崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

NHK取材を受ける

2011年05月19日 04時41分50秒 | エッセイ
 終戦記念放映のための証言と関連したプログラムに関して取材を受けた。ディレクターの方が東京から下関までこられた。拙著の『樺太朝鮮人の悲劇』を精読してきたので話は重要なポイントに迫って私の講義のようになった。戦争中の交戦のあとから治安不在アノミー状況で人間性喪失、動物化しくことを強調した。それに対してそのディレクターからは「人でなくなってしまうような混沌とした状況は、いつの時代も悲劇が生まれ今も繰り返されていますね。そこをきちんと描くように頑張ります。」とメールが届いた。
 私は拙著で終戦中サハリン一農村で起きた瑞穂事件を扱った。それは事例報告で終わるドキュメンタリーではなく、そこに普遍的なメッセージを伝えようとしたものである。そのメッセージをきちんと読みとってくれた人は少ない。この取材にそれをめぐる話ができたことは嬉しかった。そのプログラムのためにこれからも協力し、よい作品になることを期待する。私は「われわれは法律、規制や対面意識のない無重力状況でもよい人になりうるか」という根本的な問題点を提示したい。

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