崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

『風の匂 土のにおい 人の温もり』

2013年04月17日 04時31分13秒 | エッセイ
 人はそれぞれ旅をした体験をよく生かして生活しているはずである。何も記憶に残っていないもの、印象強く残っているもの、さまざまであろう。メモや日記、写真、映像などで残している人は多い。よいスケッチを残している人が居る。画家の堀研氏のスケッチブック『風の匂 土のにおい 人の温もり』を開いて私のフィールワークを反省している。私は人の話や行動を観察し、ノートと写真で記録してきた。本書を読み鑑賞しながらスケッチの意味を考えることが出来た。私が昔山の麓に住ん人にその山の形を描いてくれと注文したが覚えて描ける人が少ないことに驚いたことがある。私は生まれ故郷の周りの山の形を覚えているのは小学校の時間に絵がいたことがある事を思い出した。スケッチは記憶にダイナミックな力を持っている。堀氏の旅行地は多く私とダブっている。しかし彼のスケッチには記憶が濃く残っている。白黒のものもあるがカーラーのものが多い。私は多くの人と風景をカーラーで見ていたが記憶は白黒にされてしまっている。彼の本から世界のいろいろなところの自然や人の記憶が生きていることを感じている。そして彼自身の「人の温もり」と奥様の内助の功を感じさせられた。
 彼とは戦前巨文島で生まれ、戦後から豊浦町在住堀麗子氏の息子として知ることが出来た。その娘さんが現在韓国嶺南大学校の教員の堀まどか氏、堀家と3代続きの付き合い、永く堅強である。アトリエで立っている彼の写真を撮った。しかし強く記憶に残こすためにはスケッチの方がよいだろう。




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