陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

四月の空 呉に想う

2007年04月30日 | cocoro

呉は長らくまだ見ぬ憧れの地であった。

小さい頃、神戸・中山手通りにあった
かつて母の実家だった叔父の家に
毎月連れられて行った。帰りの
不二家でのホットケーキ目当てだった。

当時高校生だった従兄弟がいた。
その兄ちゃんは船がとても好きで
神戸港に寄港した豪華客船の話を
写真を見せてくれながらよくしてくれた。
当時のロッテルダム号の船姿。
子供心にとても美しいと思った。
そんな従兄弟の影響を受けてか
いつしか自分も船乗りに憧れた。
その延長上にあった呉なのだ。

四月の或る晴れた日。
地元の酒造会社を訪ねた折
酒蔵の煙突の上に拡がる空…。

「やっと呉に来たんだなあ。」

その従兄弟は長じて鉄道員になった。
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或る日の夕暮れに

2007年04月29日 | cocoro

“自分にいまできることが
ほんの少しばかりだとわかっていても
でも そのほんの少しばかりが
少年の夢のように大きく
五十歳をすぎた僕のなかにある”
 ■黒田三郎「あす」より

「おとうさんの夢は何?」

と聞かれて戸惑ってしまった私を
ずっと考え続けている私が在る。
たしかに、夢は…
ほんの少しばかりのことだ。
人に言えるようなことではない。
しかし、たしかに…
大きく僕の中に在るのだ。

〔写真〕夕暮れのハーバーハイウェイ
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ペーソス浮薄 横丁シネマ

2007年04月28日 | cocoro

ここは駅前裏通り
夜のネオンの向こう側
シネマの灯りが誘う夕暮れ

館内には
時間を持てあました男たちが数人
映画はスクリーンに垂れていたが
その虚ろな眼たちは
何も観てはいない。
まるで己の人生を
投影することさえ
放棄したように。

ここは駅前裏通り
夜のネオンの向こう側
「おいで、おいで。」と
シネマの灯りが誘っている。
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春、のぼる頃

2007年04月26日 | slow life

4月26日、神戸の最高気温21.3℃。
4月に入って2回目の20℃突破。
桜は散ったが徐々に春は昇っている。

「しろくま君にとっては…?」

どうやら尋ねるに及ばずのよう。

 ■神戸・王子動物園にて
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三番町のサインに魅かれて

2007年04月23日 | slow life

春の盛りの夕暮れの
とある盛り場で見つけた
どこか懐かしいサイン。

「今夜はどれにしようかな?」
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宇和海 営業行脚

2007年04月17日 | slow works

「晴れていたら海の色はきれいです。」

部下の運転するレンタカーで宇和島へ。
念願の宇和島である。
関西では居酒屋のじゃこ天でしか
宇和島を意識したことはなかった。
恥かしい話、宇和島は島だと
ずっと思い込んでいた時期が長かった。

高速道路を降りて宇和海に近づく。
海を見下ろしながら
海岸沿いに迫る山道をくねくね走る。
かつて陸の孤島と言われた所以を知る。
山沿いの道を抜けると、今度は
海岸沿いの集落を湾沿いに巡る。
小さい頃、九州の親父の田舎で見た
懐かしい風景が車窓を通り過ぎていく。

「日本の漁村の原風景ですね。」

部下はうまいことを言う。

地方を巡る営業行脚。
こうして部下と二人で過ごす時間が長い。
都市部の営業では得られない濃密な時間だ。
仕事のことばかり話していても無粋である。
この部下、結構な歴史通である。
そこらのガイドよりいっぱしだ。
耳を傾けるのが楽しい。
この地は昔、伊達家が
遠く仙台からやって来たのだと言う。

「ふうん、仙台から?」
「きつかったでしょうね。」

「宇和島は真珠でも有名です。」

宇和島真珠というらしい。
だが今は
お株は伊勢の鳥羽の方だとか。

小一時間は海岸沿いを走っただろうか。
お目当ての会社にたどり着く。
最近鯛の養殖に力を入れている会社だ。
養殖のえさを売る会社だが、いつしか
その養殖魚を引き取るようになって
また養殖事業にも力を入れている。
宇和島は鯛やハマチの養殖でも有名だ。
最近魚の市況も良くなってきたと聞いた。
これは朗報だ。
ちょっといい気分になる。

帰りに魚市場に寄る。
ここの野良猫はみんな恰幅がいい。
水揚げされた美味しい魚のおこぼれに
ありついているのだろうなあ。
羨ましい…。こっちもどうせなら
宇和海の幸を存分に楽しみたいが
今夜は松山からのフェリーで帰らねばならぬ。
残念だが、宇和島の幸はまたの機会にしよう。

「どうか仕事が膨らみますように。」
と、心の中でつぶやきながら…。
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初食の徳島ラーメン

2007年04月10日 | slow gourmet

「う~ん!」

徳島ラーメンは知らなかった。
昼飯時部下に引率されて
お薦めの店“峰太郎”に入る。
屋台風な造りのラーメン屋さんだ。

店内にはラーメンの品書きに加えて
お米の産地と銘柄を記した紙が
ところ狭しとずらっと並んでいた。
大柄な大将がつくりおばちゃんが運ぶ。
ここらへんも家内工業的で庶民的。

色の濃いスープは見た目も味も
かなり濃厚な豚骨醤油系である。

またまた「う~ん。」

神戸でいつも食べるラーメンとは
ちょっと異質な濃厚感。

「ここのラーメンあの牛丼と同じで、
たまに無性に食べたくなるんです。」

体育会系がっちり体躯な部下の弁…。

「なるほどそうかもしれないなあ。」

しかしラーメンもさることながら
この店、ご飯がとても美味かった。
ラーメン屋のご飯なんて、今まで
期待すらしたこともなかったのだが
さすがに銘柄を壁に所狭しと
一杯張り紙しているだけあって
お米の味も炊き方も違っていた。

「このご飯、無茶うまいなあ~。」

ラーメン食べに来て
ご飯を誉めるのも何だが
大将の気概をびんびん感じた。
食材へのこだわりが半端でないのだろう。

帰りにここの特別調整オリジナルスパイス
缶入り600円をつい買ってしまった。
これもこだわりの一品らしい。

はて
徳島ラーメンは病みつきになるかな。

■屋台ラーメン 峰太郎
 徳島市南昭和町三丁目50ー2
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07今年の桜三景 番外篇

2007年04月10日 | cocoro

桜の季節に匂う女(ひと)

楽しそうに何処行くのかな?

“年年歳歳 花相似たり
 歳歳年年 人同じからず”

桜は毎年咲くけれど
人は変わり続け
同じ処に留まることはない。
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私も頑張ってます。

2007年04月09日 | slow life

「春は桜ばかりではないぞよ。」

日本の桜、英国の薔薇
なら阿蘭陀のチューリップも
元気に頑張ってます。

忘れないで…と言ってるように
咲いていました。

「貴女も美しいよ。」
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07今年の桜三景 触れたい桜

2007年04月08日 | slow life

群れるように匂う桜の精たち。

“いのち短し 恋せよ少女(おとめ)
朱(あか)き唇 あせぬ間に
熱き血潮の冷えぬ間に
明日の月日はないものを”

吉井勇作詞 ゴンドラの唄より

■神戸・王子動物園にて
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