陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

よいお年を

2008年12月31日 | tete a tete

2008年、今年は後半
とても厳しい年になりました。
冷たい波が、次から次へと
押し寄せてきました。

皆さま、こんな時勢ですが
それぞれによい年をお迎えください。

“生きてることが辛いなら
嫌になるまで生きるがいい
歴史は小さなブランコで
宇宙は小さな水飲場
生きてることが辛いなら
くたばる喜びとっておけ”

■森山直太朗
「生きてることが辛いなら」より

今年のご愛顧に感謝いたします。
 
             店主敬白
コメント

年末 スキーは楽し

2008年12月31日 | slow life

大山へ行く。
中国道から米子道を経て
途中休憩も挟みながら
約4時間で現地まで着いた。
幸い積雪での雪道走行は免れる。

会員制リゾートホテルへ。
チェックインの後
ドライブの疲れを温かい温泉で癒す。
翌朝、大山スキー場へ。
まだ積雪量が30㌢と少ないためか
この時期とはいえ
スキー場はかなり空いていた。
リフト待ちもなく、我々には嬉しいが
スキー場にとってはかなりの痛手だろう。

駐車場から連絡リフトでゲレンデへ。
豪円山と中の原、上の原スキー場で
ゆったりとスキーを楽しむ。
新雪を踏みしめるのも気持ちいい。

年々体力と筋力の衰えを感じる。
若い頃はスピードと
ギャップを滑るスリルを楽しんだが
今はワルツのようにゆっくりと
休憩しながら滑り降りる
そんなスキーがあっている。

スキー場が空いているのは
どこも同じだと言う。
年々、スキー人口は
減少の一途をたどっているらしい。

若い頃は
アフタースキーも楽しかった。
けれど、こうして大自然の息吹を
体いっぱいに感じながら
楽しむスキーもいいものである。
ただしストレッチは入念に。
コメント

電車の風景 一畑電車

2008年12月30日 | slow culture

このブログにご訪問いただいている
数少ない鉄っちゃんの皆様
お待たせしました!
今回は
一畑(いちばた)電車の登場です。

一畑電車は90年の歴史ある
島根県東部、宍道湖北岸を走る鉄道で
今回初めて、出雲大社から終点の
松江しんじこ温泉駅まで乗車。
この電車、もともとは
目のお薬師様として有名な
「一畑薬師」への参詣鉄道
として開業したとあります。
そして、その一畑口駅で電車は
スイッチバックして方向転換します。
だからこの駅から宍道湖の眺めが
窓側入れ替りとなりました。

一畑電車の駅名は難読です。
遙堪(ようかん)駅
川跡(かわと)に美談(みだみ)駅
美談駅の次が旅伏(たぶし)駅と
駅名だけ見ていても退屈しません。

ちなみに、この一畑電車㈱は
一畑電気鉄道㈱傘下の企業です。
また、この電車をモチーフとした
映画『BATADEN』も製作中です。
コメント

師走の幾何学模様

2008年12月29日 | slow life

規則正しく並んで干される魚。
まるで幾何学模様のように美しい。
干しあじにかれいに
ハタハタにのどぐろ…。

見とれてしまう。

猫になった気分。

■出雲日御崎にて
コメント

師走の干いか

2008年12月28日 | slow life

イカの天日干しである。

“魚は炙ったイカでいい♪”

なんて。
旨そうだなあ。

でも、しかし
つらつらと眺めていたら
何だか可笑し。
イカの先祖は
火星人それともインベーダー?

