陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

囲炉裏端の渓谷料理

2010年03月31日 | slow gourmet

ゆったり温泉に浸った後の
上げ膳据え膳の食事は
旅館ならではの楽しみ。
特にご婦人方は
普段の家事から開放されての
食事は最高のようである。

最近は山の料理がいい。
勿論、魚好きの私は
海の料理も大好きなのだが
いかんせん、海の宿では
野菜ものがあまり出ないのが欠点。
魚貝ばかりではつまり気味になる。
その点、渓谷料理はバランスがいい。
川魚の刺身もあるし肉料理もある。
それに加えて山菜や根菜、蒟蒻など
バラエティに富んでいる。何より
おなかにいい素材が揃っている。
カロリー的にも低いし
とてもヘルシーなのがいいのだ。
若い者には物足らなさがあるが
食が細ってくる中年期以降には
こういう料理が性に合ってくる。

囲炉裏端の食事である。
いこった炭の周りには
鮎の塩焼きにでこまわしの串が。

この日の品書き。

食前酒 李酒
小鉢  桜豆腐
前八寸 季節物五品盛り
造り  山女魚のお造り あしらい色々
凌ぎ  そば米雑炊
多喜物 牡丹鍋
家喜物 あゆ塩焼き でこまわし
揚げ物 野菜天婦羅
    (こごみ、たらの芽、むかご、うど)
蒸し物 川鰻の養老蒸し亀甲餡かけ
椀物  祖谷蕎麦
飯物
香ノ物
水物  季節の果物
一品  阿波牛ステーキ

これだけの料理が
お腹にすっと入りました。
全て山の幸です。

■渓谷の隠れ宿 祖谷美人
徳島県三好市西祖谷山村善徳9-3
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奇岩遊覧 大歩危峡

2010年03月29日 | slow journey

大歩危峡遊覧船に乗船。
土讃線の特急に乗ったとき
いつも車窓から見えていた。
その大歩危峡の壮観な眺めを
いつか川側から眺めてみたい
と思っていた。やっと満願成就。

船は大歩危峡を往復約4キロ
それを30分ほどで遊覧する。
舟代は1050円也。
京都・亀岡の保津川下りのような
急流を下るというスリルはないが
両岸に切り立った奇岩を楽しむ遊覧だ。
岩が斜め45度に亀裂が入っている。
もう少し行けば、この角度が
逆向き45度に逆転するのだそうだ。
太古の自然変動が形成した地形美だ。

3月は山つつじが咲いていた。
やはり紅葉の季節がいいらしい。
わたし的には特急の車窓から垣間見る
大歩危峡の方が雄大な趣きを感じる。
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水の恵み 祖谷渓谷

2010年03月28日 | slow journey

徳島の旅…。

祖谷渓谷は祖谷川の下流に
約十キロに渡って続くV字渓谷。
その祖谷川は
標高1995m四国第二の剣山を水源に
大歩危峡を経て吉野川に注ぐ。

ここ徳島・祖谷は
日本三大秘境のひとつ。
ちなみに
日本三大秘境とは
白川郷(岐阜県大野郡)
祖谷(徳島県三好市)
椎葉村(宮崎県)
の三箇所だそうである。

しかし、一番の印象は
ここの水が無茶美味かったこと。
こんな美味しい水を飲んだのは
最近記憶にないほどだ。
この辺りは所謂、上水道はなく
この山の水を引いているのだそう。
水が美味い処は食べ物も美味い。
これも自然の恵みだなあ。

渓谷を見下ろす小便小僧が有名だ。
なんで小便をするのかわからん。
こんなに水が美味いというのに…。
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祖谷渓温泉 美人の宿

2010年03月27日 | slow journey

四国の秘境祖谷渓へ。
年に何回かは、無性に
温泉に浸りたくなる。
大歩危・小歩危を過ぎて
目指す温泉宿に着いた。

今回の宿、元々蕎麦屋だとか。
全室八室の小さな温泉宿だ。
蕎麦屋さんが経営しているから
まあこれは、今風に言えば
和風オーベルジュか?

