陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

はじめての俳句 茶の花

2010年11月29日 | slow culture

兼題は“茶の花”
茶の花とは、お茶の木がつける花こと。
茶室に飾る茶花ではない。
お茶の花と言ってもいけないらしい。
季題に“お”はつけないのだとか。

“茶の花”はゆかしい花である。
秋に花をつける。低木の茶の木に
さらに下向きに俯くように咲くので
それが楚々として日本人好みである。
まあるく白い花弁に黄色い蘂が上品。
お茶の産地では
花はつかないようにするのだとか。
花が付くと実がなって、茶の葉に
養分が行き渡らないからだとか。
また茶の花は禅宗と所縁が深い。

昔は、茶の花は生垣などで身近だったらしいが
都会ではあまり見かけることがないから
知らない人も多いと先生は言っておられました。

“茶の花や寡黙を金の蘂にして”
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2010年人間ドック行状記

2010年11月27日 | slow life

今年も人間ドックへ入る。
今回は胃カメラ付のコースのある病院へ
いつもの所から変更した。
バリウム検査でも、疑わしきは
胃カメラに送られるなら、初めから
胃カメラの方がいいと思ったからだ。
辛い検査なら1回で済ませたいのは人情。

朝八時過ぎに病院に到着。
焼肉の街で有名な鶴橋界隈にこんな立派な
大きな敷地に立つ病院があるとは
今まで知らなかった。さて、血液検査やら
もろもろ順調に検査を終えて
いよいよ鬼門の胃カメラがやってきた。
かなり緊張する。というのもこの胃カメラ
過去3回非常に辛い思いが残っているだ。
もうこれはトラウマになってるほどに。
喉を痺れさすゲル状のものを含んで待つ。
前のおじいさんが入ってからいやに長いなあ。
過呼吸気味。逃げ出したくなるのをじっと我慢の子。
呼び出されて処置室へ。鎮静剤を打たれた。
鎮静剤を打ってするのは初めてだった。
知らんうちに終わってくれないか?
しかしこれは良かった。今回は楽、楽、楽。
意識はあるがなんか判らんうちに終わっていた。
しかし、生検をされたらしい。ショック!

一日目の検査コースは無事終了。
この日は、なんやかんやで
5本位腕に注射針を刺されたなあ。

「蚊にもこんなに刺されんよ。」

荻野目洋子にそっくりな看護師さんに
血を採られる時ジョークしたら、ふふっと笑って

「ほんまや。ねぇ…。」

いつもながら看護師さんの指は清潔で綺麗。
マニュキアのつけすぎで黄ばんだ爪とは違う。
当たり前だけど。男はこういうのに弱い。
看護師さんにお母ちゃんを重ねているのだろう。
驚く無かれ!これは決してマザコンではないぞ。
男は皆そういう母性回帰感覚を持つものだ。

結果は年々悪い数値や箇所が増えているから
今回もなんか引っかかるのだろうなあ…。

後日談。
検査結果は、まあ諸所問題はあるけれど
命にかかわる所見は無罪放免となった。
また1年はがんばれるみたいです。
今回初めて便ピロリ検査をオプションで受けました。
結果は陰性でした。居ると思ってたのだが。
これは呼気検査でもできるらしいです。
ご参考までに。
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小春日和の青空市

2010年11月26日 | slow life

11月のとある日曜日。
母校の小学校の一日野菜市。
毎年この秋に同級生が集まります。
小生の卒業回生は、野菜と
アイスクリームを売るのです。
野菜は同級生の卸売市場から
アイスクリームは、同級生の
乳業会社から直接に仕入れます。

ボランティアだから商売はしません。
収益は度外視です。でも今年は結構野菜が高く
とても苦しい台所事情でした。赤字を出すと
いくらボランティアと言えども
こういうイベントの持続性が問われるからです。
持続性…英語で言えばサスティナブル。
言うは優しくきれいな言葉ですが、実際は
バランスシートの問われるシビアさが必要なのです。

まあ、そんなことはさておいて
小春日和の一日、年に1回逢う同級生と
わいわい野菜を売りながら、互いに近況を
話し合うのは何よりの楽しみです。癒されます。
しかし、野菜の一日の売上は
三年前に比べて半減しました。それだけ
日本の景気の厳しさ、もっと突き詰めれば
家庭の厳しさが正直に現れています。
このイベントを楽しみにやってくる子どもたちも
お金を持たされていないのがよく判ります。
一日も速く、皆が楽しめる世の中になって
欲しいものです。でも皆が楽しめるという
極めて日本的な中庸の精神は
もう幻想になってしまったのでしょうか?
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今年の紅葉

2010年11月25日 | slow culture

今年の紅葉はことのほか美しい。
美しい紅葉の年は、またことのほか
京の町は芋の子を洗ったような人出。
人、人、人が雲霞の如くの列をなす。
紅葉は上からどう見ているのかな。

“寺紅葉哀しき故事に添ふやにも”

祇王寺にて(写真)


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はじめての俳句 七五三

2010年11月23日 | slow culture

今回の兼題は“七五三”。先生曰く
七五三という季題は簡単なようで難しいと。
川柳になってしまう句が多いのだとか。
ふふっと笑ってしまうような句は
たいがい川柳的になってると言う。
川柳と俳句では句風が違うのだ。
どちらが良いとか悪いではないのです。
まあ長距離競技と短距離競技との違い
みたいなものなのかな?と解釈。

