崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

太陰暦

2018年02月13日 06時31分04秒 | 講義

 日本在住の韓国外交官の年中行事の日程を見たことがある。韓日両国の休日は休務するという。それに限らずカレンダーには外国の祝日、クリスマス、バレンタインなどが多く入っている。古く遡れば太陰暦で中国発の年中行事が多くある。明治以来のいわば西暦化、カレンダーは西暦になっても年中行事には陰暦が旧暦として残っている。日本の統治下に日韓の両民族はカレンダー、年中行事をめぐる葛藤があった。戦後も李承晩・朴正熙大統領時期にもそうであった。その後伝統的な年中行事はほぼ復元されて旧暦化され、旧正月、秋夕等々が守られている。
 私は若い時から年中行事のリズムに乗らず自分の生活リズムを作り出した。韓国の民俗学会で伝統、民俗への復元運動にも否定的であった。日本では旧暦化への話はほぼ聞いていない。しかし私の同僚であり友人である金田晉教授が異例にも旧暦行事に注目し、昨日の「毎日新聞」全国版に東アジアとの文化的交流を主張している記事が載っている。ワンアジアの講座でも語っておられた。私が勤めている大学にはこのような全国的に著名な研究者が多いが、この山口地域のメディアに報道されることはない。地域では「郷土愛」「地元主義」以外は意識されていない。その根本的理由は政府の地方への「左遷制度」にある。大英帝国は植民地に優秀なエリートを送った制度を想起べきであろう。


スポーツナショナリズム

2018年02月12日 07時00分42秒 | 講義

 スポーツナショナリズムが懸念される。特にオリンピックは主催国家(本当は都市)によってナショナリズム、国益のために運営されているのが常である。今度の韓国の場合、政治オリンピックとなっていて懸念する人は多い。平和を訴え、南北合同チームがスイスに惨敗した。合同チームがアイスホッケーであったのは皮肉にも日本の植民地を思い出させるものである。日本は満州支配において開拓移民を促すために寒い凍土にアイスホッケー、スケートなどのスポーツをもって日本の近代化のイメージを定着させようとした。満洲映画はスポーツを背景にした場面を多くみることができる。私の指導を受けている林楽青氏はその満洲のイメージ形成のプロセスに迫って研究している。


『慰安婦の真実』の出版記念講演会のご案内

2018年02月11日 06時59分10秒 | 日記

 拙著『慰安婦の真実』の出版記念講演会のご案内

時:2018年2月24日午後3-5時

場:下関シーモールパレスルビー

下関市長をはじめ、多くの市民が参加する予定である。著者のサイン入りの拙著を差し上げて、著者が講演し、読者の感想、談話の時間を持つ予定である。すでに呼びかけ人たちから招請状が送られておられる方もおられるかもしれないが、遠くの方には失礼になったかもしれないが、お知らせであり、案内ですのでお許しを願をいたい。ご参加を希望される方は17日までご一報してください。

 


平昌冬季オリンピック開会式

2018年02月10日 06時00分38秒 | 日記

 嫌韓派たちは嫌な政治オリンピックと嫌ったかも知れないが、昨夜辺鄙な山の中、平昌で、冬季オリンピックの開会式が行われた。そこにそんなにたくさんの人を集め、2時間たっぷり予定通りに進行し、世界を感動させたのは成功的に評価される。パーフォーマンスは政治とは別に評価しても良い。世界の映像技術、韓国の政治力、実行力などが総合されたものと言える。客観的とはいえ、言葉以上に実行するのは難しい。まず自分の態度、例えば否定的な態度を克服しなければならない。
 私は貧困時代の1960年代に韓国で、辺鄙なそして貧困極まりないこの地域、太白(黄池)と寧越の炭鉱村、旌善アリラン、
李孝石の「ソバの花が咲くころ」(小説)の蓬坪町や、山村の新里火田民を調査したことでがあり、その村の祭りとしてオリンピックを見て感動したのかもしれない。私は華麗な夜空の映像をテレビので観ながら戦後の韓国の歴史の流れを感じた。私の恩師たちがアメリカに留学して帰国して、実用主義を教育し、数人の先生は文部省の長官などの役職までして韓国の教育を担ってきた。その初期に教育を受けた私は、その結果を昨夜見たのである。