して、旅籠の名は
“渓谷の隠れ宿 祖谷美人”。
ちょっと、泊るこちらが
気恥かしくなるような
仰々しいネーミングだが
まあそれはご愛嬌としよう。
ゆったり湯に浸って
ヘルシーな渓谷料理がいいと言う
やや年かさ増した人間には
なかなか使い勝手がいい宿である。
ここは、どちらかと言うと
親子二代揃ってなんていう
そういう家族使いがいい宿だと思う。
けれど案外若い客もいた。
最近の若いのも案外渋好みだな。

ここは元来が蕎麦屋さんだから
正統派旅館ではない。だから
その所作接辞は、朴訥で
ややぎこちない部分もあるが
これはこれでまたいい味。
田舎の人の素朴なもてなしだ。

何と言ってもいいのは
全室露天風呂付の部屋。
だから人気宿だが、運よく
週末に特別室だけが空いていた。
特別室は、二間続きで
特別室とは言っても、宿代は
一泊二食付きで、おひとり
約二万六千円ほどだから
有名な温泉地に比べたら遥かに手頃。
この特別室、二部屋あって
それぞれに露天風呂が付いていた。
一つは檜風呂、そして
炬燵のある部屋の方は陶器風呂。

それぞれの風呂からは
雄大な祖谷渓谷が眼前に拡がる。
やはり、日本人なら
何と言っても檜風呂。
木の温もり感じる優しい肌感に
すべらかな温泉が心地いい。
そして、ちろちろと湯の落ちる音。
湯気で曇る窓の向こうには
深山幽谷の水墨画のような世界。
深い谷を縫って流れる渓流ひとすじ。

駄洒落ではないが、まさに

「いや(祖谷)絶景かな、絶景かな。」

嗚呼!願わくは、このまま
時間が止まっていてくれまいか…。
ここで死んでも本望じゃ…なんて
まるで西行になったような夢心地。
贅沢とは時間を買うことである。
そんな時間がすぐそばにあった。

雄大な渓谷美に包まれて温泉三昧。
部屋付露天風呂の最大の魅力は
何と言ってもやはり好きな時間に
好きなだけ、ゆっくりと
そして、ゆったりと、存分に
他人を気にせず湯に浸かれること。
これこそ至極のひとときである。

この温泉、祖谷渓温泉と称す。
泉質はアルカリ性単純温泉
効能は神経痛、筋肉痛、腰痛、肩こり
冷え性、皮ふ炎、美肌等。

さて、温泉の後は、囲炉裏での
渓谷料理の数々…たまらんぞえ。

■宿泊記録
渓谷の隠れ宿 祖谷美人
徳島県三好市西祖谷山村善徳9-3
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渡るも怖い かずら橋

2010年03月25日 | slow journey

祖谷のかずら橋。
すいすいと渡る人も居れば
橋の側面をつかまりながら
恐る恐るやっとこさ渡る人も。

橋の床は「さな木」と呼ばれる
丸太や割木を荒く編んだだけ。
足がすっぽり嵌るほど目が粗い。
足を滑らせて斜めに倒れたら
側面から下の渓流へ
まっさかさまに落っこちそう。
真下の渓流を見たら足がすくむ。

高いヒールを履いて
何事もないように渡る若き女性。
して、わたくし。
高所恐怖症なもんで
掴まりながら、何とか
渡ることができました。
しかし心臓に悪い橋だなあ。
なかなか野趣溢れる景色だが
もう来んぞ。
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しあわせ昼ごはん 田舎のビジネス定食

2010年03月22日 | slow gourmet

路線バスで約一時間半少し。
安芸高田市吉田町へ向かう。
新しく土のうを発売した会社へ
新規訪問。社長に会うために。

正午をかなり過ぎた頃に
路線バス終点の停留所へ着く。
腹が減っていた。
このバス会社の営業所にいた
従業員の人に「この辺りで
お昼食べる処ありますか?」
と尋ねたら、すぐ近くの
和食屋さんを紹介してくれた。

