陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

百合ひらく

2024年07月17日 | nonoka

民家並ぶ路地に百合が花をつけておりました。これはカサブランカという種でしょうか?いつも見事な花をつけるのでこの時期楽しみにしている路地です。

百合は家で活けるとちょっと香が強いです。留守をして帰宅したときなんか、まず窓を開けて香を逃がさないとむっとするほどです。また散り初めには花粉が落ちるので厄介です。供花なんかは雄蕊を切って飾っていますね。

それでもとても見映えのする花です。派手な百合の姿も好きですが、わたし的には高原の斜面(なぞえ)に一花、すくっと立って風に揺れている百合が、なんか孤高を感じて好きです。

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季題 海の日

2024年07月15日 | slow life

7月15日は海の日で祝日です。昭和十六年に制定された7月20日の「海の記念日」が、平成八年より「海の日」という国民の祝日になりました。平成十五年にはハッピーマンデー制度により、七月第三月曜日となったとあります。

日本は四方海に囲まれた島国。にっぽん人にとって海は母そのものですね。

私は小さい頃は毎夏、九州の里に帰省してずっと海で遊んでいました。素潜りしたり手漕ぎ舟に乗って栄螺(サザエ)や海胆(ウニ)を突いたり、舟からヤマと言われる糸を垂らしてメバルなどを釣ったり。

またある時は、ハマチの養殖の生け簀に漁師が餌をやりに来る時、その餌のお零れを狙ってやって来る天然のハマチを銛で突いたり。一日中と言っていいほど海で遊んでおりました。おかげで歯と白目と海水パンツの下以外は全身真っ黒に日焼けしておりました。

だから海を見るととても郷愁を覚えます。対岸の岬の景など今でもはっきりと眼裏に浮かびます。今年は曇り空でしたが、そんなこんなの感慨を覚える海の日でした。

海の日やひねもす海と遊びし日

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食いしん忘備録 青天の霹靂

2024年07月14日 | slow gourmet

お米を頂きました。「青天の霹靂」という名のお米です。青森県原産です。

このお米は“青森からの手紙”なのだそうです。青森米本部のHPから引用すると、“「青天の霹靂」は、誰もが驚くような旨さを目指して誕生したお米。青森の実力のすべてがつまっています。青森の深い森の、水の、土の、そして人の力。”とありました。

そして、「青」は青森の青、「天」は遥かに広がる北の空。「霹靂」は稲妻。稲に寄りそい、米を実らせます。なるほど…。ちゃんと命名の由来があるのですね。なんかあと理屈のような気もするけど…笑 

雷というのは稲にとってはとても大切な存在らしいです。さながら妻のような存在。だから雷のことを「稲妻」というようです。昔は雷が多いと豊作になると言われたそうです。稲の花が咲く頃、雷が多いということと関係しているのでしょう。科学的に根拠があるのかどうかは知りません。なんか雷によって大気のイオンが変わるとか、そんな科学的エビデンスがあったら面白いなあとは思いますが。

まだ食してはおりませんが、しっかり味わってみたいと思います。食味は青天の霹靂となるかな?これは楽しみです。やはりお米は大事です。

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老いる世界とにっぽん

2024年07月13日 | tete a tete

「老いる世界 人口減早まる」との見出しが新聞に掲載されていた。

国連が発表した2024年度版の「世界の人口推計」では、世界の人口が2080年代に約103億人のピークに達した後、減少に転じるのだという。2070年代の後半では高齢者の人口が子供を上回る見通しと。

日本の人口は2024年で1億2000万人であり、これは世界12位の水準である。今から76年後の2100年には7700万人、世界では32位に後退するそうだ。これは国連の推計だが、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計では2100年には6300万人。国連の推計よりも1400万人も低い。ちなみに日本は2005年に戦後初めて人口が減少。2007年以降は出生より死亡が上回り自然減が定着しているのだそうだ。

世界で見ると、2100年の1位は今と同じインドで15億500万人。2024年14億5100万人より増えている。2位は2024年と同じ中国なのだが、驚くことに2024年、14億1900万人→2100年、6億3300万人と、中国は怖ろしいほどの人口減少である。アメリカはパキスタン、ナイジェリア、コンゴに抜かれて現状3位から6位に後退している。但し米国は人口が増えている。

こんな数字を見せられては、日本経済の衰退も年金や医療の問題も考えると恐ろしい。所属する俳句界も然りである。かつて若い人がいない国や社会、組織でも、栄えた例というのはあったのだろうか?2100年までは私は生きていないとは言え、後の世代のことを考えると何か暗澹たる気持ちになる。そんな記事であった。明るい未来図は描けるのか?

