陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

秋の三草 やっと開花

2024年10月28日 | nonoka

十月も下旬ですが、やっと秋の三草が咲いているのを見つけました。やはり曼珠沙華と同様、これらの花もかなり開花がずれています。

まずは水引の花。ホトトギス新歳時記では八月の候に載る秋の花です。9月でもちらほらという感じでしたが、今がたくさん紅色の小さな花をつけてます。金糸草とも言います。

次は赤のまんま。この花も八月の候に載っている花です。9月頃からずっと探していましたが、10月になってやっと咲いているのを見つけました。正式には犬蓼(いぬたで)の花と言います。昔は子らたちが飯事(ままごと)遊びにこの花を赤飯に見立てたそうです。だから赤まんまという名で呼ばれているのですね。

そして最後はほたる草。露草です。この花は九月の候に載っている秋の花ですが、こちらもやっと咲いている様を見つけました。月影に咲くというので月草とも。

これら三草とも草の花です。それでも雑草と言ってしまうほどではありません。秋は草の花々に風情があっていいですね。名草ばかりが花ではないと教えてくれます。

露草の吐息に結ぶひと雫

コメント

曼珠沙華。曼珠沙華

2024年10月17日 | nonoka

今年は曼珠沙華(マンジュシャゲ)の開花がとても遅かった。やはり今年の気候の所為だと言う。

彼岸花と言うように本来なら九月の秋分の日が見頃である。それが20日程開花が遅れている。確かに体感的にも、今が九月頃の気候という感じである。

曼珠沙華の句と言えば、森澄雄の“西國の畦曼珠沙華曼珠沙華”を一番に思い浮かべる。この句を記した句碑が姫路は書写山のロープウェイの麓の駅の公園に建立されている。その時期になると句碑の廻りを曼珠沙華が彩る。森澄雄は生まれが姫路の網干なので姫路ゆかりの俳人である。

“除夜の妻白鳥のごと湯浴みをり”、“ぼうたんの百のゆるるは湯のやうに”や億年のなかの今生実南天”などぞくっとするような句柄。好きである。

この様子なら今年も紅葉の見ごろも、師走に入ってからということになるのではないか?歳時記の季節感がどんどんずれていく昨今である。

これよりは落人の里曼珠沙華

コメント

季題 菌(きのこ)

2024年10月15日 | nonoka

菌(きのこ)はホトトギス新歳時記では秋・十月の候に載っている季題。茸(きのこ)とも、「たけ」とも言う。

こんな言葉聞いたことないけれど、羊肚菜(いくち)とも言う。茸山(たけやま)、茸飯(きのこめし)、茸番(きのこばん)などの傍題がある。

解説の冒頭には“大小美醜、いろいろな種類が多く有毒なものがかなりある…”とある。まあ街中で見かけるものはほとんどが毒茸であろう。

さて、秋雨が続いた後、公園の下草の中に茸の群生を見つけました。

これはGoogleレンズで調べてみると、どうやら「オオシロカサカサタケ(大白唐傘茸)」と言う名の菌のようです。地球温暖化の影響でこの所よく見られるらしい。強毒キノコとある。嘔吐、下痢、悪寒、血圧低下を招くとある。死に至った例はないらしいですが、クラバラ、クワバラ…。でもちょっと可愛ゆい。しばし眺めておりました。

菌の句と言えば、有名なのが高濱虚子の“爛爛(らんらん)と昼の星見え菌生え”という句。私も大好きな句のひとつです。なんかよう解らん句ですが、覚えやすくてなんか惹かれます。そしてとても記憶に残る句。虚子にはこのような正統客観写生を超えた句がときどきあります。ここが虚子の魅力でもあります。子規の句柄とは違う処ですね。

食べてみるかいと誘(いざな)ふ菌どち

コメント

季題 松手入

2024年10月12日 | nonoka

“松手入”は秋十月の候に載る季題です。要は松の剪定のことですね。

新葉が成長した十月頃にするのがベストのようです。樹形を鋏で整えた後に古葉を手で毟り取ります。庭木の中でも松の手入れは難しいらしく、庭師さんの腕の見せ所です。

芦屋にある俳句の先師の邸には立派な松があります。松手入も済んだようです。芦屋には沢山の松があります。中にはぐにゅっと曲がって道路にせり出している松も。これらも全部手入れされるのでしょうね。