引き戸を開けて入る。
白壁の古そうな建物だけあって
店内はとても広かった。
左手に掘りごたつの座敷が四つ。
そのずっと奥に寿しカウンターが。
大将らしき人がいた。
この店は割烹・寿し処だった。
昼時のお客は、座敷に。
地元のじいちゃんばあちゃんが。

有線から演歌が流れていた。
その演歌に被るように
ワイドショーの番組の音声が…。
新聞記事を紹介するコメンテーターの
饒舌な声が大きく聞こえていた。

奥さんがお茶を持ってきた。
愛想のよさそうな人だった。
品書きをつらつら眺める。
寿しとうどんの定食に並んで
ビジネス定食630円とあった。
珈琲付きとある。安いなあ。
ビジネスに来たのだから
ここはビジネス定食にしよう。
バスが一時間に1本しかない
このような処で、しかも寿司屋で
ビジネス定食があるとは…。

この日のビジネス定食は
白身魚のあんかけと奥さん。
やげてお膳が運ばれてきた。
白身魚に揚げ出し豆腐に
人参と玉ねぎが一杯のあんかけ。
これは旨い。野菜の旨味も違う。
しかもお腹一杯になりそうな量。
東京の大手町のビルや
大阪はキタの地下街で喰らう
ビジネス定食とは全然違う。
田舎の良心を感じるビジネス定食。

やがてお年寄りの客も帰っていき
客はわたし一人だけになった。
有線の演歌は、鶴岡正義の
愛惜のギターを流していた。
酒が飲みたくなるではないか。
いかん、いかんのいかんざき。

「ごちそうさん!」

大きな声で言った。
大きな声を出さないと
奥にいる奥さんには聞こえない。
「は~い。」
しばらくすると
「こちらで~す。」
勘定場は店の中ほどだった。
「広いけえ、わからんかった。」
と言ったら、奥さん笑っていた。

こういうふれあいも楽しい。
だからしあわせ昼ごはんなのだ。

■割烹・寿し
お食事処 西岩うずき
広島県安芸高田市吉田町吉田1846-7
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しあわせ昼ごはん あそこ食堂

2010年03月19日 | slow gourmet

鳴門市撫養(むや)へ。
午後二時をかなり回っていた。
ナビに従って来たものの
付近で少し探した。
食堂と言うよりめし屋の風情。

引き戸を開けると、初老の
おじさんがひとりいた。
たぶん主人だろう。
スポーツ新聞を読んでいた。
陳列のショーケースから
おかずを選った。
ブリの塩焼きに舌平目の煮付け。
太刀魚と胡瓜の酢の物、金時豆。
それに温かい豚汁を頼む。
大将がしじみ汁もあると言う。
ならそれももらうことにした。

舌平目の煮付けは
電子レンジで温めてもらった。
添えもんのネギ。これがまた
とても甘くてうまい。
舌平目も味付けがいい塩梅。
酢の物の味もいい。
しじみ汁はしじみで一杯だ。

ふと見ると、食堂のテレビは
鳴門競艇のオッズを映していた。
大将それでスポーツ新聞を見てたんだ。
気遣ってチャンネルを替えてくれたが
せっかくの週末の楽しみ。
悪いことをしたような…。
こんな時間に伺って。

時間はずれの昼ごはん。
大将が、石油ストーブの上で
焼いていた鳴門金時を
数本もたせてくれた。
お土産ももらって、いと嬉し!