月刊誌にインタービューされた

2018年02月09日 06時43分30秒 | 日記

 大学のエレベーター故障解消の知らせがあった。嬉しい。しかしまだ安静の時。昨日は東京から有名な月刊誌の記者から拙著『慰安婦の真実』について自宅でインタビューを受けた。彼は主に文学、芸能、スポーツなどに関する記事を書くベテランであり、下関は初めてだという。ヴェランダに立って絶景だと言った。私からのサービスである。話は楽しく、スムーズに行われた。拙著で紹介した慰安婦帳場人の日記は慰安婦の真実を知る上でこの以上良い資料はないと断言した。ただこの一冊で慰安婦全体が分かるかという愚問がある。資料を読まず反対か賛成かという社会運動者こそこの本を勧めたい。この本がまだベストセラーマークが付いている。読んで欲しい。 


私の全集出版の状況

2018年02月08日 06時11分07秒 | 日記

 古い友人であり同僚である金田晉教授が私の恢復状況を見て冗談で「なかなか死なないね」と、一昨年の死境をさ迷う手術を思い出してくれた。今度の出血の時も家内が出勤直前であって救急車で運ばれたのである。長い人生を振り返ってみると数回死境があったが残された。誰か私の人生ドラマの脚本家(神様)が存在すると思う。そのような状況に周りの人は私に残された仕事がまだ残っているからだと慰めてくれる。昨日韓国ソウルの民俗苑社長と相談した。私の全集出版の状況などが分かった。去年私が企画、日韓両語の7冊セットの『絵葉書から見る近代朝鮮』(写真)が高価にも関わらず日本で多く売れていること、韓国でその3分の1ほどの売れ行きだという。本の製作はもちろん、販売について苦言を言った。一緒に書店に寄った。私の本が店頭と地域など3か所に平積に置かれている。この人口が少ない下関で、すでに数十冊が売れたということは私がこの町で愛されていると感じた。電話で私の出版記念会に下関の前田晋太郎市長が来られ、ご挨拶をしてくださるとの連絡があり、本当に嬉しかった。


「鼻にかけると鼻飾り、耳に掛けると耳飾り」

2018年02月07日 05時53分21秒 | エッセイ

 日本の寒波、暴雪のニュース、寒波の中でのオリンピック、台湾の東部花連で大きい地震があったという本日のニュースを聞き、台湾の友人、知人を思いめぐらし、考える朝の始まりである。オリンピックの政治問題は常に注意されながらも強化している。国家間競争のゲームが面白いところでもある。米朝関係の緊張関係から生じた南北合同チームが劇的にでき、統一を悲願とする半島の夢が叶うかもしれない。昨日北朝鮮の万景峰92号が韓国の東海港に着いた。私も乗ったことのある大型客船である。韓国には反共法が存在する。それに反するが「例外」だという。偉人は法律を超えて大きい業績を残すかもしれないが、人気大統領も後に問われるときはその法律が足鎖になるかもしれない。「鼻にかけると鼻飾り、耳に掛けると耳飾り(코에 걸면 코거리, 귀에 걸면 귀거리)」という重大な価値観や法意識の乱れになるのはどうするのか。広い見識のある指導者が欲しい。世間の人気や噂に敏感な参謀たちの顔が浮かんでくる思いである。
 元フジテレビアナウンサーの有賀さつきさんの死に方を考える。「急死」と報じられているが本人は死を覚悟して終結をきちんとしたことに注目したい。入院中、看護師に向け「娘のことが心配」などと語りながら死後のことを整理するなど終結をして、病名など死因を家族にも秘密にして亡くなられた。とにかくきれいに整理して死んだ例である。なぜ死ぬ前に死を認めたのか。宗教とも関係があるのか。死後観はあったはずである。私は死んだ後も何らかの形で家内などとコミュニケーションができると信じている。人は死んでもいろんな人の心に生きる、それが私の死生観でもある。

 
 
 

回復している

2018年02月06日 06時11分51秒 | 病床日記

 多量出血の関係で多少気力が弱くはなってはいるが、徐々に回復している。慰められることが多い。お見舞いの電話、メールなどが多かった。拙著『慰安婦の真実』の5刷の話、島根の「山陰中央新報」に掲載された酒井先生の書評が届き、北九州宣伝広報誌の「KITATAMA」に掲載された冊子をいただき、東京の有名な月刊誌からのインタビューに来られると言う話、などなど嬉しく感謝している。昨日藤中、権藤、林の諸氏により作業が行われ、出版記念会の案内往復はがきを投函したようである。病弱になると気が弱くなるが、一方助けを求め、協力を願う勇気が出るのは不思議である。


