陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

My Screen 国境ナイトクルージング

2024年11月04日 | slow culture

シネ・リーブル神戸にて再び映画を観る。「国境ナイトクルージング」という中国・シンガポール合作映画だ。

宣伝のリード・コピーにはこう書かれている。「中国と朝鮮半島の国境に位置する街・延吉を舞台に、偶然出会った男女3人が街をクルーズ(ぶらぶらと観光)するなかで起こる心情の変化を、繊細な映像美と抒情的音楽でつづった青春映画」と。

主人公のひとり、女性のナナはツアーガイドだが、実は過去は五輪を目指した輝かしい経歴のあるフィギアスケーターだ。ちょっと愁いのある男性のハオフォンはどうやら上海の金融機関に勤めるエリートサラリーマンらしい。母へのトラウマでどうやら心を病んでいる。ナナの男友達のシャオは観光客相手のお店で働く料理人のようだ。

それぞれの心模様をそれとなく感じさせつつ国境の街を彷徨う三人。キャッチコピーは「全部、終わらせたいと思ったことは?」

この映画に興味を惹かれたのは、北朝鮮と中国の国境の街という風景に興味を持ったからである。いったいどんな街なのだろう。辺境とか国境という言葉にはどこかそそられるものがある。

こういう心の機微を軸に展開する映画は好きな人間は好きだが、一方、勧善懲悪、エンディングは恋人とキスをしてハッピーエンド。という大スペクタクル、ハリウッド映画こそ映画だという人もいる。どちらかというと比重的には私は前者に属するのだが、後者の映画も大変好きである。つまり映画ならなんでも好きなのだ。(但しホラーは絶対駄目!)要はスクリーンに魂を奪われるあの闇が好きなのかもしれない。

◇国境ナイトクルージング 2023年 中国・シンガポール合作 100分

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My Screen リトル・ダンサー

2024年11月02日 | slow culture

芸術の秋である。なのにしばらく映画館に行っていない。映画館のあの雰囲気が子どもの頃から好きなので、しばらく行かないと渇望感が出て来る。

場内が暗くなって劇場用CMが流れる。しかし最近は劇場用CMを全然見かけない。以前は若者を意識したデビアスのエンゲージリングのCMなど定番があった。サンライズ社というところが劇場用CMの代理店をやってたと思う。仕事で何回か手配したことがある。若い層にピンポイントで訴求するには劇場用CMはコスパが良かったのである。劇場用CMもネットでの動画CMに移行したのであろう。この劇場CMの世界も仕事がなくなったということなのだなあと思えば少し切ない。

CMの後は近日上映の予告が数編続く。それから禁止事項の各種ウォーニングが流れて、映倫の告知。そしていよいよ本編だ。この一連の流れが好きである。この雰囲気にいるとすっと子ども心に戻れるのだ。映画を観るときは子ども心になることが大事。批評家目線で見るのもいいかもしれないが、とにかくその映画の世界観に没頭することだ。

前口上が長くなってしまった。今回観たのは“リトル・ダンサー デジタルリマスター版”。2000年9月にイギリス公開された。世界の映画祭で高い評価を受けて大ヒット作となった作品である。

炭鉱で働く労働者の家庭に生まれた少年ビリーが偏見や環境に負けずバレエダンサーとして成長していく物語。炭鉱労働者の父から言われ、ボクシング教室に通わされているのだが、隣でやっていた女子たちのバレエレッスンに興味を持ちひそかに習い始める。父や兄に知れて罵倒されながらもダンサーとしての才能を開花させていく。最後は父も認めてロンドンのロイヤルバレエ学校のオーディションを受けに行くまでのストーリーである。ラストは数年後、父と兄が観にくる公演で舞台袖から舞台に飛び出るシーンで終わる。

久々にカタルシスを感じる映画であった。大箱のロードショー映画もいいけれど、こういう名画座で観る映画もいいものである。いや、どちらかと言うと私はこちらの方が好きかもしれない。学生時代、京都の祇園会館などの名画座で2本立てとか観ていた自分には、こちらの方が映画を観たなあという感じがするものである。

