陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

椿咲く頃に思ったこと

2025年03月30日 | nonoka

椿があちこちで満開になってます。

俳句では結構人気があって詠まれる花ですが、どうも今、世間は桜の話題で持ち切り。あまり注目されることはないようです。

どのテレビでも桜の話題一色。視聴者の思いを代弁するというのがメディアの役割でもあります。とは言え地上波のどのチャンネルを廻しても、ワイドショーなんかでレポーターが嬉々として中継している様(これも大概上野恩賜公園)は、やはりオールドメディア感を感じないでもありません。

マスコミ(=オールドメディア)が第四の権力と言われた時代は、もう過去のものとなりつつあるのかなとふと思うときがあります。とは言え小生もジャーナリズム論やマクルーハンのメディア論などを学び、オールドメディアの世界を生業としてきた人間のひとり。偉そうには言えまい。

小生はSNSも一切やらないので、そういう意味では私のアイデンティティの立ち位置は、今も立派にオールドメディア側。つまりそう。取り残されてゆく側なのです。でもしかし。取り残されていく側だからこそ、風雅の道は見えると思っている人間でもあります。

私の好きな詩の一節をここに…

九龍のホテルのバーで ツアー仲間の日本人とスコッチを飲みながら 経済大国日本の黄昏 中国の夜明けなどを夜更けまで論じあった。もう暮れてしまったアメリカの パスポートを持つぼくの主張はただ「黄昏の方がきれいだ」というもの(アーサー・ビナード「香港 一九九五年より」)

椿は山で、藪で、寺社の境内、そして民家の庭先で閑かに咲いています。

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すみれの花咲く頃

2025年03月29日 | nonoka

民家の路地を抜けつつ、阪神御影駅へ向かって歩いていたら菫(スミレ)を見つけました。

苔も生えているような少しじめっとした民家の側溝の石の割れ目です。「へえ、こんな所にも菫って咲くのか」

菫のイメージと言えば、大方はやはりあの宝塚のあの歌ですね。

♪すみれの花咲く頃 はじめて君を知りぬ 君を想い日ごと夜ごと 悩みしあの日の頃 すみれの花咲く頃 今も心ふるう 忘れな君 われらの恋 すみれの花咲く頃…♬(すみれの花咲く頃)

甘酸っぱいような歌詞ですが、この歌があまりにも人口に膾炙したため、菫のイメージがこの歌によって定着したような感があります。

しかし、路傍で見つけた石の間から咲く菫は何とも逞しい。可憐ではあるが逞しい。まるで大和撫子そのものではないか。そこが人気の故かもしれない。

薬効もあって利尿作用や血圧降下の作用もあるとか。又食べられる野草の一つとして知られています。我々の生活になくてはならない花だったのですね。

菫はホトトギス新歳時記では春三月の候に載る季題となっています。街を歩けば案外見つかるかも。ぜひ探してみて下さい。

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沈丁の香に誘われて

2025年03月27日 | nonoka

ふと風に乗って来る香。少し歩くと民家の軒先に沈丁花が。思わず近寄って花に鼻を摺り寄せました笑

中国が原産の花です。丁字とも沈丁とも言います。庭木としてよく植えられています。夏の山梔子(クチナシ)の花、秋の木犀(モクセイ)の花と共に三大香木に数えられています。

沈丁の香はお香の原料となる「沈香」や「丁字」の香に例えられてその名が付いたようです。どことなく郷愁を誘う香でもありますね。遠い日のなんとかとか。

沈丁の香にひたりゐて過去は過去  上村占魚

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初花

2025年03月22日 | nonoka

陽光が眩しい。やっと春らしい日和になりました。

これから一気に春が訪れるのか、また少し揺れ戻しがあるのか。それは解りませんが「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通りの日和となっています。

近所の公園で桜が咲いていました。魁(さきがけ)て咲く種類の桜のようです。いつもひと足早く咲いています。私にとっては初花です。この日和で染井吉野の芽も一気に膨らんでいくことでしょう。

万蕾の膨らみ初めし春日かな

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辛夷の芽

2025年03月20日 | nonoka

公園の辛夷(コブシ)が芽吹いています。辛夷は春を告げる花。葉に先駆けて白い花をつけます。

千昌夫が歌った「北国の春」で歌われて有名になりました。だから辛夷という名前は大概の方は知っているでしょうが、さてどんな花なのかは知らない人がきっと多いことでしょう。木蓮に似ていますが木蓮より少し小振りです。

