マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

深田研『地質痕跡と古文書から過去の地震津波の実像に迫る』

2018年06月18日 | 地学・天文

 我が家から三田線千石駅に向う途中に「深田地質研究所」がある。徒歩5分くらいのところに位置し、時折、立ち寄って玄関前に張り出された「深田研談話会」の案内を見て、興味があるテーマだと、ネットで参加を申し込む。第184回の講演「海底資源」は特に面白かった。






 
2ヶ月ほど前だったか表題の講演の案内が張り出されていて、私にも妻にも興味津々のテーマ。早速申し込みをしようとして、内容を熟読すると「参加費5,000円(資料代を含みます)」とあった。いくら何でも5,000円は高すぎる、二人で1万円か、と申し込みを断念した。
 しかし、都司嘉宣(つじ よしのぶ)さんのこの講演、聞き逃すには惜しいテーマであり、兎も角資料を手に入れたかった。そこで妻に「私が2,000円出すから、聞いてきたら」と提案した。私より聴力も記憶力も優れている妻が講義を聞いてきて、それを丁寧に説明してもらえば目的は達せられると判断し、妻にその旨を告げると勿論大賛成。
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一緒にと誘っていたトモさんは用事で断念したが、妻の友人で、大学院で地質学を学んだチヨさんは大乗り気。かくして二人はネット抽選50人の枠を潜り、一昨日講演を聞いて来た。二人の講演評価は「素晴らしかった」と。妻は早速資料をコピーした。A4にして61枚。大半がカラー印刷である。講義代が高いことが少し理解出来た。そのコピーを基に、来週地域活動センターの一室で、妻がトモさんと私に説明する手はずも整った。

 今、私の手元にはそのコピーがある。垣間見ると『講演内容 -津波研究者は探偵であるー』に始まり、探偵さんは10の謎を解いたらしい。
 謎2 三陸を襲った津波が真っ黒である謎
 謎3 百人一首「末の松山」の和歌の謎
 謎6 和歌山県御坊市を襲った安政南海地震津波  などなどである。
 妻からの説明を聞いた上でブログに綴ることもあるかと思うが、今日はまず、問わず語りに妻が語った謎2について記しておきたい。


 東北日本の沖には、濃い緑色の親潮が流れている。しかし三陸を襲った津波は真っ黒であった。何故か?現在YouTubeで当時の様子を見てもどす黒い。
 謎解決の発端は、石巻市で漁船を沖出し避難した船長の証言と海表面のTBSのビデオ映像にあった。船長は「海表面が墨の様に黒かった。ところどころ泡が沸き上がっていた。鼻を刺激する臭いがした」と語った。ビデオ映像には、大きなパッチ(斑点)状の海水の沸き上がり場所(プリューム)が見える。
 

 このことから、探偵(都司)さんは黒い津波は黒潮と判断した。普段は房総半島辺りから東へと流れる黒潮が3月11日、普段より北上し、親潮と合流し、津波となって三陸地方を襲った、と解釈した。外洋に面した海岸に来た第1波からしてどす黒かった。


(門外漢の私が推理するのはおこまがしいが、南下する親潮と北上する黒潮は普段房総半島辺りでぶつかり、親潮は東方向へと流れを変える。地震により東方向へ流れを変えた親潮の、南方向への流れ・圧力が減少した隙をついて黒潮はより北へと移動し、三陸沖の津波と合流したのかもしれない)
 上の写真に見られる如く、津波来襲中に茨城県大洗港沖に出現した大渦からは気泡と海水上昇湧昇が見られる。船長が鼻に刺激臭を感じたことから、それはメタンガス。黒潮はメタンガスを多く包含している。そこから、探偵さんは真っ黒い渦の正体を黒潮と鋭く推理し、謎を解いたのだ。


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