秋の雨そぼ降る京都。
祇園から清水へと歩く。
“今宵会う人みな美しき”
歌人与謝野晶子はこう詠ったが
昨今の京都は
中国人の観光客がやけに多い。
高度成長の国の勢いは違うなあ。
帰路、三条大橋から寺町通りへ。
鳩居堂で葉書と匂い袋を買う。
それからとり市老舗へ。
ここ、秋にはいつも松茸が並ぶ。
店頭を見るのが楽しみだった。
店頭のかごに並ぶ松茸は何せ
うん万円の値札がつく代物なのだ。
その値札にまず驚嘆してしまう。
しかし、今の季節は
もう松茸は終わり、代わりに
千枚漬が並んでいた。私は
千枚漬は村上重のが好みなのだが
お連れは村上重のダシの効いた
ねばねばがどうも苦手らしい。
試食して気に入ったようで
とり市老舗の千枚漬を買う。
それから三嶋亭でお肉を買って
年に一度のすき焼きを食いに
寺町四条のキムラへ向かった。
二階の座敷で食らうすき焼きは
昭和の雰囲気が漂っていい。
昔の牛鍋屋さんのような感じ。
このレトロさは京都ならではだ。
ここのすき焼きは庶民派だが
何故かうまい。三千円の
ロースのコースがおすすめ。
ご飯が二百円。ビール大瓶七百円。
とても明朗会計なすき焼屋である。
きれいなもん見て好きなもん買うて
美味しいもん食べて。
阪急電車乗って。神戸に帰りました。
はなまるな一日でした。おわり。