陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

光のページェント in 広島

2007年11月25日 | slow life

私が働くオフィスは景色が美しい。
大きな街路樹が生い茂る道路。
まるでパリのシャンゼリゼ通りのようである。

今、広島ドリミネーション2007と称して
この通り一体がライトアップされて
光輝くおとぎの国が出現した。

神戸のルミナリエのように
まだごった返してはいないので
それぞれが思い思いに
この光のページェントを楽しんでいる。

私が見たもうひとつの広島である。
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秋の公民館講座

2007年11月24日 | slow culture

今年も大阪郊外の公民館で行われる
秋の講座に招かれた。毎年この時期に
招かれるようになってもう四年目だ。

不思議な縁で結ばれたこの講座を
毎秋とても楽しみにしている。

今回のテーマは
「脳力を鍛える楽しいシニアライフ」

いつもは10名前後の参加者なのだが
今年は30数名の応募があったとか?
「はてな?どうしてだろうか。
初回の脳神経の先生が評判なのかな?」
と思っていたが
担当の副館長さんがその先生の手前もあり
ここは流儀を敢えて曲げて、従来には無く
熱心に集客活動を行ったのだとおっしゃった。
ただし、いかんせん
老人会の皆様をオルグ?したので
若干年齢層は高いとのこと。

今回は企画テーマを受けて
「脳と対話、幸せ生活の処方箋」
と題して講座を行った。
かつて週末に訪問していた老人ホームでの
認知症高齢者との数百名に及ぶ対話経験から
対話の効用についてお話をした。
80代の方やご夫婦で聴講しておられる方もいた。
みんな熱心に聴いていただき恐縮であった。
なかには涙する方もおられた。きっと
ご自身の経験とだぶったのかもしれない。

久しぶりの講演だったので、やはり
気付かぬうちにかなり緊張していたのだろう。
終わってからしばし胃の痛みを覚えた。

この大阪郊外の街は文化の香りのする
私のお気に入りの都市のひとつである。
ここで一年に一度…変わらぬ交友を確認し
そしてこの世に生まれた者として
ただ集うのではなく何かを創造し発信し続ける…
そういう出会いをずっと大切にしていきたいと思う。

(写真)毎年眺める公民館近くの銀杏の木
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智頭急行 鳥取へ

2007年11月22日 | slow works

JR三ノ宮駅午前7時57分発
智頭急行スーパーはくとで鳥取へ。
その日は結構冷え込んでいた。
案の定山間部の山の頂は雪化粧だった。
毎度の事ながら山陰へ向かう特急は
案外込み合っている。新幹線にない
松本清張風世界が漂うところがいい。

鳥取駅前には商店街があった。
少し駅前あたりを歩いてみたが
シャッターが閉まったままの所もちらほら。
ご他聞にもれずやはり地方は厳しい。

これは今回の出張も手ぶらかなと思ったのだが
やはりわざわざ来てみると…ちゃんと
やるべき仕事が見つかるのでした。
特に特急列車の額面広告で見た所に
飛び込みセールスを敢行。
これが意外とヒットしたのである。

「広告の神様はそういう真面目な人間を
ちゃんと見ていてくれるのだぞ。」

と部下にはじっくり言い聞かせておこう。

教訓
手間を惜しんではいけない。
出張は楽しみながらも真面目にすべし。
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錦帯橋にて

2007年11月16日 | slow journey

11月半ばの或る日
葬儀のため岩国へ行く。
会社の同僚と私の二人が居合わせた。
同僚は新幹線の新岩国駅から、私は
在来線の南岩国駅からやってきた。

偶然にも葬儀会場は錦帯橋の近くであった。

「時間も何だしちょっと寄ってみようか?」

数十分歩いて錦帯橋にたどり着く。
橋の入場料は彼が出してくれた。
直属の部下のご母堂の葬儀ために
私がわざわざ来てくれたことへの謝意だった。
額ではなくその気遣いが気持ちよく伝わった。

