陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

休日の元町

2006年01月30日 | slow life

日曜の夕刻、買い物に元町へ出かける。
元町駅から通りに出ると
今日はやけに人出が多いなあと思ったら
元町中華街・南京町は「春節祭」であった。

爆竹の音や獅子の舞、三国志の英雄たちに扮した
「中国歴史人物パレード」も繰り広げられたらしい。
東の門には「福」の提灯が飾られて賑やかしい。

元町・大丸で明日の接待用に
神戸肉のしぐれをお土産を買い、ついでに
地下で今日の夕食の買い物を済ませる。
天然生の本鮪が美味しそうに
こちらに訴えているような気がして買う。
沖縄の一番もずくとある。見ると
美味しそうに袋がパンパンに張っている。
これもそそられて買ってしまった。
菜の花も色鮮やかでこれも美味しそう。
辛し和えでもするかと籠の中へ。

休日に元町へ出かけて、大丸で買物をする。昔は
神戸っ子のハイカラライフのひとつであった。
小さい頃はよく母のお供をしたものだ。

春節祭の喧騒を遠目に楽しみつつ
元町をぶらりとして過ごす休日に、
ノスタルジックな幸せ感がデジャブした夕暮れ。

「美味しい夕ご飯を早く食べたいなぁ。」
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1月の空 今年の占い

2006年01月28日 | cocoro

ある晴れた日 飛行機に乗る。
機中の機内誌に目を通していたら
「2006年、四柱推命学の十二支」(權勢埃)
という巻頭特集が掲載されていた。

吾輩の干支のキーワードは「山風蠱(さんふうこ)」とある。
“蠱は働く、労働するという意。
忙しい日々を過ごすことになるだろうが、
この卦を得た人は、健康に注意が必要。
忙しさにかまけて体調を崩さぬように。
家族、家庭を振り返ることで運気は安定する。
無理な行動を起こさず、時期を待てば成熟する”とあった。

う~む。早速人間ドックの結果で引っかかった。
病院行きである。衝撃波で石を砕かなければならない。
病院行くのも気が進まないが、かといって
放置してまたあの痛みを経験するのは堪忍して欲しい。

「神様のおっしゃることをしっかり守って
家族や家庭も大事にしていきますので
どうか後生ですから、痛い思いだけはご勘弁ください。」
と過日、厄神さんにお参りしておいて良かった。

1月のこの蒼い空を忘れずに今年もしっかり生きていこう。
フルスロットルの離陸の後、前方の視界が開けたら
目的地に向かって高度安定飛行が続けばいいな。
お金もいろいろ羽がはえて飛んでいきそうだけれど…。
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UZURA

2006年01月27日 | slow gourmet

みなと神戸のレストランは
何故か落ち着いた雰囲気の店が多い。

久しぶりにUZURAへ行く。

午後8時過ぎ…落ち着いてひとときを楽しめる時間。
この時間帯のレストランが結構好きである。
取り急ぎの空腹を満たした客たちが一息つく時刻。
これより早い時間だと気ぜわしい。また
これ以上遅くなってくると酔客も増えて
喧騒がこだまする。
(酒飲みの自分が言うのもなんだが…。)
で、ここの開放的な窓からトアロードを眺めつつ
ワインに少しの料理を楽しむ。
貼ってあるポスターなんかもいい感じ。

今日のメニューはスープ・ド・ポアゾン
硬めのパンにソースをつけてチーズを乗せて
ブイヤベース風のコクのあるスープに漬して食べる。
これは手間の割には値段が安い、秀逸な味。
「手間ひまかけているね」と伝えたら、
「わかっていただきすごく嬉しい」と店の人。
こういうふれあいもまたこの時間ならではのこと。

そして南仏ニース風サラダに
カプレーゼというモッツァレラとトマトの前菜
また、ちょっと腹もちがいいものも欲しくなって
えびのフリッターレモンマヨネーズソースを注文。
お酒は生ビールで喉を潤してからもちろんワイン。
これはハウスワインの白をボトル1本頼む。
オレンジのワインクーラーがフランス
モダンアート風でgood!
ハウスワインが美味しい店はいい店が私の定石。
これもgood!

