陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

梅ひらく

2025年02月22日 | nonoka

紅梅が見頃となっています。二月の中旬にはこちら神戸でも白梅がほつほつ、紅梅は固き蕾という状態だったのですが、ようやく梅も咲き揃ってきたという感じです。

奈良時代の花見と言えば梅でした。桜が一般的に注目を浴びるのはソメイヨシノが品種改良して出来た江戸時代以降でしょうか。

桜は花を梅は香を愛でると言いますが、風に乗ってくる梅の香というのは、「あ、春が来たんだ」と思わせてくれるものがあります。寒風にもめげずほつほつと開くところも日本人好みだと言えるでしょう。

眼白が蜜を啄みに里にやってきていますね。散歩していると街中でもよく見かけます。梅がひらき、いぬふぐりが地に宝石を鏤め、やがて山茱萸(さんしゅゆ)が花をつけ始めます。この時期は所謂、早春。だんだんと春になっていくのが楽しい季節です。

けふ一輪あす一輪の梅日和

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冬木の芽

2024年12月19日 | nonoka

夕べはよく冷え込みました。いよいよ冬帝の到来です。

今朝起きたら、六甲山がうっすらと雪化粧。おそらく今年の初雪だと思います。日が当りだすと雪もどんどん消えて行きました。それほどの量の積雪ではなかったようです。

桜紅葉もすっかり落葉(らくよう)しました。もう冬木の体です。しかし来春に備えてすでに冬芽が一杯ついてます。厳しい冬を養分を蓄えながら、来たるべき春を待つのでしょう。

我々人間もそうありたいですね。

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銀杏黄葉

2024年12月06日 | nonoka

銀杏黄葉(もみじ)が見頃となってます。銀杏黄葉はやはりこのスケール感ですね。

散り方もくるくると重量感を持って落ちてきます。御堂筋の黄落はすっかり初冬の景でしたが、最近はもう初冬ではなく冬の一景です。

落ちた銀杏の葉のことを“黄落”と言います。一面歩道が黄落に染まるのも叙情を誘う一景です。

会社勤めの頃、オフィスが御堂筋沿いにありました。今頃は樹々にブルーのイルミネーションが施されて、その景を眺めながら退社後、黄落の歩道を本町から梅田まで歩いて帰ったものです。ライトアップされた御堂筋の景は幻想的で、仕事モードから心を切り替えるのにはちょうどよい風景でした。込んでいる御堂筋線の地下鉄に乗るよりはその方がよほど精神衛生上良かったです。(ライトアップは2015年当時の御堂筋)

さて上段の写真は御影にあるとある天神さんの銀杏黄葉です。まだ七五三の幟が残っていました。こちらの銀杏はライトアップされないから夜は樹もゆっくりと休めるでしょう。

もみづれる天神さんの銀杏かな

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桜紅葉 色づく

2024年11月28日 | nonoka

街中の桜がようやく紅葉らしくなって来ました。写真の色づきよりも、今はもっと紅くなってます。

紅く染まったなと思ったら、憂いなくというような感じですっかり散っていきます。桜は花と同様、紅葉も散りぬべきときを知っているかのような散り際ですね。ここが日本人の心に桜がしっかりと根付いている所でしょう。

見逃してはならないことは、紅葉していてもしっかりと冬芽を宿していることです。植物たちは次の準備を怠らず、明日へ命を繋いでいくのですね。

世に出る然るべき時が、もしそういうチャンスが巡ってきたら、その時に慌てないように、又自信をもって対処できるように、普段から準備や学習は怠らずに居よ。

これは若い時に尊敬する先人から教えて頂いたことです。冬芽を見ていたらふとその言葉を思い出しました。若い時はあまりピンと来なかった言葉ですが、齢を重ねると至言だなあと痛感します。準備を怠るとそのツケは機会損失というロスになって現れます。チャンスの女神に後ろ髪はない。だから女神が来たら迷わず前髪をしっかり掴めという言葉もあります。但し女神に限ります。悪魔を掴んではいけません。

さて、桜の樹々も来週あたりにはもう裸木になってしまうのでしょうか。どうやらその時を冬将軍が伺っているようでございます。

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秋の三草 やっと開花

2024年10月28日 | nonoka

十月も下旬ですが、やっと秋の三草が咲いているのを見つけました。やはり曼珠沙華と同様、これらの花もかなり開花がずれています。

まずは水引の花。ホトトギス新歳時記では八月の候に載る秋の花です。9月でもちらほらという感じでしたが、今がたくさん紅色の小さな花をつけてます。金糸草とも言います。

次は赤のまんま。この花も八月の候に載っている花です。9月頃からずっと探していましたが、10月になってやっと咲いているのを見つけました。正式には犬蓼(いぬたで)の花と言います。昔は子らたちが飯事(ままごと)遊びにこの花を赤飯に見立てたそうです。だから赤まんまという名で呼ばれているのですね。