■出雲日御崎にて
コメント

師走の魚 あごとのどぐろ

2008年12月27日 | slow life

地方に行くと、必ず百貨店の
地下食料品売り場に立ち寄る。
所謂、デパチカである。

そこでその地の食材を探索する。
真っ先には、鮮魚コーナーへ。
この百貨店では
あご(とびうお)にのどぐろ
そして山陰のカニたちが
活きのいい眼差しで
お行儀よく並んでいた。

「いい眼をしているなあ。」

地方の百貨店では
関西ではなかなか見かけない魚が
新鮮でなおかつ安く並んでいる。
遠方ゆえ鮮魚や刺身などは
なかなか買えないのが残念である。

その土地の百貨店で売られている
地産の食材を買って
裏切られたことは一度もない。

これ、私流、旅の奥義である。

■鳥取大丸にて
コメント

我が家のクリスマス

2008年12月25日 | slow life

我が家のクリスマス。
毎年
クリスマスツリーを飾るのは
わたしのお仕事。
我が家のツリーは結構大きい。
でも誰も知らぬ。

外は寒い寒い冬の夜。
温かい光りが漏れる窓を
そっと見やると
クリスマスツリーが見えた。
おうちの中は暖かい。
その家族の笑顔に
思わず微笑む行きずりの旅人。

おうちの中で
内々で飾って楽しむクリスマスが
いつのまにか家全体を
ライトアップ・ショーのような
見世物クリスマスになった。
サンタさんも、これでは
あまりに眩しすぎて
煙突からはよう入ってこんだろなあ。
コメント

プレミアム旬魚の店

2008年12月23日 | tete a tete

書かれていたこの日の入荷である。

・青森大間 一本釣本まぐろ200㎏
・五島列島 幻のあら10㎏
・八幡浜  極上白甘鯛 
・津居山  松葉がに 
・北海道  釣りきんき
・阿波   平すずき
・的矢湾  かき

クエ鍋を食いたくてこの店を予約。
さすがの仕入れである。
独自の仕入ルートを持っている
店主の自負と矜持が感じられた。

口開けて一時間もせぬ内に
店はすぐに予約客で一杯に。
大阪は福島にあるこのお店。
提灯には旬魚。暖簾をくぐると
設えはどこにでもある店だ。
この品書きがなければ、福島の
中心街からややはずれた所にある
夫婦で切盛りする小料理屋
といった市井の店だ。

だが供される海の幸は
冒頭の通り、そんじょそこらで
食べられるようなものではない。
ちょっと刺身をつまんで
焼きもんとクエ鍋食べて
概ねふたりで数万円という
懐勘定の店なのである。

まるで巻物のように
包められた手書きの品書きには
値段は書かれていない。
仕入れによるからだろう。
そんな値段を気にするような客は
来ないのかもしれないし
はなからそういう客は想定外?
なのかもしれない。

来る客はやはり美味しいものなら
多少お金がかかっても…
というような、一見して
余裕を持ってる者たちが多い。
個人の金。会社の金。内緒の金…。
持たざる者が訪れる店ではない。

大将は、幻のクエにしても
極上の白甘鯛にしても、十分
うまい按配に熟成させてから供す。
これも永年の経験から得た技なのだろう。
魚は熟成したほうが一段と旨みが出る。
これは理にかなっていると思うし
また店側にとっても、高級な食材を
ロスなく提供できるという
経済合理性も追求できる。
まさに一石二鳥。
なかなかな黄金律である。
たぶん店主は
いろいろな紆余曲折を経て
仕入れから提供の仕方に至るまで
経験に職人の信念を重ねながら
この黄金律に至ったのだと推測する。

店主は寡黙かと思っていたら
案外気さくに話してきた。
「どうです。違うでしょう?」
なんて言いながら
いろいろと魚の説明をした。
やはり魚が好きなのだろうし
また誇示もしたいのかもしれない。

さて。
今宵のお目当ては大間の本まぐろに
五島列島のクエ鍋であったのだが
それだけでは申し訳ないから
品書きから富山湾の白えびに
北海道のたらの白子、そして
八幡浜の白甘鯛の塩焼きを頼む。
クエ鍋以外は一人前を二人で分けた。
大間の本まぐろは一人前六切れ。
そんなに大ぶりの切りではない。
ひとり三切れである。(写真)
クエ鍋は
レタスに豆腐にきのこの具材。
極めてシンプルな構成だ。
コラーゲンたっぷりのクエは
肉厚でぷるっとした身はさすが。
五島列島で捕れるクエは
なによりの絶品で幻と言われる。
このクエ、関西で捕れるクエとは
まったく違う!と
店主は自信を持って言い切った。

