崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「絶縁」

2020年05月25日 22時20分46秒 | エッセイ

昨日戦後の日韓関係を生きてきた私として「善隣友好」は無理、「絶縁」と書いた。国家の政策からではなく、人と人の関係から考えてみたことである。人間関係を拡げて生きるのは誰しも同様。しかし中にはいろいろ、遠避け、絶縁、あるいは消えていった関係も多い。友人、同僚、隣人などの関係でも不便な関係を避けて、切ったものも多い。切っても切れないのが血縁と思われる。
 民族も国家もそうである。日本と韓国は、隣国でありながら互いに信頼しない。私はサハリン瑞穂で日本人の朝鮮人虐殺事件を知って「民族」というものに不信感を持つようになった。植民地帝国とはいえ、同じ国民であったのに殺し合うという民族とは何か、人間の本質に疑問を持った。単一民族国家の民族を本格的に考えなければならない。