってみたい。
いったいあの空の下には
どんな世界があるんだろうか。
あの空の下は外国だろうか。
ここから鳥のように飛べないか。

小学校の講堂から
見え続けていた空がある。

壇上では先生が
とうとうと話し続けている。

コメント

貨車の数はいくつだ

2008年06月14日 | cocoro

四国・新居浜駅で
今治方面の列車待ちをしていた。
向かいの番線には
いろんな貨車が連結された
長い貨物列車が停車していた。
その貨車の列を見て、なんだか
嬉しい懐かしさがこみあげてきた。

小さい頃、と言っても
小学校低学年位かな、六甲の
当時有名だった開かずの踏み切り。
そのカンカンの下に陣取って
通過する列車を眺めるのが好きだった。
特に
特急つばめが颯爽と通り過ぎる様は
とてもかっこよくて好きだった。
しかし、当時の
わたくし少年は貨物列車も好きであった。
貨物列車が通ると決まって
最後まで貨車の数を数えていた。

「今日の貨物は長いぞ!」と…。

カンカンと鳴る踏み切り近くは
時々、特急列車から
垂れ流されてくる汚水が服にかかる。
これはたまらん。
時々やばいと思ったら離れて避けた。

それでも小さい頃の私は
列車を見るのが好きだったのである。

工都・新居浜…。
今景気がいいらしい。
住友が堅調なのだとか。
だからその駅に停車していた
貨物列車は長かったのか。
関係ないかもしれないが…。
コメント

小いわし漁解禁

2008年06月13日 | slow life

広島湾一帯で
小いわし漁が解禁になった。

小いわしとはカタクチイワシのこと。
これがまためっぽう旨いのだ。
私が広島に来て覚えた庶民の逸品だ。
早速、広島そごうへ行って
地下の鮮魚コーナーで買って帰る。
新物と大きなラベルが貼られていた。

何より新鮮だし
ほんのり甘みがあって食感もいい。

ちなみに刺身に適したのは
体長12~3センチが中心とか。
稚魚は音戸ちりめんになる。

「嗚呼!うまいなあ。」

焼酎のお湯割りとの相性は抜群だ。

小いわし君!
ちゃんと弔いするからね。
コメント