盤双六とバックギャモンが源を同じくするゲームと知って、バックギャモンとは大凡どんなボードゲームかを知りたくて『バックギャモン・ブック』を借りて読み始めのが8月上旬のことだった。
その起源と歴史については次の様に書かれていた。
《紀元前3000年頃には古代エジプトでセネトと呼ばれるゲームがあり、バックギャモンの起源と考えられています。エジプトからローマへ、そして東へ西へと伝わっていき、アジアではナルドというゲームが確認されています。魏の時代に中国に伝わり双陸と呼ばれ、日本へは大陸から飛鳥時代に伝わり盤双六(雙六)と呼ばれました。正倉院には聖武天皇愛用品と伝わる雙六盤が現在も保存されています》。確かに盤双六とバックギャモンはその源流を同じくしていた。
9月に入って、ネットで2千円台のバックギャモンをネット購入し、ゲームのルールを読みながら駒を動かしてみた。
ゲームの内容をやルールをご存知の方もおられようが、概略を綴っておくと、
(1)駒の並べ方 このゲームは二人が対戦する(相手と自分とする)ゲームで、例えば自分の駒が黒、相手の駒が白とすると、双方15個の駒を右の図の様に並べる。1~24の数字はポイントと名付けられている。
(2)駒の進み方 お互いの駒がすれ違うように、Uの字の様に進む。右図が自分の進み方の図で、相手方はこれと反対に進む。
(3)先手か後手かはサイコロを振り、大きい方を先手とする。
(4)ゲームの進め方 サイコロを2個振り、その目の数と同じだけ駒を進める。例えば③と②がガ出たら、ある駒を3つ進め、他の駒を2進める。ある一つの駒を、3+2の合計5進めても良い。自分が駒を動かし終わったら、次に相手がサイコロ2個を振り、駒を動かす。これを交互に繰り返す。
(5)駒の上がり 自分の15個の黒駒を自分のインナーサイド(1ポイント~6ポイント)に入れ終わったら上がり。即ち自分の勝。相手が自分より先に、15個の白駒全部を相手のインナーサイド(19ポイント~24ポイント)に入れ終わったら相手の上がり。即ち相手の勝。
細かいことはさて置き、私が小学生の頃遊んだ双六とバックギャモンは、目的は同じで、駒を目的地に着けること。違いは、双六がサイコロ1個を振るに対してバックギャモンは2個振る。双六が1個の駒を進めるに対してバックギャモンでは15個の駒を進める。相手の駒を追い出すことも出来るのだった。その為どの駒を動かすなどの判断が難しく、そこで戦略的な考察も必要になるらしい。
白河天皇の心にかなわぬものに3つあり、賀茂河の水、双六の賽、山法師、との逸話は有名で『平家物語』にも書かれていた。NHK大河ドラマ『平清盛』にも盤双六で遊ぶ場面が登場していた。その頃既に戦略的な考察が進んでいたとは思えないが、現在ではAI搭載のプログラムがバックギャモンのトップを凌いだというのがトッププロの共通認識になっているそうだ。
この世界では日本人が世界ランキングの上位を独占しているらしい。
妻は私の相手をするほど暇ではないらしく、私は、2人で対戦するゲームと1人で格闘している。(写真:購入したバックギャモンで駒を並べたところ)