6月14日(木)、千葉市立美術館へ出掛け、”甦る、江戸の媚薬”と題する『英泉』展を観て来ました。この美術館の友の会会員の方が都合で行かれなくなり、2枚のチケット有難く頂きました。家人はJRで千葉駅へ。私は途中本八幡まで都営新宿線利用で交通費を節約しての千葉行です。
市立美術館には「今中宏コレクション」と呼ばれる、夥しい数の英泉コレクションがあるそうで、今回の展示は市立美術館の作品を中心とした展示で、選りすぐりの約350点が紹介されていましたが、その殆どが美人画と風景画です。
「英泉作品」のみの鑑賞は多分初めてです。美人画も今まで鑑賞してきた作品と雰囲気が違います。舟中で、男性との怪しげな雰囲気の美女もいれば、胸をはだけた美女も登場します。「明治一代女」ではありませんが”乱れる裾も恥ずかし嬉し”の雰囲気の美人画も。解説文から、殆どが遊女・芸者を描いた作品と知りました。英泉が美人画の第一人者と認められるにつれて、遊女たちが競って描いて貰うことを頼み込んだほどの人気だったとも書かれていて、美人画が多い事が良く分かります。
「江戸八景」や「江戸名所」を楽しく鑑賞しました。私が見慣れた場所の江戸時代の風景。「御茶之水図」、「上野の晩鐘」、「根岸里」、「隅田川の落雁」等々。現在の様子からは想像出来ない風景がそこには描かれている訳で、失われてしまったものが、何故か懐かしく感じられるのでした。
その美人画と風景画が合体した絵が「傾城(けいせい)道中双六」。吉原の花魁を描いた美人画の中に小さな窓絵を描き、そのテーマが東海道53個所の宿場を描いた風景画という趣向です。
幼くして両親を失くし、流浪の末に浮世絵師となったという英泉。波乱万丈の人生にも重ね合わせられる様な、ダイナミックな画。今私が鑑賞してもエロチシズムが感じられ、それが江戸時代にも媚薬と受け止められたのでしょうか?
(今日、東京都行政書士会文京支部ホームページのスライドショー書き換えました。
URL http://gyosei-bunkyo.org/ 「5月の小石川植物園」)