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漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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北京で漢方研修・薬膳その2オードブル

2010-05-19 | 漢方的話題
北京の近代化、国際化の勢いはすさまじいものでした。
その勢いの強さは、ただ街中に立っているだけでも伝わってくる気がしました。
もしかしたらアジアの中で日本だけ、昔の偏見にしがみつき、
すっかり『井の中の蛙』になってしまっているのではないかとさえ思いました。
(このところの政治とか報道とかテレビ番組とかを思うとそんな不安にかられる・・・)

なにせ、ホテルのポーターが、私たちを見てにこやかに
「アンニョハセヨ」とか「コニチハ」とか、話しかけてくるのです。
何かを尋ねても率先して丁寧に教えてくれます。

15年くらい前の北京では、さすが共産主義のお膝元というか、
つまり、商業=サービス業という観念はまったくなく、
ホテルマンがお客にニッコリとすることなんて絶対なかった・・・
というより日本人がきらいだったのかなあ・・・ま、振り返るのがつらい歴史もいろいろあるし。
とにかく十数年で、見た目の都会化だけでなく、人もこんなに変わるなんて、半端じゃない。


ということで、今回は食事も気持ち良いサービスを受け、おいしさ100倍でした。
まずは前菜。


冬虫夏草入りソーセージ ピリッとした辛みで食が進みます。おしゃれな盛り付けが見事です。
冬虫夏草は肺腎を強化する働きがあります。


生薬ニクジュヨウを豚の腸(だったかな?)に詰めたもの。
ニクジュヨウは補腎陽、益精血。


羊の肉と当帰(トウキ)を煮たゼリー寄せ

当帰は、婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)を服用していらっしゃる方々には馴染みのある生薬ですね。
実は「当帰羊肉湯」という処方さえあります。羊肉のなべ料理に当帰を加えるという『処方』

つまりは、食と漢方薬は同じところにあるのです。


イカの姿煮ではなくて薬用ニンジンのハチミツ煮。上品な甘さでした。

ここまでがいわゆるオードブルといったところ。
冷やす作用のものは一つもなく、胃腸に負担のかかるものもなし。
さすが薬膳レストラン。まずは体を温めて消化力のウォーミングアップといったメニューです。

漢方の空間ファインエンドー薬局
次回はメインとデザートを。