『フランス短篇傑作選』 山田稔編訳 ☆☆☆☆☆
再読。随分昔に買った岩波文庫本だが、とてもいい短篇集なので時々引っ張り出しては読んでいる。収録されている作家はリラダン、シュオッブ、プルースト、デュラス、シュペルヴィエルなどめまいがするほどの超豪華メンバー。収録作品は以下の通り。
「ヴェラ」ヴィリエ・ド・リラダン
「幼年時代―『わが友の書より』」アナトール・フランス
「親切な恋人」アル . . . 本文を読む
『異人たちとの夏』 大林宣彦監督 ☆☆☆☆★
DVDで再見。これはいつ観てもやばい映画である。どうしても泣いてしまう。絶対に我慢することができない。観た事ない人にひとつだけアドバイスしておくと、これは観るなら両親が健在なうちに観ておくべき映画である。両親をなくしてから観てはいけない。号泣ではすまなくなる。ちなみに私は両親ともに健在である。
以下、完全にネタバレありでレビューさせてもらう . . . 本文を読む
『エネルギー(上・下)』 アーサー・ヘイリー ☆☆☆★
写真は洋書のものだが私が読んだのは新潮文庫(しかも古本)で、決して英語で読んだわけではない。画像が見つからなかっただけである。この本、日本ではとっくに絶版になっている。アーサー・ヘイリーの作品の中では『最後の診断』『ニュースキャスター』『マネーチェンジャーズ』ほどの傑作とは言えないが、それにしても充分面白い。アーサー・ヘイリーの天性 . . . 本文を読む
『自縛の紐』 ☆☆☆★
刑事コロンボ26作目。第4シリーズ最初のエピソードである。犯人はフィットネス・ビジネスの社長マイロ・ジャナス。インチキ・フランチャイズで暴利を貪っているのを暴露されそうになり、フランチャイズのオーナーを殺す。
フィットネス・ビジネスが舞台ということでいつにも増してカリフォルニア的な明るさ漂うエピソードである。アメリカのテレビではいつもダイエットやフィットネス器具 . . . 本文を読む
『レクイエム』 アントニオ・タブッキ ☆☆☆☆☆
最近タブッキ本を再読しているが、読み返すたびに魅惑を増していく作品の数々は本当に素晴らしい。この『レクイエム』は、『インド夜想曲』『遠い水平線』と同系統のいわばクラシック・タブッキである。今回の舞台は7月のリスボン。夏の盛りのある日、「わたし」は町をさまよい、実在の人々や、記憶の中から蘇った死者達とめぐり合い、会話を交わす。プロットは基本的 . . . 本文を読む