高級料亭でしか食べられないような
そんなクエ鍋を福島で食える。
これは食通にはたまらない。
あのお笑い芸人と結婚した
関西出身のトレンディタレントも
お忍びでやって来たとか。

二人で
プレミアムモルツの生を二杯に
湯せんの熱燗三合を呑んで
お勘定はぴったり三万円。
これを高いと思うか
いやこんなものと納得するかは
人それぞれの判断だろう。
私的に正直に言えば
店の設えや調理の技術も加味して
やはり値段と価値の
バランス的では露出オーバーだ。
確かに希少な食材だが
その仕入れのプレミアムに
対価を払っていると言う感は
正直ぬぐえなかった。
言わば森伊蔵を十倍以上の値段で
飲んでいるのと同じ感覚だろう。
ちなみに、私は酒を
プレミアムで飲むのは好まない。

この店は、やはり
オンリーワンな希少な店である。
高い値段を取っても流行っている。
でも、希少な魚という素材以外の
店の要素はあまりに凡庸すぎて
こんなんでここまで取っていいのか
店のどこかに天狗が隠れている?
バブリーな危うさも、正直
私は感じてしまうのである。
コメント

鳥取の夜は酒樽

2008年12月21日 | slow gourmet

鳥取は不思議である。
日中、駅前には
あまり人通りを見かけないなあ
と思っていたら、日が暮れると
酒場には人がいっぱい居る。

鳥取の夜だ。
いろいろ調べて決めた店に
当日、電話したら
あいにく満席だとのこと。
鳥取ってそんなに混んでいるのか?
失礼な物言いだが
正直…びっくりも甘かったという思い。

しかし、そう言われると
何としてでも行きたくなった。
それが酒飲みの習性というか
機微というものだ。(そうかいな?)
仕方なくチェーン展開の居酒屋で
腹ごしらえを兼ねて時間を潰してから
(なんとここもすでに満員に近かった)
八時過ぎに今度は直接訪ねてみた。
繁華街から少し離れた所で
民家もある暗い商店街あたり…。
ちょっと探したが、何とか
目的の看板を遠目に見つける。
まさに名店は隠れた所にありの風情。
なんかわくわく。

扉を開けた!するといっせいに
カウンターに居並ぶ先客の視線が飛び込む。
しかし店主らしき人物がいない。
どうしてよいものか、しばし
その場で所在なげに立ち尽くしていたら
常連客らしきお客さんが
「どうぞどうぞ」と私たちを促してくれた。
ほっとして空いてるカウンターに座る。
ほどなくして、ここの
女将さんらしき割烹着のおばちゃんと
息子らしき若いお兄ちゃんが現れた。

「一度電話したんですが…。」
「あぁ。あのお客さんね。」

電話した客だということは
今、ここにいる皆の周知事項となっていた。
それほどアットホームな店だったのだ。
恐いもの知らずとはこのことか?

ここは地元の常連さん店である。
店のある場所柄からしてそうだろう。
みんな楽しくお酒と料理と会話を
思い思いに楽しんでいるように見えた。
かといってイチゲンのよそ者を
疎んじるような閉鎖的な雰囲気は
店側にも客側にも感じられなかった。
一言で言えば
とても居心地がよさそうな店である。
何よりぱっと入って感じる空気がいい。

きっとこの店はこれまでの歴史の中で
店主の思いを理解した客だけが淘汰され
その客たちがこの店を店主と共に
育んできたのだろうと思わせる店だった。
お客のクオリティがいい。
数少ない私の経験でも
こういう店は間違いなく一級の店だ。

