どるち & えこう の 『美術館・博物館めぐり』 & 『美味しいもの』日記なのだ

プレーリードッグのぬいぐるみの『どるち』と 飼い主?の『えこう』が書く 美術館・博物館や 飲食店の感想なのだ

『動物の絵 日本とヨーロッパ ふしぎ・かわいい・へそまがり<前期・後期>@府中市美術館』なのだ

2021年11月14日 | アート【展覧会 & 常設】(~2022年)

ぼくらわ 府中市美術館で 11月28日まで開催している<動物の絵 日本とヨーロッパ ふしぎ・かわいい・へそまがり>を2回(前期・後期)見に行ったのでまとめて書くのだ



ぼくが気になった作品なのだ

1番良かったのわ 徳川家光の作品なのだ

もう展示わ 終わっているけど<兎図>なのだ(※部分画像なのだ)


切り株の上に乗っているウサギを描いてるそうだけど ぼくにわ ウサギを擬人化させて 切り株の黒いのがマントを羽織っているように思えて ウサギ怪人っぽくて? 可愛かったのだ


<木兎図>なのだ


きょとんとしていて ゆるい感じのミミズクで こちらも可愛いのだ


<鳳凰図>なのだ


解説に「ぴよぴよ鳳凰」って書いてあって 納得だし これもすごく良くて 見ていて和むのだ


円山応挙<雪中狗子図>わ 可愛いのだ(※部分画像なのだ)



あと 長沢芦雪(蘆雪)が描いた ちょっと睨んでいるような<蛙図>も良かったのだ


お目当てだった 徳川家光のゆるくて可愛い作品を見れただけで大満足なのだ



ここから先わ えこうの感想なのだ

府中市美術館 <動物の絵 日本とヨーロッパ ふしぎ・かわいい・へそまがり> 11月28日(日)まで

https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/tenrankai/kikakutenkaisai/2021_3_doubutu.html

展覧会のサイト
http://fam-exhibition.com/doubutsu/

作品リスト
http://fam-exhibition.com/doubutsu/assets/pdf/list.pdf




展示構成

第1章 動物の命と心
 同じ仲間に心を寄せる
 動物の命と心ーヨーロッパの人々の悩しさ
 擬人化した動物で人間を描く

第2章 いろんな動物、いろいろな絵画
 動きと姿
 目地らしい動物を描きたい
 本物みたいに描きたい

第3章 動物から広がるイメージ
 縁起物
 なぜヨーロッパには動物の絵が少ないのか
 ファンタスティック

第4章 愛おしいもの
 一緒に暮らす
 健気なもの、おかしなもの
 聖ヒエロニムスのライオン
 徳川家光の動物画
 子犬の絵画

展覧会名にある通り、日本画とヨーロッパの洋画、版画などの動物の絵が前後期合わせて183点を展示しており、今の後期展示だと約120点展示しています。


気になった作品

3.八相涅槃図 ※展示終了

涅槃図は釈迦の2月の命日に各寺院でまつられるそうです。中国やインドにも涅槃図はあるが、たくさんの動物が描かれているのは日本の特徴だそうです。日本の場合は人と動物も同じ命を持つ仲間という考えがあったから、動物たちを描いたのだと思った。

人間や仏の精緻な姿、動物や霊獣たちの可愛さがいいし、画面左下にはクジラなどの海の動物たちまでいた。


4.伊藤若冲 象と鯨図屛風 ※展示終了


左隻


右隻


涅槃図をヒントに描かれているそうで、白象と同じポーズのものがあったり、江戸時代ものには、海の動物も描かれているものもあったそうです。

陸と海の最大の動物の呼応、白と黒の対比がいいし、今回見て思ったのはクジラの口元が見えないから間違っているかもしれないが、この2頭で『阿吽』を表しているのでは?と思いました。


12.葛飾北斎 雪中鷲図


晩年の作品、湿り気のある雪が積もる木に休むワシが描かれ、体が大きく足がどっしりして雄々しく。上空を見てほほ笑んでいるように思えた。


15.永瀬雲山 竜虎図 ※展示終了

双幅。歌舞伎の見得を切ったような竜の表情がかっこいい。一方、虎は吠えているのだが、ユーモラスだった。


30.藤田嗣治 授乳の聖母

4年前にも見ていて嬉しい再会。

赤子のキリストに授乳をする聖母が描かれ、聖母子の周りには、ライオン、オオカミ、カンガルーなど育児をする様々な動物たちの母子が描かれ愛らしい。

聖母が手にしている、鳥の巣の中にいるのは、キリストの受難を示すゴシキヒワのようです。


33.伊藤若冲 河豚と蛙の相撲図



34.遠藤曰人 蛙の相撲図 ※展示終了 *部分画像



39.歌川国芳 きん魚づくし ぼんぼん ※展示終了



40.歌川国芳 金魚づくし いかだのり



44.フランシスコ・デ・ゴヤ 祖父の代まで(『気まぐれ』より)


解説には、こう書かれています。
『実際にロバは賢い動物なのだそうですが、のんびりとした雰囲気のためか、西洋では間抜けの人のたとえや、愚鈍な象徴にされてきました。ここでは、家柄ばかりを自慢する貴族を痛烈に批判するために使われています。自分の血統図を手にするロバ。こちらを見て満足げに笑っている。』


49.原在照 三猿図

一匹で「見ざる、聞かざる、言わざる」を両手両足を使って表現していて面白い。

解説の一部には、こう書かれています。
『江戸時代、庚申待(こうしんまち)という行事が盛んに行われてました。庚申の日の夜に眠ってしまうと、人の体内にいる寿命を司る虫が抜け出し、天帝にその人の悪事を報告するということです。そこで、こうした三猿の絵などを「御本尊」として掛けて徹夜しました。この絵も「庚申日」に描いたことが、絵の中に記されています。』


50.豊田随可 旭丹頂・月黒鶴図 ※展示終了

双幅。左幅に丹頂鶴と朝日を、右幅には黒鶴と月を描いた作品で、白と黒、太陽と月の対比がかっこいいのと、丹頂鶴の頭の朱色と黒鶴のくちばしの緑(緑青)がいい。

あと月は、掛軸の素地をそのまま生かして回りに薄墨を塗る外隈の技法を使っていたような?