“どの子にも夢は等しく七五三”
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はじめての水彩画 静物

2010年11月21日 | slow culture

秋からの水彩画教室。
今回から先生が変わる。
年配の温厚そうな先生だ。

この教室の生徒さんは早く来るようだ。
もうすでに、思い思いのいい位置で
皆さん、各々イーゼルを構えていた。
初回と二回目は静物だ。
果物や野菜にペットボトルとかが並ぶ。
静物はちょっと苦手。しかし
注意深く観察して何とか仕上げる。
最後はいつものようにちょっと手抜き。
4時間は集中する作業だから、最後は
ちょっと集中が切れてしまう。

しかし、いつもながら描き終えた後は爽快感。
恒例の皆の描いた絵を見て回る。
それぞれの絵は、構図も彩色も
みんな違っていて、絵はその人間の
個性がとても出てわかりやすいと思う。
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街で見つけた 面白看板

2010年11月10日 | slow culture

朽ちたトタンに架けられた言葉が
何故だか魂に響く。

広告マンの眼で分析してみる。
もし、これがリニューアルされた都会の
コンクリート打ちっ放しの美しい教会。
そこのガラス張りの掲示板に標示されていたら
私は素通りしたのではないか…と。

ここは山陰の漁師町・浜坂。
その駅前から海へと続く路地の角。
古びた家のトタン壁。
朽ちたトタンにこの言葉が架っていた。
字はそこに似つかないほど美しい。
主語に黄色い文字。そして白の文字がつづく。
言葉もシンプルでわかりやすい。

朽ちたトタンは何を隠喩するのか?
困苦?苦難?底辺の生活…?。
美しい文字にわかりやすい言葉は
思わず、この貧困、困苦と言う罪から
私たちを解放してくれる気がしてくる。

言葉が伝わるとき、それは
言葉の力だけではないのだ。
その言葉が存在する、その
シチュエーションが大きく左右する。
我々はそれをタッチポイントと言ったりする。
タッチポイント…。そう言えば
昔、先輩によくこう言われたことがある。

「女を口説けない奴に広告はわからん。」と…。
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遺跡発掘は浪漫なり哉

2010年11月07日 | tete a tete

遺跡発掘は男のロマンである。
考古学に携わる人だけでなく。
遺跡の発掘作業は見ていると結構楽しい。
そして何より、この発掘の跡の
掘った模様というのか?それも面白い。

しかし、いつも不思議に思うのだが
何で昔の遺跡は埋もれているのだろうか?
古代の自然のままの地なら解るのだが
こういう人の住む地でも何故埋もれていくのか。
かねがね思っていて、今さら
未だ誰にも聞けてない不思議…。

掘っていて何かが出てきたら
キラーン☆彡
こういうこと…子どもの頃に一度は
経験した人も多いのではないか。
それの大人版が遺跡発掘なんだろうな。
だから、浪漫とは
子ども心に戻ることでもある。
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嗚呼!金沢異情

2010年11月06日 | cocoro

金沢は母方の在所である。
母は神戸生まれだが
戦時中は故郷小松へ疎開。
そこの航空隊か何か(うる覚えだが)
で勤労奉仕をしていたようだった。
OB会のような案内状が、昔
家に来ていたのを微かに覚えている。
昭和2年生まれだったから、18歳前後の
青春時代を戦争の最中に送った世代である。

その母方は九谷焼の絵師を生業としていた。
一度、母を連れて里帰りした時に、今でも
絵師をしている親戚を訪ねた事もあった。
おそらく下請けではないかと思う。
母の父、すなわち祖父は小松から出てきて
神戸で皿や壺などの陶器に絵付けをして
神戸港に寄港する外国人船員向けの
お土産品を主に商っていた。
私に少々の絵心があるのも
そんなルーツのなせる業からだろう。

その日、11月1日は
母が生きていれば83回目の誕生日だった。
奇しくもその日に私は金沢に出張した。
道中できれいな虹も見た。これも
母の私への愛情の現れだったのだろうか。

越前加賀、金沢は哀愁の地である。

“ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて異土の乞食となるとても
帰るところにあるまじや
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかへらばや
遠きみやこにかへらばや”

■室生犀星 小景異情ーその二 より
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湖北に架かる虹

2010年11月04日 | slow life

この日、金沢へ。

定刻に乗ったサンダーバードは
滋賀の比良あたりで動かなくなった。
強風で列車が停止したのである。
しばらく停止後、指定室からの指示で
これから北小松まで徐行運転すると言う。
私は「北小松」と聞いて驚く。
小松まで?と石川県の小松と勘違いした。
30キロの徐行運転なら、これは
夕方までには金沢に着かんのではと冷や汗。
しかし、北小松とは、湖西線にある
近江舞子の次の駅のことであった。一安心。
しかし比良山系から吹く風は強烈なんだなあ。

強風地域を抜けて、やがて
サンダーバード号は通常走行になる。
やれやれと思ったら、しばらくすると
きれいな虹が車窓に見えた。
特急が虹を追いかけているような感じだ。
七色までは判別できなかったが、それでも
かなりくっきり色合いの解る虹だった。
湖北に架かる虹。
出張のあい間のくつろぎの時間。
深まる秋の虹は、夏の虹と違い
そこはかとなく旅愁を誘ってくれたぞな。

“凩の列車止めたる湖北にて” 拙私有
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