マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

NHKスペシャル『黒い津波』を見て(その2)

2019年03月09日 | 地学・天文

 NHKスペシャル『黒い津波』では、津波が黒くなっていった主原因を、津波が削り取った海底のヘドロと分析し、最近まで知られていなかった”黒い津波”の、新たな脅威を報道していた。前回のブログに続いてその脅威を綴ると、


 

 ⑥水死した方の9割は溺死と判断されて来た。しかし、検死した医師たちは単なる溺死ではかなった可能性を指摘し始めている。300人以上の検死を担当した教授は、土や砂が肺に詰まり窒息した人もいたのではないか、と考えている。検死した法医学者へのアンケートでは、泥の誤嚥による窒息があったのではないかとの回答が多数寄せられていた。死者の増加に”黒い津波”が影響したと8割の検死した医師が感じている。

 ⑦黒い津波は、あの日を辛くも生き永らえた人々の命を脅かし続けている。「津波肺」という重い肺炎。ヘドロなどの粒子は細かいもので、その大きさは4マイクロメートル(4/1000ミリメートル)。肺の奥深くまで達するほどの細かさで、肺胞にまで達すると、肺から水分が抜けたとしても津波の粒子は肺胞に残り続け、炎症を拡げてしまう。(写真:保管されていた”黒い津波”の分析)


 ⑧黒い津波は乾燥した後に形を変え、粒子が粉塵となって被災地を覆った。それを大量に吸った結果、粉塵が肺に入り重い肺炎に繋がっていった。「黒い津波の脅威は生き残った方のほうにも事件が起こる」と語った医師もいた。(写真:入組んだこの国の海岸線)




 ”黒い津波”の発生の恐れのある、入り組んだ地区は日本各地に存在する。都市部の港湾地帯にも発生の可能性がある。川崎市などもその一つで、海底調査の結果ヘドロの存在が確認された。(写真:住民への説明会を開始した川崎市)
 明らかになって来た”黒い津波”の姿。巨大地震の発生の恐れがある今、専門家たちはそれに備えるよう住民に訴え始めた。”黒い津波”の来襲を前提に防災対策を進めることが急務とも指摘していた。
 番組の最後に有川教授は「津波が来る前に逃げ出す。家屋建築では”黒い津波”により浮力が増すという前提に立った設計が大事」と語っていた。

 2万人近くの命を奪った津波の実情にどこまで迫ることが出来るのか。その解明は今なお続いているのだった。


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