崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

病院と墓石屋

2009年08月26日 06時28分25秒 | エッセイ
 韓国仁川にはサハリンからの帰国者の高齢者福祉病院があり、その隣に火葬場がある。ある老人はそれについて便利で良いと言った。また韓国では大きな病院が葬儀場も営んでいる。病院で死んで、隣で焼かれて、その隣の墓石屋で墓が作られることは残酷にも感ずるし、便宜とも感ずる。しかし病院はヒポクラテスの言う通り、命を扱うところであり、死を扱うところではないはずである。
 昨日私が通う病院の隣に墓石屋が並んでいるので覗いてみた。墓石とともに石材のゴルフバッターとイヌの像が目立つ。イギリスの教会の中の墓で犬像を見たことを思い出す。日本はイギリスにつぐ、愛犬の国だと実感した。ゴルフが好きな人も多い。先週ゴルフが趣味であるという高齢の社長に「ゴルフが楽しいのはなぜですか」と質問した。彼は笑って「やってみなさい」。その気にはならない。私は人生の楽しさを多く損なっているようである。

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