安静「怠け者」

2018年02月05日 06時53分05秒 | 病床日記

 多くの方から無理せず安静にするようにと言われており、安静にしようとしても何が安静なのか、分かり難い。私はただ「怠けもの」になることではないかと感ずる。楽ではないが苦(痛)と叫ぶほどでもない状態であり、だまっていることは辛い。考え、書き、話す、などは私の日常である。安静はそれをしないで休んでいることであり、私の偏見の「怠け者」になることのように思われる。昨日千葉に住んでいる義理の姉からその地域の読売新聞に拙著『慰安婦の真実』の広告が出たという電話があった。まだベストセラーマークが付いて売れ行きランキング上位を維持している。出版社には製作過程から広告まで大変お世話になっている。また知人、読者からの書評、コメント、励ましに感謝している。慰安婦合意は慰安婦問題からかけ離れ、「約束」を守るのか破るのかの信頼の問題に変わってしまった。約束を守れないときは謝罪するのが礼儀である。謝り、感謝などにより日韓関係も良くなることを祈る。


退院

2018年02月04日 07時50分19秒 | 病床日記

 以前手術、入院した病院に入院して昨日退院した。ソルジェニーツィンが書いた刑務所と病院は似ているという文を思い出す。帰りに主治医の内科によって緊急診察をうけて、投薬の調整について説明を聞いた。また生かされた感がする。血が止まって全体的に安定していくようである。心臓薬として有名なサラサラ薬が効き過ぎ、危険性が知らされた。薬と安全のバランスをとる必要がある。心配なのは大学の研究室のある7階まで行くのにエレベーター故障。物品の取り寄せのため止まったままである、大手企業三菱製が故障して3週間近くなるのになおらないということは問題である。その研究棟での仕事は中止せざるを得ない。

 島根県松江に居住する酒井先生の書評が山陰中央新報に掲載された。私が住んでいる山口ではない、他県の新聞読書欄に掲載されたことに非常に光栄と思っている。


激痛と安楽

2018年02月03日 07時34分03秒 | 旅行

入院して鼻出血の経過観察中だったが止血されておらず電気メス(?)で止血処置をしてもらった。

激痛に耐えるのに力が入るのにナースは楽にしてという。この半端ではない激痛に安楽にという矛盾の中、7~8回くらいの焼却処置(?)だっただろうが私には10数回に思われた。後で家内と一緒に先生に呼ばれてお話を聞いた。鼻には異常なし。耳鼻科の治療は終わったとのこと。後は内科で薬をコントロールするように、自分は薬に関してはタッチしないとのことだった。新井先生は荒くて大胆な仁術を施す医師だった。本日退院、月曜日には内科受診予定。以上経過報告です。読者の皆様にご心配をおかけしまして申し訳ありませんでした。そしてありがとうございました。


入院

2018年02月02日 06時39分32秒 | 日記

昨日は安静にして一晩過ごし、血圧も安定、家内が出勤しようとした朝8時過ぎにまた鼻出血、抗凝固剤を服用しているので出血が止まらず救急車で病院へ。止血処置をしても完全には治まらず、様子を見るため少し入院することになった。最近看護師の家内の看護に幸せを感じている。しかし、命の短さを感じ失望していた時、医師の倉光氏の言葉に慰められた。薬の調整が必要だとわかった。


鼻出血

2018年02月01日 06時20分06秒 | 日記

 韓国では熱心にすることを「鼻血がでるほど」と表現する。私は過去鼻出血の体験が一度もなかった。入試勉強の辛さを覚えていないし試験の目前にも熱中することはなかった。好きなように普段少しつつするのが常であった。しかし昨日は突然研究室で多量の鼻出血があり、私はもちろん同僚、学生、保険師、家内が主治医の池田先生にまで連絡するほどの騒ぎになった。血圧がかなり上がっていた。ハードスケージュルであったのは事実であるが、それは日常のことであって、この鼻出血は不思議に思う。ただ高齢者であることの赤信号であると受け止めるしかない。お世話になった方々に申し訳なく思う。そして感謝である。