いやあ、映画って最高です。サヨナラ、サヨナラ…。

◇リトル・ダンサー 2000年、イギリス映画、110分 シネリーブル神戸

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幸せ昼ごはん 牡蠣フライ&グリルチキン

2024年10月30日 | slow gourmet

久しぶりの外ごはんとなりました。重ねて久しぶりの洋食屋さんです。

メニューには沢山の定食が並んでいました。選ぶのに迷うほどです。そしてお安い。街の洋食屋さんというのは大方は大衆レストランなのですが、案外値段は庶民的ではないことがありますが、ここはどれもリーズナブルです。

そんなに思案を重ねた訳ではありませんが、牡蠣フライとグリルチキンにしました。(写真)すべてにパスタが付くようです。ご飯とサラダはビッフェ形式で自分でコーナーに取りに行きます。

今年初めて食べる牡蠣フライでした。付け合わせのスパゲティは少し香辛料が効いていて、年配の仲間たちはちょっと食べきれなかったようです。グリルチキンも美味しかったのですが、普段薄味になれている身には味付けがやや濃かったかな。やはり洋食屋さんの洋食は若い人向きかもしれません。実際若い人はご飯もお代わりして美味しそうに食べてはりました。サラダバーのサラダは和えもののサラダがよい味付けでとても美味しく年配には好評でした。

アットホームな雰囲気の洋食屋さんでした。ごちそうさまです。

◇はいから亭   大阪市中央区安堂寺町1-2-5

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近づくHalloween

2024年10月29日 | slow life

ハロウィン・デイが近づいて参りました。

あちこちで仮装をした人が増えています。いつもの公園でも、アニメの主人公の衣装を纏った児らたちを見かけました。お店もアルバイトのお兄ちゃんがかぼちゃの着ぐるみで客引きをしていました。

年々、イベント化していくハロウィンですが、元々は“諸聖人の日の前夜祭”とのこと。諸聖人の日とはキリスト教におけるすべての聖人を記念する日なのだそうです。

こういう宗教的行事をイベント化するのは日本人は上手ですね。クリスマスも然り。よろずの神を信仰する日本人だからでしょうか?“

“ハロウィン”はまだ歳時記には載ってません。最新の歳時記ではもう載っているところもあるかもしれませんが。いずれクリスマスと同様、季語になるのでしょう。

ハロウィンの仮装に惜む園の秋

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秋の三草 やっと開花

2024年10月28日 | nonoka

十月も下旬ですが、やっと秋の三草が咲いているのを見つけました。やはり曼珠沙華と同様、これらの花もかなり開花がずれています。

まずは水引の花。ホトトギス新歳時記では八月の候に載る秋の花です。9月でもちらほらという感じでしたが、今がたくさん紅色の小さな花をつけてます。金糸草とも言います。

次は赤のまんま。この花も八月の候に載っている花です。9月頃からずっと探していましたが、10月になってやっと咲いているのを見つけました。正式には犬蓼(いぬたで)の花と言います。昔は子らたちが飯事(ままごと)遊びにこの花を赤飯に見立てたそうです。だから赤まんまという名で呼ばれているのですね。

そして最後はほたる草。露草です。この花は九月の候に載っている秋の花ですが、こちらもやっと咲いている様を見つけました。月影に咲くというので月草とも。

これら三草とも草の花です。それでも雑草と言ってしまうほどではありません。秋は草の花々に風情があっていいですね。名草ばかりが花ではないと教えてくれます。

露草の吐息に結ぶひと雫

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食いしん忘備録 とん蝶

2024年10月25日 | slow gourmet

能の大会の受付でプログラムと共に頂きました。

とん蝶です。お握りと言っていいのか、おこわと言っていいのか。まあ両方、つまりおこわのちょっと大きめのお握りですね。

この“とん蝶”は大阪名物なのだそうです。だそうですと言うのも、知ったのはもうここ数年のことだからです。

大豆と塩昆布入りのもち米を蒸したものに、かりかりの小梅。和菓子屋さんが作っています。シンプルな食べ物ですがとても美味しくて腹持ちがしますね。

主宰者の幕間にどうぞ召し上がって下さいという心温かい気配りを感じました。このとん蝶にプラスして阿闍梨餅も頂きました。おやつにどうぞという気配りでしょう。

お心まで美味しく頂きました。ごちそうさま。

◇御菓子司 絹笠 大阪市鶴見区今津北3-1-8

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能楽 謳調会へ

2024年10月24日 | slow culture

大阪は上町にある大槻能楽堂へ。贔屓の和服店のお客さんが鼓で出演するというので、女将さんとお店の客仲間一同で着物を着て観に行きました。

大槻能楽堂は初めてでありました。立派な能楽堂でございます。「山本孝十三回忌追善 謳調会大会」と銘打って、独鼓、連調、能、一調、などさまざまな演目がプログラムに並んでおりました。主宰の山本哲也さんは、能楽大倉流大鼓方職分、故父 山本孝及び人間国宝亀井忠雄に師事
大阪市咲くやこの花賞、大阪文化祭賞、文化芸術祭優秀賞受賞というお方でございます。勿論、知己はありません。