■あそこ食堂
徳島県鳴門市撫養町南浜字東浜327
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驚嘆!名画のテーマパーク 

2010年03月14日 | slow culture

入館料3150円!
正直、ここに入館するかどうか
逡巡したのはまぎれもない事実だ。
美術館にそこまでは…と。
背中を押したのは、以前
高松の知人の旦那から
あそこは一見の価値がある
ということを、聞いた記憶が
頭の隅に残っていたからだ。

結論を先に言おう。
これは見て損はなかった。
三千いくらかの入館料を
投じる価値がある美術館である。
(ちと、おおげさか?)
ここ、美術館と言うよりは
わたし的に言えば、これは
正に偉大なるフェイクの殿堂。
大人がその知的好奇心を
十分満喫、堪能できる
名画の一大テーマパークである。

パンフレットには
“世界初の陶板名画美術館
原寸大で1,000余点”とある。
古代壁画から世界25ヶ国190余の
美術館が所蔵する現代絵画までを
関連企業の特殊技術によって
陶板に原寸大に複製して展示している。

名を大塚国際美術館と言う。
国際と名がついている。
まさにこれは国際的にも
珍しい美術館なのではないか?
正面玄関から長いエスカレータを
上り詰めたところがB3地下三階。
そこからB2、B1と展示階は続く。
どうしてここが地下階になるのか
立地構造に疎い私はわからんが
地形上そうなるのだろう。

まずは圧巻のシスティーナ礼拝堂
ミケランジェロの描いた天井画
そして壁画が我々を出迎えてくれる。
いやあ、これは壮観!現地に行かずして
その迫力を楽しめるのは
フェイクと言えども圧巻である。
しばし見とれてしまう。その他
壁画なんかもその洞窟の中まで
忠実に再現されている。
スクロヴェーニ礼拝堂。
青がとても美しい礼拝堂だ。
まるで天国にいるような錯覚。
フェルメールのあの少女や
レンブラントの夜警
そしてダビンチのモナリザも。
そう言えばフェルメールの
真珠の耳飾の少女が、また
日本にやって来るとか。
これは是非見ておかねば…。
好きなミレーの晩鐘もあった。
セザンヌにモネそしてゴッホも。
わくわく眺めているうちに
あっという間に三時間が過ぎてしまった。

大塚国際美術館はまさにユニーク。
何よりそのコンセプトと来館者を
楽しませるサービス精神がいい。
美術陶板というオンリーワンの
自社関連技術も基盤にある。

徳島の鳴門に、こんな驚きの
エンターテイメントがあるなんて。
鳴門は大橋にうずしお、そして
わかめだけではなかったのである。

なお、この美術館。
写真撮影はOKである。
ただしフラッシュはNG。
これもフェイク故?
それでもそのサービス精神がグッド。
おばちゃんたちが嬉しそうに
名画をバックに写真を撮っていた。
かくいうわたしも^_^;
だからテーマパークなのだ。
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春のうずしお 鳴門の旅

2010年03月13日 | slow journey

春の旅、四国へいざ参らん。
高速千円のドライブは初体験。

雨模様のためか道は空いている。
明石海峡大橋もすいすい。
快適走行で淡路島を縦断し
鳴門大橋を渡った。
橋を降りて遊覧船乗り場へ。

この日、潮見表では
満潮時間が午前九時五十分。
前後一時間半位が渦の見頃だとか。
ちょうど十時過ぎの船に乗れた。
乗客は案外若いアベックが多い。
すぐに渦潮スポットまで着く。

う~ん(^_^;)
これが鳴門のうずしおか?
巨大な渦を期待していたが
ちょっと肩透かしの感じ。
波の高い日だったので
綺麗な渦ができないのかなあ。
が、しかし、所々で渦が見えた。

「渦か荒波かようわからんね。」
「ほんまやなあ。」

それでも鳴門大橋を借景に
渦潮と乱舞するかもめたちに
別の観光大型帆船の雄姿と
春のうずしお、鳴門の景色は
なかなか絵になる風景でござった。

うずしおを 蹴散らす風に 春立ちぬ
               拙私有

お粗末です…。
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街の面白看板 提灯屋

2010年03月11日 | slow culture

提灯屋さんである。
提灯は看板。
つまり広告素材である。

結構毛だらけ提灯だらけ。

いいねえ。

小倉祇園太鼓
祭りの音が聞こえよろうが?
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