そして最後はほたる草。露草です。この花は九月の候に載っている秋の花ですが、こちらもやっと咲いている様を見つけました。月影に咲くというので月草とも。

これら三草とも草の花です。それでも雑草と言ってしまうほどではありません。秋は草の花々に風情があっていいですね。名草ばかりが花ではないと教えてくれます。

露草の吐息に結ぶひと雫

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曼珠沙華。曼珠沙華

2024年10月17日 | nonoka

今年は曼珠沙華(マンジュシャゲ)の開花がとても遅かった。やはり今年の気候の所為だと言う。

彼岸花と言うように本来なら九月の秋分の日が見頃である。それが20日程開花が遅れている。確かに体感的にも、今が九月頃の気候という感じである。

曼珠沙華の句と言えば、森澄雄の“西國の畦曼珠沙華曼珠沙華”を一番に思い浮かべる。この句を記した句碑が姫路は書写山のロープウェイの麓の駅の公園に建立されている。その時期になると句碑の廻りを曼珠沙華が彩る。森澄雄は生まれが姫路の網干なので姫路ゆかりの俳人である。

“除夜の妻白鳥のごと湯浴みをり”、“ぼうたんの百のゆるるは湯のやうに”や億年のなかの今生実南天”などぞくっとするような句柄。好きである。

この様子なら今年も紅葉の見ごろも、師走に入ってからということになるのではないか?歳時記の季節感がどんどんずれていく昨今である。

これよりは落人の里曼珠沙華

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季題 菌(きのこ)

2024年10月15日 | nonoka

菌(きのこ)はホトトギス新歳時記では秋・十月の候に載っている季題。茸(きのこ)とも、「たけ」とも言う。

こんな言葉聞いたことないけれど、羊肚菜(いくち)とも言う。茸山(たけやま)、茸飯(きのこめし)、茸番(きのこばん)などの傍題がある。

解説の冒頭には“大小美醜、いろいろな種類が多く有毒なものがかなりある…”とある。まあ街中で見かけるものはほとんどが毒茸であろう。

さて、秋雨が続いた後、公園の下草の中に茸の群生を見つけました。

これはGoogleレンズで調べてみると、どうやら「オオシロカサカサタケ(大白唐傘茸)」と言う名の菌のようです。地球温暖化の影響でこの所よく見られるらしい。強毒キノコとある。嘔吐、下痢、悪寒、血圧低下を招くとある。死に至った例はないらしいですが、クラバラ、クワバラ…。でもちょっと可愛ゆい。しばし眺めておりました。

菌の句と言えば、有名なのが高濱虚子の“爛爛(らんらん)と昼の星見え菌生え”という句。私も大好きな句のひとつです。なんかよう解らん句ですが、覚えやすくてなんか惹かれます。そしてとても記憶に残る句。虚子にはこのような正統客観写生を超えた句がときどきあります。ここが虚子の魅力でもあります。子規の句柄とは違う処ですね。

食べてみるかいと誘(いざな)ふ菌どち

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季題 松手入

2024年10月12日 | nonoka

“松手入”は秋十月の候に載る季題です。要は松の剪定のことですね。

新葉が成長した十月頃にするのがベストのようです。樹形を鋏で整えた後に古葉を手で毟り取ります。庭木の中でも松の手入れは難しいらしく、庭師さんの腕の見せ所です。

芦屋にある俳句の先師の邸には立派な松があります。松手入も済んだようです。芦屋には沢山の松があります。中にはぐにゅっと曲がって道路にせり出している松も。これらも全部手入れされるのでしょうね。

松手入終へてととのふ街芦屋

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木の実降る

2024年10月04日 | nonoka

暑い、暑いと言っている内にあれよあれよと10月になりました。それでいまだ残暑が続いています。この所の雨で少しは気温が下がって来ましたが湿度はまだまだ下がりません。

それでも秋は静かにやって来ています。公園の大樹の下草に木の実が降ってきました。ふと見上げると黄色い木の実が鈴なりに。ちょっと干からびたような形でしたが、これは楝(おうち)の実でしょうか。栴檀(せんだん)の実です。金鈴子(きんれいし)とも呼ばれます。

団栗も落ちていました。木の実が降ると森の豊かさを感じます。

しかしこの公園でも合歓の花が少し残っていました。今年はどこでも合歓の花がずっと咲いていたとの報告を結構聞きました。又曼珠沙華も今が盛りのようです。桜の帰り花も所によってはもう見られています。

やはり季節がだんだん暦とずれていっているのを感じざるを得ません。そのうち歳時記が全然合わなくなってくる時代が来るのでしょうか?

豊かなる黄金の色や金鈴子

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走り萩

2024年09月02日 | nonoka

台風が去ったが、変わらず残暑がつづく毎日である。入道雲は相変わらずむくむくしている。

それでも天には秋の筋雲が。地には秋の花々が咲き綻びだした。

萩も小さな花をつけ始めていた。走り萩だ。もう少ししたら零れるように咲き揃うのだろう。

今年も短い秋になりそうだが、そんな秋の気配を見逃さないようにしたい。

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