これだけで十分な時間を過ごせた。

お勘定はちゃんとレシートを出してくれる。
明細がわかるし、なにより二人で
7000円いかずは良心的。
フロアチーフのさりげのコミュニケーションも
客の時間を邪魔せず、かといって
無視せずの頃合いがいい。

かれこれ思いながら店を出たら、次は
中山手の知人のスナックに自然に?足が向いていた。

UZURA…神戸らしい店だなぁ。

■UZURA 神戸市中央区下山手通2-13-3
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1月の読書 「死にゆく妻との旅路」

2006年01月22日 | slow culture

壮絶な夫婦の道行きである。
下請縫製、中国、倒産、金策、自己破産、病魔…。
北陸のある街に存在した今の世の中、低コストの
海外シフトで辛酸をなめるという不幸な話も
夫婦が選択した非日常への旅となったとたん
それは俄然光彩を放ち出す。
ある意味人生の皮肉である。

確実に死に向かっていく妻を乗せて、
ただ職安を訪ねて職を求めるという一点だけを
使命に課した確かなあてのない旅。
五十を過ぎた男には、今の経験を生かせるような
仕事なんかある訳ないと知りながら…。
それでも末期がんに侵された妻と
一緒に働ける場所を求めて走る旅路。
二人が働いて暮らせる街をみつけるという
妻の希望だけがこの二人を走らせているのだ。

自分たちの街にあったサティを見つけた二人。
夫婦は懐かしさを覚え、しばしくつろぐ。そこで
妻は職が見つかったら履いていこうとスカートを買う。
お金の心配をして「買っていいか?」と尋ねる妻。

氷見の岸壁。妻が車中で息絶えた時、著者である夫は
包装紙に包まれたままのそのスカートを見る。
慟哭の最期はあまりにもあっけなく訪れる。

二人は道中、決してたくさんの言葉で
共に過ごす時間を共有した訳ではない。
妻はほとんど移り逝く車窓の景色を眺めつづけている。
いったいその先に何を見つめているのか、
夫は気にとめながら時に言葉を紡いでいく。
しかしその言葉は
この本に書かれた文章ほど饒舌ではない。
たかが夫婦、されど夫婦なのだろう。

それでも人は生きていく。
いや死ぬまで人は生きることしかできないんだ。

それ以上読後の感想を語らせない本である。

■死にゆく妻との旅路 清水久典 新潮文庫
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11年目の祈り

2006年01月18日 | slow life

3年ぶりに晴れた1月17日。神戸・東遊園地にある
慰霊と復興のモニュメントを尋ねる。

受付で心をこめて丁寧に記帳。菊の花をもらう。
慰霊と復興のモニュメントの池に
もらった菊花をそっと浮かべそして祈った。
それから地下へのスロープを下り
六千数百人の方々の名が刻まれた銘板に
知人の名前を探し、そこでまた祈る。

見上げると天井はガラス張りで
地上にある池の底になっていた。
そこには先ほど献花した菊花が水面に浮かんでいた。
青い空を背景に無数の菊花は風に漂い、
それはあたかもまるで
空中に漂っている亡き人たちの魂にさえ見えた。

その間から次から次へと訪れては
手を合わせる人たちの姿が見える。
私はいろんな思いにとらわれながら
しばしその光景を眺めていた。

忘れようとしても
決して忘れることの出来ないあの被災体験。
あの体験は私に経済的ダメージよりも、
人が生きるということはどういうことなのか、
幸せとは、愛とは何なのかといった、いわば
“生きるよすが”といったようなことの
舵を大きく切り替えさせたように思う。
わずかな違いで生かされた自分と
そうでなかった人たちとの差って?
死生観も随分変わったことを実感する。
いや変わったというより、今まで獏としたものが
ある輪郭を帯びてきたといった方が近いかもしれない。

毎年永遠に、この日をどこかで必ず祈ること…。
これはあの時を経験した自分が
自分へ課した贖罪の業である。

合掌。
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我が家のシドニーっ子

2006年01月17日 | slow life

昨年11月にシドニーから我が家にやってきた少女。
お人形ですが里親になりました。
右側の白いドレスの娘(こ)です。
左のお茶目な妹の方が一足早く日本にやってきました。
今はとある大阪の編集事務所で可愛がられています。

