1/22に写真で記した野坂昭如さんの本で知った長部日出雄の、”津軽空想旅行”文庫本を借りだした。
佳い本である。昨夜からわずかにページを捲っただけだが、太宰やアラン・ブースの津軽を想い出しながら読めそうで愉しみ。妻と結婚した1975/6月に発行の本なのに、十三湖の漁師が不漁と死んでゆく海を嘆いている。鋭い視線を感じる。繁栄の残滓のビニール屑が漁網に絡み、かつ、海底に堆積してプランクトンや小魚の繁殖を抑えていることを嘆いている。半世紀近く後、田圃にせっせと外殻プラスチックの一発肥料を置いて伊勢湾に微細プラスチックを流しこんでおる私は自嘲するしかないのか。
薄い文庫本だが、ゆっくり作者の足を追いかけよう
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