アブソリュート・エゴ・レビュー

書籍、映画、音楽、その他もろもろの極私的レビュー。未見の人の参考になればいいなあ。

無意味の祝祭

2016-09-28 22:09:54 | 
『無意味の祝祭』 ミラン・クンデラ   ☆☆☆★  再読。今のところクンデラが書いた最新の小説である。間を空けて二回読んだが、正直、『存在の耐えられない軽さ』『不滅』の頃のあのパワー、エネルギー、豊穣感はもはやない。あの刺激的な小説的思考、知の饗宴ともいうべき強靭な思索の冒険もない。すべてがますます軽く、上機嫌に、そして些末になった。  かつてクンデラの小説の「重たさ」を担っていたテーマ、つま . . . 本文を読む