平日とあって観光客はまばらである。
黒の背広を着た大の男が二人仲良く
橋を渡り周辺をしばし散歩した。

この同僚とは
ずっと同じように階段を登ってきた。
特段仲が良かったわけではない。
まさかこんな場面でこんな日を
こんな景色を共有するとは思わなかった。

紅葉にはまだ少し早いこの季節。
彼と歩いたこの橋の曲線を
私は案外忘れないかもしれない。
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11月の空 神様の落書き

2007年11月10日 | slow life

その年のその月の空を記録しておこう
デジタルアーカイブとして…
そう思ったのがこの空シリーズ。
でも抜けている月もある。
持続可能というのは言うが易し。
しかして実行は難しである。

これは11月8日の高松で見た空。
ちょうど本社からやってきた社員を
美味しい讃岐饂飩屋さんに連れて行って
店を出た直後に見上げた空の雲模様。

こんな雲はあまり見たことない…。

ちなみに彼らは饂飩をふた玉頼んだ。
かなりの量なのでしんどいよと思ったが
案の定おなかをさすってふうふう言った。
でも満足そうな顔だった。
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ローランサンの絵の謎とは

2007年11月09日 | slow culture

今、毎回楽しみにしている新聞記事がある。
日経文化面の“発見された技十選”だ。
これは絵画修復家の吉村絵美留さんが
連載している名画修復過程でみた
画家たちの数々の技巧を紹介している。
名画鑑賞において、また違った
視点での解説がとても興味をくすぐる。
斬新な切り口の企画だ。

今日は、マリー・ローランサン。
好きな画家のひとりである。

ローランサンの絵も吉村さんはすでに
百点くらい修復されているのだとか。
彼女の解説によると、ローランサンの絵には
肉眼では見えないがカンバスに
グレーの絵の具で下塗りがされているという。
この下塗りのグレーのおかげで
“ローランサンは自分の表現したい
淡く透明感のある色調”を表現できたのだそうだ。

あのパステル調の美しく愛らしい女性像は
そのような技の試行錯誤から誕生したのだ。

名画をこのような視点で見ると
また興味を掻き立てられて好奇心がうずく。
そういえば…
このごろ展覧会には行ってないなあ。

 ■11/9付日経 “発見された技十選”
  ローランサン
  「ヴァランティーヌ・テシエの肖像」
       吉村 絵美留 より抜粋
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映画館で観た夕日

2007年11月06日 | slow culture

久しぶりに映画を観に行く。
舞台は昭和三十四年の東京。
“ALWAYS 続・三丁目の夕日”

洋画の大作なんかでは、大概
続編にはがっかりさせられるのだが
この映画は
前作と同じ気持ちで観ることができた。
やはりアクションものや
一大スペクタクルもの等と違って
一話完結型ではないからだろうか?
ストーリーも前作の続きを踏襲し
イメージをそのまま引き継いでいるから
違和感を感じずに鑑賞することができた。

全編どこか懐かしい風景…。思わず
父母に抱かれているような気持ちになる。
つまり、この映画はとても心地よいのだ。
安心して最後まで観ることができる。

何より結末はハッピーエンドだし
子供を取り戻しに来る豪腕社長も
人情に付け入る詐欺師も
手塚理美扮するアンニュイな踊り子梅子も
集団就職で就いたコックを辞めてしまって
悪の片棒を担ぐ同級生武雄も
いわゆる悪びれキャラもすべて
どこか憎めない善人なのである。
心穏やかに安心して観ていられる
安堵と好感情の予定調和の世界が
全編に醸し出されているのだ。

我が人生、いろいろ苦労もあった。
辛い思いもした。けれど今思えば
こうした昔が懐かしい。振り返ってみると
自分の人生は人並に幸せだったのだ。
これでよいのだ…、と人生を
肯定的に感じたい人が観る映画なのである。

昭和三十年代の待並みを再現した
映像技術も素晴らしいし、また
人の視線ではないカメラアングルも入れたりと
なかなか飽きさせない仕掛けもいい。
この辺のレベルがしっかりしているから
しらけずにたっぷりと
この予定調和の世界に入っていけるようだ。