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凌霄の夏

2024年07月12日 | nonoka

菩提寺の鉄柵に凌霄葛(のうぜんかずら)が花をつけています。

この花を見ると夏の盛りが来たなと感じさせてくれます。これからひと夏ずっと咲き続けることでしょう。

実際には散っては咲くを繰り返しているのですが、見た目には炎天にずっと咲き続けているように見えるのです。それがどこか哀憐を誘います。百日紅(さるすべり)も同じですね。

緋の色のようなものから橙のような色合いまで。いずれにしても太陽の申し子のような花です。ずっと咲き続けていても所詮ひと夏の経験…日盛りに炎のような花が散り敷いているさまもどこか無常を感じます。

太陽の色に近づく凌霄花

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梅雨の今昔

2024年07月11日 | tete a tete

猛暑が続いています。もう梅雨が明けているのかなと思うほどでしたが、また梅雨空が戻ってきました。雷を伴った雨も。

出雲では豪雨による土砂崩れで道路が陥落。間一髪でタクシーが落ちずに助かったというニュースが。ニュース映像を見たとき、思わずあの阪神大震災の光景を思い出しました。陥落した阪神高速にかろうじて留まったあのバスの姿です。とにかく無事で良かった。

線状降水帯というものの仕業なのですが、なんか「線状降水帯」という気象用語ではあまりピンときませんね。やはり昔から言う「大出水」というような言葉の方が、感覚的には何か怖ろしさがしっかり伝わってくるような気がします。

今年はしとしとと降り続くといった梅雨ではありません。地球温暖化という気象の変化でそんな梅雨はもうないのかも。そういう意味では詩的に感じる梅雨の景というのは、もうひと昔前の光景になってしまったのでしょうか?今は梅雨イコール災害というような梅雨のイメージになってしまった。昔のように傘さして長靴履いて、雨蛙と遊ぶなんて云う光景はもう歳時記の中の世界になってしまうのかな?

詩や童謡になるような梅雨の景が見られなくなるのは何か寂しいですね。

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季題 冷酒

2024年07月10日 | slow culture

冷酒(ひやざけ)は夏の季題です。涼しそうな切子のグラスで呑むのがいいですね。

ちなみに「焼酎」も「甘酒」も実は夏の季題なのです。これは案外意外かもしれません。焼酎は暑気払いとして用いられると歳時記にあります。故に夏の季題となっているのでしょうか?

甘酒は一夜のうちに熟するので「一夜酒」とも言います。古くは真鍮(しんちゅう)の甘酒釜をすえた荷箱を担って市中を売り歩く「甘酒売」が見られたとあります。

歳時記を読んでいると、昔からの日本の四季の行事や風習が垣間見られて楽しいです。お薦めします。

かんがへて飮みはじめたる一合の二合の酒の夏のゆふぐれ 牧水

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神戸の北京料理

2024年07月03日 | slow gourmet

身内の祝い事をすることになり神戸・第一楼へ。

このお店は小さい頃から馴染みである。およそ神戸っ子にとっては、何かハレの行事があるとよく利用する北京料理の老舗だ。

小さい頃の思い出としては食べきれないほどの料理が出て来ること。前菜で出て来る伊勢エビは美味しかったけれど、ピータンというらしい黒い卵は苦くて、こんなものどこが美味しいのか不思議だったこと。鯉の飴炊きという大きな魚が出て来ること。そしてデザートに大きな中華プリンがどんと出て来ること。それがとても好きだったこと。エトセトラ…。

今回の個室は畳敷きの和室であった。和室は初めてである。こんな部屋もあったんですな。第一楼と言えば天井の高い個室でカーテンを開けて、給仕がどんどん料理を運んでくるというイメージであった。やはり和室もお客さんによっては喜ばれるのであろう。

最近は、料理は品によっては取り分けられて給仕される。以前のようにどんどん大皿で出てきて、もう食べきれないということはなくなったようだ。量も昔に比べて少なくなったかなという感じ。物価高や昨今の食のスタイルの変化も影響しているのだろう。小さい頃はどんどん大皿で料理がこれでもかという位出てきて、余ったら折詰にするというような記憶。これはもう古い食のスタイルであるかもしれない。

でも食のスタイルが変わったとはいえ、ここの北京料理はやはり美味しいと思う。三つ子の魂百まで…かな? ごちそうさまでした。

◇第一楼 神戸市中央区江戸町94番地

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梅雨深む

2024年07月02日 | slow life

今年の梅雨の異変をテレビのワイドショーが伝えていた。九州は大雨が続き関東の気温が高い。日本周辺の海水温が高いのが大きな要因とか。

過去の夏のパターンが逆転しているようだ。毎夏、関西は祇園祭や天神祭をピークに蒸し暑い日が続く。それに比べて東京は涼しいというのが例年の相場だった。東京や北海道などから関西へ初めて転勤してきたような者は、関西の蒸し暑さに体が順応しなくてへばる。という洗礼を受けるものであった。

ここ数日、関西もずっと梅雨の天気が続いている。少々鬱陶しいけれど、梅雨も日本の美しい四季を彩るひとつであり、無くてはならないものだ。万物を育む梅雨。時に怖ろしい被害をもたらすけれど緑も美しい季節である。

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山梔子の香

2024年07月01日 | nonoka

七月を迎えました。十薬の花も盛りが過ぎ、いよいよ梅雨も深まってきました。

その頃になると町の植込みや垣に山梔子(くちなし)が花をつけます。花弁は厚ぼったいような艶のある真白です。沈丁ほど辺りに香を漂わせるというほどではありませんが、それでも花に顔を近付けると甘い香が鼻を突きます。何とも言えないいい匂い。まるで媚薬を嗅いでいるようなそんな香です。

花が錆色に朽ちてもまだ香ります。むしろ香りも円熟味を増すような。

錆びてなほ山梔子の香を失はず

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