51.筒井政憲 亀群遊図 ※展示終了

画面からはみ出るように描かれた大きな亀の甲羅の上に、たくさんの小さなカメが描かれ、皆で集まり塔を作っていたり、逆さになってもがいていたりと、発想が面白かった。


56.筑陽 寿星図

解説には、こう書かれています。
『「寿星(じゅせい)」は、りゅうこつ座のα星、カノープスのこと。その星が神格化され、人の姿となったのが、この長寿の神様で、寿老人や福禄寿のおおもとになったと言われます。太い線描を使って芦表された寿星は、異様なまでのインパクトです。しかし、本展での主役は白い鹿。寿星に負けじとばかり、バチっと見開いた目で存在感を主張しています。』

一言で言ってユーモラス。


57.曽我蕭白 遊鯉図

さぶんと水の中にダイブしたかのような大きな鯉で、背景が黒、鯉も波も黒と金で描かれ迫力がある。

初め見た時に鯉が妖怪のように思えた・・・。さすが曾我蕭白といった感じだった。


60.リエ=ルイ・ペラン 横たわるデュテ

デュテはヨーロッパ貴族や王族と浮名を流した女性で、右端には眠る犬が描かれており、犬は飼い主に忠実なので「貞節」の象徴なのだが、寝ているのでその反対、「気の多さ」と読むことができ、恋多き彼女にはぴったりな象徴だそうです。

なんとなくだが、構図は<ウルビーノのヴィーナス>を真似て描いたのかも?


67.西郷孤月 春暖 ※展示終了


青みががった白い芥子の花畑を歩む白馬が描かれており、手綱が足に絡まりそれ以上先へと進めないように見える?背景の雲?のようなものがあり、夢の世界のようであった。


65.中村芳中 蝦蟇鉄拐図

1つの掛軸に三本足の蝦蟇を操る蝦蟇仙人と、口から自分の分身を出す鉄拐仙人を描いており、ゆるい感じだった。


82.原煌 虎図 ※展示終了

ユーモラスなおデブなトラで愛嬌があった。


83.森祖仙 手長猿図 ※展示終了

私の中では森祖仙は猿の絵師ってイメージがあって、写実的な感じで毛の描き方がいいし、やっぱり上手い。


84.片山楊谷 白虎図 ※展示終了

中国の四神の白虎を描いており、金色の瞳やひげで神々しく。この展示スペースには3点トラの作品が展示していて、3点の中で1番良かった。


100.松井慶仲 虎図

水墨の作品で、掛軸の画面いっぱいにトラの半身が描かれ、インパクトあり。上を向き、喉元の白い毛を自慢げに見せているように見え、「この毛いいだろう!」って言っているようだった。


114.葛飾北斎 河豚と大根図

大根は毒消しの効果があるとされていたからの組み合わせだそうで、ちょっとリアルな感じもあるつつ、気味悪い?


123.長谷川潾二郎 猫と毛糸 

アンリ・ルソーの影響を受けて描いたもので、下にある毛糸は上手く描いているのに、肝心の猫は、素朴でゆるい感じでのっぺりしていて可愛い。


124.長谷川潾二郎 猫

ずっと前から見たかった作品。NO.123から36年後の作品で同じくネコを描いているが、リアルな眠り猫で飼っていたタローがモデル。同じ姿勢にするのは苦労してヒゲは描けず、亡くなってから描いたそうです。

上の解説をふまえて見ると、長谷川潾二郎さんは、タローの死期を悟って描いていたのかも?と思った。

この作品のポストカード欲しかった・・・。


131.オーギュスト・ルノワール 庭で犬を膝にのせて読書する少女



141.伊年印 虎図

伊年印は俵屋宗達の工房で使われていたそうで、インパクトのあるおデブなトラが描かれていた。


168.円山応挙 藤花狗子図 ※展示終了

丸々としてフクフクな子犬、可愛くて上手い。あと、藤の花もキレイだった。

 
175.長沢蘆雪 狗子図 ※展示終了

師の応挙の作品に比べて、芦雪の子犬は可愛さの中にゆるさがある。


183.福田平八郎 狗子 ※展示終了

二匹が寄り添って眠っている。色合いからして、そのまま消えてしまいそう?そうふまえて見ると、亡くなった子犬たちを描いていたのかも?と思った。


あと、結城素明の<鳳凰之図>も良かった。


展覧会のチラシの画像です。(クリックすると大きな画像で見れます。)
   


日本とヨーロッパの動物の作品を見て、動物の捉え方の違いがあり、日本では動物の世界をそのまま描き、ヨーロッパでは動物を通して、人の醜さ、滑稽さを描き出そうとしていたのは、勉強になった。

まだ、会期はありますし、府中市美術館はちょっと遠いけどオススメの展覧会だと思いますよ。


この後わ 吉祥寺駅に移動して<ピッツェリアGG>でランチをしたんだけど そのことわ 今度書くのだ