この娘(こ)…shyなのか決してこちらを向きませんが
後姿でもとても可愛らしくて
すぐに我が家の人気者となりました。
訪れるお客さんがみんな
「可愛いっ~」と誉めてくれます。

まだ名前がなかったようなので
シドニーから連れてきてもらったご婦人の名にちなみ
「セリーナ姫」と名付けました。
ドレスも手造りで細部もしっかり縫ってあります。
スカートの下にはクラシカルなフリルの
パンツをちゃんと履いているんだよ。靴下も真っ白です。
ときどき覗くと家人に叱られます。

日本に来てまだホームシックで寂しそうですが
そのうち姉妹兄弟をいつもシドニーへ行くご婦人に
頼んで連れてきてもらおうと思っています。

手造りのお人形は造り手の気持ちが伝わって
なんだか暖かい気持ちになってきます。


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健康は愛から生まれる。

2006年01月14日 | slow culture

“病気を癒すというのは、
たんに悪いところを切り取ったり、
薬を与えたりすることではありません。
その人が心からハッピーになれるような
モチベーションをもたせてあげることです。”

“それはやはり「愛」だと思います。
男女の愛、親子の愛、友への愛…健康になるには、
人を愛するという気持ちが絶対に必要なのです。
人は本当に幸せを感じていると、免疫機能が
活性化することが血液検査でわかっています。”

        ■「病気にならない生き方」 新谷 弘美

こういう健康指南の本は結構好きである。
一気に読んだ。なるほど、なるほどと思った。
何も新谷先生が胃腸内視鏡の世界的権威だからではなく
(正直それも多分にあるのだが。)
やはり多くの人を診てきた説得力が伝わってくる。
そして何より冒頭の言葉に共感を覚えた。きっと
この先生はとてもいい先生だと思ってしまった。

そう、やはり「愛」なのだ。
愛がからだを救うのだ。
また何より食事なのだと言う。
“ミネラルをたくさん含んだ肥えた土地で
化学肥料や農薬を使わずに育てられたものを
収穫してすぐに食べる”ということを言っておられる。

これどこかで聞いたことがあると思ったら
いつか、岩木山麓にある「森のイスキア」を主宰する
佐藤初女さんの講演をYWCAで聞いたときに
話されていたことと同じであった。
佐藤初女さんは、その土地で採れたものを
旬の時期に何も手を加えずにただ供するのだと。
それだけでとても美味しいのだと。
そこから対話が生まれ、そしていろんな理由で
生きることに疲れた人が自ら癒されていくのだと…。

動物としての視点から人間の健康な生き方について
アプローチしたこの書籍。
多くの示唆に富んで面白かったけれど、
どうも私のやっていることは
正直、反面教師的であるのが悲し。

■写真は神戸・三ノ宮駅高架下の飲み屋街



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ハレの日のドック

2006年01月12日 | slow life

去年秋に行けなかった人間ドックに行った。
ここ数年毎年行っている一泊二日のコースである。
24階建てのこのホテル、今回は12階のツインの部屋。
西向きの奥の部屋なのであまりグッドビューではないが
それでも高層ビル群が見渡せる。

検査はいつも通りに進む。
問題は結果だけれど、今回は前回より
わずかだが減量にも成功しているし
大丈夫だろう?
であって欲しい…が正直な心境。

今回、夕食はルームサービスにした。
ひとりでは最上階のレストランはわびしすぎるし…。
しかし給仕に持ってきてもらうディナーは
ゴージャスで優雅な気分である。

<本日のメニュー>
前菜 スモークしたサーモンと帆立貝の取り合わせ
スープ 本日のおすすめ オニオンスープ
メイン料理 地鶏のグリル 
ガーリックとオレガノ風味の白ワインソース
サラダ
ライス
デザートはモンブランを
コーヒー

5,250円也のコース。
十分な食べ応えで、ひとりなので
おなか一杯になってしまった。
しかし検査に来ているのだか、食べに来ているのだか
なんだかわからなくなってきたなあ。