あちこちで木の芽が芽吹いています。明日から暖かくなるとの予報。一気に開花するのでしょうか。楽しみ。

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ミモザ咲く頃

2025年03月17日 | nonoka

ミモザの花があちこちで満開を迎えています。テレビでも取り上げられていました。

ミモザと言えばどこかヨーロッパの薫りがするのですが、原産はオーストラリアです。銀葉アカシアとも言います。南仏に多く香水の原料となります。やはりフレンチテーストな花ですね。

このミモザの樹はなかなか育てるのは難しいようです。根が浅いので風で倒れることも多いと聞きました。街を歩いていても「あれ、ここにミモザがあったのに」と思うこともしばしばです。

花舗で買って部屋に飾ると素敵ですが、散り頃になると厄介です。散るまでに片付けないと面倒ですね笑

花ミモザ遊んでくるる風を待つ

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山茱萸ひらく

2025年03月14日 | nonoka

毎年定点観測している公園の山茱萸(サンシュユ)が開花しておりました。

山茱萸は春を告げる花です。梅が咲き、そしてこの山茱萸の黄を見つけると漸く春が来るのだと実感します。

秋になると真っ赤な実を結びます。この果実は「赤珊瑚」と言うそうです。角川歳時記では秋の季語になってます。

山茱萸にけぶるや雨も黄となんぬ 水原秋櫻子

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梅ひらく

2025年02月22日 | nonoka

紅梅が見頃となっています。二月の中旬にはこちら神戸でも白梅がほつほつ、紅梅は固き蕾という状態だったのですが、ようやく梅も咲き揃ってきたという感じです。

奈良時代の花見と言えば梅でした。桜が一般的に注目を浴びるのはソメイヨシノが品種改良して出来た江戸時代以降でしょうか。

桜は花を梅は香を愛でると言いますが、風に乗ってくる梅の香というのは、「あ、春が来たんだ」と思わせてくれるものがあります。寒風にもめげずほつほつと開くところも日本人好みだと言えるでしょう。

眼白が蜜を啄みに里にやってきていますね。散歩していると街中でもよく見かけます。梅がひらき、いぬふぐりが地に宝石を鏤め、やがて山茱萸(さんしゅゆ)が花をつけ始めます。この時期は所謂、早春。だんだんと春になっていくのが楽しい季節です。

けふ一輪あす一輪の梅日和

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冬木の芽

2024年12月19日 | nonoka

夕べはよく冷え込みました。いよいよ冬帝の到来です。

今朝起きたら、六甲山がうっすらと雪化粧。おそらく今年の初雪だと思います。日が当りだすと雪もどんどん消えて行きました。それほどの量の積雪ではなかったようです。

桜紅葉もすっかり落葉(らくよう)しました。もう冬木の体です。しかし来春に備えてすでに冬芽が一杯ついてます。厳しい冬を養分を蓄えながら、来たるべき春を待つのでしょう。

我々人間もそうありたいですね。

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銀杏黄葉

2024年12月06日 | nonoka

銀杏黄葉(もみじ)が見頃となってます。銀杏黄葉はやはりこのスケール感ですね。

散り方もくるくると重量感を持って落ちてきます。御堂筋の黄落はすっかり初冬の景でしたが、最近はもう初冬ではなく冬の一景です。

落ちた銀杏の葉のことを“黄落”と言います。一面歩道が黄落に染まるのも叙情を誘う一景です。

会社勤めの頃、オフィスが御堂筋沿いにありました。今頃は樹々にブルーのイルミネーションが施されて、その景を眺めながら退社後、黄落の歩道を本町から梅田まで歩いて帰ったものです。ライトアップされた御堂筋の景は幻想的で、仕事モードから心を切り替えるのにはちょうどよい風景でした。込んでいる御堂筋線の地下鉄に乗るよりはその方がよほど精神衛生上良かったです。(ライトアップは2015年当時の御堂筋)

さて上段の写真は御影にあるとある天神さんの銀杏黄葉です。まだ七五三の幟が残っていました。こちらの銀杏はライトアップされないから夜は樹もゆっくりと休めるでしょう。

もみづれる天神さんの銀杏かな

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