阿蘇の伏流水がこんこんと湧き出る熊本。
その清冽な水を湛える江津湖へと向う。
朽ち果てた破芭蕉の中に古びた虚子句碑が
苔むして立っていた。
“縦横に水の流れや芭蕉林“” 虚子
芭蕉とはバナナの木のような樹木のこと。
“江津湖は
熊本市街地でありながら1日約40万トンの
湧水が湧き出る全国でも有数の湿地です。
上江津湖・下江津湖水系は、平成13年10月に
環境省から希少種が生息する湖沼や湧水池の
一つとして「重要湿地」に選定されました。”
(熊本市HPより)
芭蕉林から上江津湖一体を散策する。
本当に澄んだ水だ。水の流れに藻が靡いている
ふと、遥か先で翡翠(カワセミ)が
湖上目掛けて刺さっていった。一閃の如く。
鳶が舞い天高し。その江津湖には初鴨が来ていた。
やっと出逢えた初鴨。やはり渡りの鴨は
野趣に溢れている。湖面を蹴って飛び立つその姿は
何とも壮大だ。翔ぶ速さが全然違う。
遥かシベリア辺りからやって来るのだから
当然といえば当然か?
野生は荒々しくも美しいのだ。
初鴨の一水蹴つて矢の如し