一流ホテルでの年に一度のセレブな時間。
ツインの部屋にひとりだけ泊まるのは、
もったいないような寂しいような…。
でも、これはまぎれもなく
私のハレのひとときである。
ただし検査結果が良好ならという限定つきの話。
う~ん、このハレの日の幸福感は
細い塀の上を歩いているのかもしれない。

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神戸発。フェルメールからの恋文

2006年01月10日 | slow culture

「神戸発。フェルメールからの恋文(ラブレター)」
というキャッチコピーに誘われて
アムステルダム国立美術館展を観に行く。

お目当てはフェルメールの作品「恋文」と
レンブラントの絵画。

HAT神戸の海岸沿いにあるこの県立美術館は
いつもながら迷路の迷宮といった感じで
コンクリート階段はあのエッシャーのだまし絵のよう。

フェルメールの全作品で
手紙を主題としたものが好きである。
今回の「恋文」、「手紙を書く女」、
「手紙を書く夫人と召使い」、
そして「窓辺で手紙を読む女」
とたしか4点あると思う。

中でも一番好きな手紙の絵は昨春ここで開催された
ドレスデン展で観た「窓辺で手紙を読む女」である。
まだ肌寒い春先の週末、夜間であった。
もう閉館間際のその時刻には
見張りの女性以外誰も居なかった。
その女性の息遣いを後ろに感じるほどの
静寂と沈黙が支配する空間…。私はひとり
「窓辺で手紙を読む女」に対峙した。

凛としたエレガントさの中にも
聡明で意志の強さを感じさせるその女性が
あたりもかまわず一心に手紙を読んでいる。
ベッドの上に無造作に置かれた果物や
窓から入るいたずら風に揺れるカーテン…
まるでその瞬間を切り取ったかのような時間の中で
この女(ひと)をこんな表情にさせるほどの
手紙とは、その手紙の主とは一体何なのだろうと、
嫉妬と羨望を感じながら思わずにはいられない。

そこには魅入られるようにはまった自分がいた。

最高の絵をじっと一人でみていると、
強い独占欲に駆られる衝動をこのとき初めて知った。
世の金満な収集家たちはきっとこういう心情なのだろう。

今回のフェルメールの「恋文」にも
いろいろ謎掛けがあるらしい。
召使いと女性の表情の対比でこの手紙を想像してしまう。
覗き見的な構図が余計にそうさせるのだろう。

この日は沢山の人の流れの中で観た。
だからあの時感じたような
自身の心の揺らぎを知ることはできなかった。
人が沢山いると気は出てこないようである。

絵は本当に不思議な力を持っていると思う。
それは時空を超えて伝わる作者の波動なのだろうか?

■会場ではインターネットで絵を送るサービスがあった。
 この絵はこれで送ったものである。
 なかなか上手い宣伝方法かもしれない。
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一番くじの初詣

2006年01月06日 | slow life

混雑を避けて元日をはずし
3日に初詣に出かけた。

今年は楠公さんの“湊川神社”へ。
神戸では有名な神社なので
屋台もびっしり参道を埋めている。
イカ焼き、唐揚げ、ベビーカステラ、etc…。
いろんな匂いが交じり合う雑踏のなかを
人の流れに身をまかせ境内へ。

参拝後おみくじを引く。
ガラガラ回して取り出したるは
なんと“一番”と書かれた棒。これは間違いなく
大吉だろうと思ったら悲しいほど予想通り!

色事と酒に度を越さなければ万事順調と書いてある。
酒は実感できるが、はて色事となると手元不如意?
でれーっとニタニタしたいところであるが、
昔、心当たりのない女難にあったこともあり
改めて神さまのご信託を肝に銘じることに。

達磨さんの両目が開眼しますように。

一見さんがめったに訪れないmy blogですが
数少ない常連の皆さま、今年も
“陽だまりの旅路イスキア”を
初日よりご見物下さり、
如何ばかりか有難き幸せと
厚く厚く御礼申上げ奉りまする。
今年も末永く御贔屓賜りますよう、
なにとぞ隅から隅までず、ずいーと、
伏しておん願い上げ奉りまする。
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