松手入終へてととのふ街芦屋

コメント

木の実降る

2024年10月04日 | nonoka

暑い、暑いと言っている内にあれよあれよと10月になりました。それでいまだ残暑が続いています。この所の雨で少しは気温が下がって来ましたが湿度はまだまだ下がりません。

それでも秋は静かにやって来ています。公園の大樹の下草に木の実が降ってきました。ふと見上げると黄色い木の実が鈴なりに。ちょっと干からびたような形でしたが、これは楝(おうち)の実でしょうか。栴檀(せんだん)の実です。金鈴子(きんれいし)とも呼ばれます。

団栗も落ちていました。木の実が降ると森の豊かさを感じます。

しかしこの公園でも合歓の花が少し残っていました。今年はどこでも合歓の花がずっと咲いていたとの報告を結構聞きました。又曼珠沙華も今が盛りのようです。桜の帰り花も所によってはもう見られています。

やはり季節がだんだん暦とずれていっているのを感じざるを得ません。そのうち歳時記が全然合わなくなってくる時代が来るのでしょうか?

豊かなる黄金の色や金鈴子

コメント

走り萩

2024年09月02日 | nonoka

台風が去ったが、変わらず残暑がつづく毎日である。入道雲は相変わらずむくむくしている。

それでも天には秋の筋雲が。地には秋の花々が咲き綻びだした。

萩も小さな花をつけ始めていた。走り萩だ。もう少ししたら零れるように咲き揃うのだろう。

今年も短い秋になりそうだが、そんな秋の気配を見逃さないようにしたい。

コメント

三ノ宮のパンパスグラス

2024年07月28日 | nonoka

神戸・三宮の神戸朝日ホールの近くの三角地帯の一画の植込みにパンパスグラスが靡いています。この植込みの植栽が結構気に入ってます。

パンパスグラスは南米の乾いた草原地帯に生える多年生の芒(すすき)で、パンパスとは「パンパ(南米の草原)」の英語名とか。

草原ではなくてビルを借景にして靡くさまは、これもまた興趣をそそりますね。

コメント

青葡萄の棚

2024年07月24日 | nonoka

青葡萄の棚は見るからに涼しそうです。ひと粒挘ぐ。口にふふむ。酸っぱいです。

しかしこの猛暑で農家は結構な被害が出ているとか。自然を相手にする商売は天候異変や災害で大きな被害をこうむります。中には再起を諦めるという農家もあるとニュースでは言っていました。心が痛みます。

今年の秋の実りはどうなるのでしょうか?そもそも秋が来るのか?夏からいきなり冬になるような最近の異常気象。とても気になるところです。

コメント

百合ひらく

2024年07月17日 | nonoka

民家並ぶ路地に百合が花をつけておりました。これはカサブランカという種でしょうか?いつも見事な花をつけるのでこの時期楽しみにしている路地です。

百合は家で活けるとちょっと香が強いです。留守をして帰宅したときなんか、まず窓を開けて香を逃がさないとむっとするほどです。また散り初めには花粉が落ちるので厄介です。供花なんかは雄蕊を切って飾っていますね。

それでもとても見映えのする花です。派手な百合の姿も好きですが、わたし的には高原の斜面(なぞえ)に一花、すくっと立って風に揺れている百合が、なんか孤高を感じて好きです。

コメント

凌霄の夏

2024年07月12日 | nonoka

菩提寺の鉄柵に凌霄葛(のうぜんかずら)が花をつけています。

この花を見ると夏の盛りが来たなと感じさせてくれます。これからひと夏ずっと咲き続けることでしょう。

実際には散っては咲くを繰り返しているのですが、見た目には炎天にずっと咲き続けているように見えるのです。それがどこか哀憐を誘います。百日紅(さるすべり)も同じですね。

緋の色のようなものから橙のような色合いまで。いずれにしても太陽の申し子のような花です。ずっと咲き続けていても所詮ひと夏の経験…日盛りに炎のような花が散り敷いているさまもどこか無常を感じます。

太陽の色に近づく凌霄花

コメント