わたくし事だが新入社員時代
毎日営業に出されるのだが、仕事が無くて
朝の喫茶店でモーニングを食べながら
必ず読んだ週刊まんが雑誌があった。
そこで毎週楽しみにしていたのが
この西岸良平の「三丁目の夕日」だった。

懐かしいなあ。
喫茶店でサボったあの頃も
今は懐かしく肯定することにしませう。
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街の面白サイン 尾道紅茶

2007年11月04日 | slow culture

尾道で見つけた面白サイン。
尾道紅茶を見入る猫が二匹。
なんで尾道で紅茶?と思っていたら
この紅茶を販売している茶園さんによると

“坂道に古い洋館が残る港町尾道。
様々な西洋文化が昔から入ってきていた尾道で
当店はセイロン島(現スリランカ)より
紅茶を輸入販売していました”

…云々とあった。
なるほどそういうことだったのか。
でも尾道っていろんな顔があり
なかなか奥が深い街だなあ。
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学びの秋 広島

2007年11月03日 | slow life

毎朝平和記念公園を通る。
朝の公園には
頬かむりをした掃除のおばさん
どこかの僧侶、真面目そうな外人さん
そして公園で一夜をあかした
ホームレスの人たちや通勤人など
いろんな人が無尽に行き交う。
まさに人間交差点のようだ。

そしてこの季節になると俄然
生徒たちの姿が増え出した。
修学旅行や野外活動の季節なのである。

毎日毎日、一年365日の広島。
この平和記念公園にやって来る人は
決して絶えることはない。
雨の日も風の日も、雪の日も、
人類が生き続ける限り、きっと
未来永劫に続く光景だろう。

もう幾万人の人を私はここで見ただろう。
人間のパワーはすごい。
この地広島に来て初めて
戦争の悲しみ、そして
平和の尊さというものを
この眼と肌身で実感したのだ。

「百聞は一見にしかず。」

私はこうして、この公園を訪れる
沢山の無名の人をただ毎日見続けることで
それらを知らず知らずのうちに学んでいたのだ。
それは教科書や資料で教えられたのではなく…。

きっとこの子たちも、後年
あの時、自身の眼と肌身で学んだことを
どこかで実感することに気づくだろう。
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酒売ります

2007年11月02日 | slow life

新酒の季節である。
「さけ売ります」なんて看板を見ると
なんかウキウキしてしまう。

趣味と仕事、もとい仕事と趣味を兼ねて
広島は酒処東広島の西條へ向かった。
ここ西條は
昔ながらの酒造の町並みがとても美しい。
賀茂鶴に賀茂泉そして白牡丹に亀齢酒造。
木造のギシギシいう音がどこか郷愁を誘う。

日本酒はバブル以来ずっと低落傾向で
日本酒全体の市場規模は金額ベースで今や
麦酒会社1社の売上にも満たないのだそうだ。
日本酒党にとっては何か寂しい話だなあ。

賀茂鶴さんは全国的に知られた
ここ西條の有名なお酒である。
以前「カモヅル」とよんで
我が社のベテラン社員に諌められた。

「カモツルですよ。」
「濁っちゃいけんのです。」

う~む。なるほど。
それはそうだとしっかり納得。

日本酒に馴染んだことのない今の若者は
中年になってもやはり習慣がないから
きっと日本酒を飲まないのだろうなあ。
俺たちの学生時代、コンパといえば
ビールに日本酒、それから二次会は
パブでウィスキーと決まっていた。
あの頃の70年代…。
焼酎はあまりなじみがなかったのだ。
せいぜい「純」か「樹氷」だったような。
今は当たり前に晩酌で飲む焼酎だが
九州の叔父さんが焼酎好きだと聞いて
焼酎はそういう人の飲み物だと思っていた。

差しつ差されつ…。
こういうのが嫌だという御仁も多いが
気遣いながら酌み交わす関係はいいものだ。
特に別嬪さんとなら、なおいい…ね。
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