そして品書きを見て、注文し
供されたものを見て、味わい
それは確信に変わったのである。

魚もん、鍋もん、野菜もん
肉もん、地どりもん…とあった品書き。
“何とかもん”
という言い方は、わたし好みである。
「今日の焼きもん、何?」なんてよく使う。

もう腹が脹れているので、残念だが
あまりかさばるものは食べられない。
魚もんから干ハタを頼む。
350円は安いなあと思ったいたら
出てきたものを見てさらにびっくり。
ひい、ふう、みい…小ぶりとは言え
なんと七匹もついているではないか。
これは食べ応えがあるなあ。
鍋もんからは湯どうふを。
これは380円也。
ここなら刺身もさぞ値打ちだろうなあ。

酒が入って心地よくなってきた頃
カウンター隣の常連さんと会話ができた。
この店の良さを一通り聞かせてくれた後に

「鳥取のうまいもんは何すか?」
と男女三人のお方たちに尋ねてみると
以外にも、それは「シイラ」だ
と言う答えが返ってきた。
この刺身が無茶うまいのだそうだ。
ただし、シイラの身は足が超早いので
鮮度が落ちたやつを食らうとやばい。
腹が超特急になるらしいのだ。
だから地元でしか食せないと言う。
ちなみにシイラという魚
何でも食いつく魚だそうで
地元の漁師に食べる習慣はないと言う。

「何でも食うのは穴子と一緒じゃあ。」

おやおや。
一緒に来た酒飲み部下が
もう上機嫌になっている。
やれやれ…(+_+)

シイラは夏から秋にかけてがいいと言う。
今度はその季節に是非やって来たい。
その時は、宵口からここを訪ねて
鳥取の美味しい食材を酒と共に
たっぷり堪能してみたいものである。

「食べてみんさい。」

この言葉…
鳥取弁と広島弁が同じなのは驚きだった。
これはこれから
ますます縁が深くなりそうな予感。

■酒樽
鳥取県鳥取市川端三丁目115
コメント

岬めぐり 白亜の日御崎

2008年12月20日 | slow journey

島根半島のほぼ西端にある
日御碕へ、岬めぐりの旅
バスは走る…。

終点の日御崎(ひのみさき)に着く。
停留所から歩いて約二十分ほど。
日本海の荒波打ち寄せる断崖の上
白亜の石造り灯台が見えてきた。
日本海の荒波を照らす
とても美しい姿の灯台である。

出雲日御碕灯台…。
1903年(明治36年)初点灯。
以来、百余年…
今なお石造灯塔として
日本一の高さを誇りつつ、船舶の
航行安全を守り続けている。
1998年、IALA(国際航路標識協会)の
「世界の歴史的灯台百選」に選定。
(海上保安庁資料より)

参考までに
日本で選定された灯台は以下の五つ。

・犬吠埼灯台(千葉県銚子市)
・神子元島灯台(静岡県下田市)
・姫埼灯台(新潟県佐渡市)
・美保関燈台(島根県松江市)
そして今回訪れた
・出雲日御崎灯台(島根県出雲市)

である。

小さい頃
ずっと船乗りに憧れた私は
灯台を見に行くのが好きである。
いつかこの選定灯台を
全部訪ねてみたいなあと思う。
ちなみに、IALA選定基準は
“世界各国の歴史的に特に重要な灯台”
であるらしい。
決して景観だけではないのだ。

残念ながら、この日は
あいにくの点検日だったのか
灯台に登ることはできなかった。
灯台目線で見たかったなあ
冬の日本海を。

師走のこの時期は
日本海の荒波に餌を求めて
海面を乱舞するウミネコのたちの
姿と鳴き声がどこか哀切を誘う。

日御崎一帯は2~3,000万年前の
流紋岩の溶岩で主に構成されていて
断崖絶壁から自身で覗いて
眼下の海を見ることが出来る。
この日は風もきつかった。
体重のあるわたしでさえでも
ともすれば断崖の下の海へ
引き込まれそうな感じになった。

そんな断崖の下の磯場で
釣り人がひとり糸を垂れている。

そろそ帰りのバスが出る時間だ。
乗り過ごせばまた一時間以上
待たねばならない。
今度来るときは
是非あの灯台に登ってみよう。
コメント