私たちは午後の能楽、卒塔婆小町、舞囃子の弱法師、遊行柳、そして番外一調、屋島、道明寺、勧進帳、最後に能、海士を鑑賞。やはり着物を着て鑑賞するとまた気持ちも格別でございます。

伝統芸能に触れると色々とインスパイアされることが多く、たっぷりと芸術の秋を堪能させて頂きました。でも、追善大会とは言えこの大会、なんと無料で入場できるのです。それもお土産まで頂いて、能楽の世界はこんなにも懐が深いのでしょうか?いやあ驚きました。

ご案内いただきありがとうございました。

しづしづとシテ舞ひ始む暮の秋

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秋深むことの徒然に

2024年10月19日 | tete a tete

久しぶりの雨の土曜日です。ひと雨ごとに秋が深むと言いたい所ですが…。只今気温27℃、湿度80%…爽やかというには程遠い蒸しっとする気候です。

でも先週の三連休は秋晴の行楽日和となりました。出掛けた方もきっと多かったことでしょう。

小生も11月になったらちょっと遠出をしてみようかなと考えています。去年は砥峰高原に行ったので、今年は曽爾原高原に行こうかなと。勿論、芒(すすき)を見に。

曽爾原は名張方面に位置します。砥峰高原は車で行きましたが、曽爾原高原は車で行くにはちょっと遠いかな。だから近鉄電車に乗って行こうかなと。まだ乗ったことがないので、本当は特急“ひのとり”に乗りたいのだが、残念だがひのとりは名張には停まりませぬ。だから普通の特急に乗車となりそうです。特急に普通という言い方はちょっと違和感がありますね笑 問題は行くタイミング。穂芒のほほけ具合を見ながらとなりそうです。

写真は山口県・秋吉台の芒です。

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曼珠沙華。曼珠沙華

2024年10月17日 | nonoka

今年は曼珠沙華(マンジュシャゲ)の開花がとても遅かった。やはり今年の気候の所為だと言う。

彼岸花と言うように本来なら九月の秋分の日が見頃である。それが20日程開花が遅れている。確かに体感的にも、今が九月頃の気候という感じである。

曼珠沙華の句と言えば、森澄雄の“西國の畦曼珠沙華曼珠沙華”を一番に思い浮かべる。この句を記した句碑が姫路は書写山のロープウェイの麓の駅の公園に建立されている。その時期になると句碑の廻りを曼珠沙華が彩る。森澄雄は生まれが姫路の網干なので姫路ゆかりの俳人である。

“除夜の妻白鳥のごと湯浴みをり”、“ぼうたんの百のゆるるは湯のやうに”や億年のなかの今生実南天”などぞくっとするような句柄。好きである。

この様子なら今年も紅葉の見ごろも、師走に入ってからということになるのではないか?歳時記の季節感がどんどんずれていく昨今である。

これよりは落人の里曼珠沙華

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季題 後の月

2024年10月16日 | slow life

今年は10月15日が旧暦の9月13日に当たります。旧暦九月十三日の月を“後の月”と言い、お月見をします。

仲秋の名月、即ち十五夜は望の月(満月)を愛でますが、この後の月は十三夜の少し欠けた月を愛でます。後の月を愛でるのは日本だけの風習で、栗名月又は豆名月とも言います。秋の最後の月ということで“名残の月”とも言います。

深秋の澄んだ空気の中、少し肌寒を覚える頃に見上げる月。というのはとても情緒があるように思うので、私は十五夜よりこの十三夜の方が好きです。

とは言っても、今年は十月半ばというのにまだ九月並の気温。其の所為か今年の後の月は少し霞がかっておりました。やはり後の月は少しひんやりした澄んだ大気の中で眺めるのがよろしゅうございますね。

叡山の忌日も終へて後の月

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