崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

小津安二郎の映画

2013年03月10日 04時40分18秒 | エッセイ
日本人が基本的に知っている映画を見ている。倉光氏が研究所に寄贈してくれた映画の「東京物語」「早春」「晩春」「秋刀魚」など小津安二郎の作品から見始めており、楽しんでいる。特に終戦直後の平凡なサラリーマンなど小市民の生活に注目してみている。恋愛、結婚、家族などの愛と親孝行が描かれている。小津監督の映画には田中絹代が出演しているのもあり、勉強を兼ねてみている。NPO田中メモリアルの事務局長の河波茅子氏はその時代の日本人にあった愛情や家族愛を持ったまま現在に至ったらよかったのにと言っておられた。その通りであり、卓見である。さらに私の大発見のような感想を言わせてもらうと終戦直後の日本人は韓国人とそれほど大きく異なっていなかったということである。女性の無愛想な表情などは韓国人とそうは変わっていなかった感がある。戦前は日韓は不幸にして同じ帝国であって多く同じ文化を共有していた。
 私が小津の作品を見ながら違和感が全くなかった感想はどいうことだろうか。日本は戦後戦禍を復元するだけのことではなく、もう一度生まれ変わったような面が多かったように受け取れた。戦後日韓・日朝はそれぞれ別れ別の政治状況の中で性格が変わって来たようである。一般的に日本は明治維新によってよく変革されたと言われているが、さらに戦後大きく変わってきたのではないかと感じた。これからも分析的に多くの作品を見ていきたい。

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